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Episode1 「なんか森でネギ拾った件」

最初に言っておく。「ネタです。」

「ふわぁ〜」と大きな欠伸をして俺は目覚めた。


…ん?俺は誰だって?俺の名はノベル!農民だから姓は無い。


「…ル!ノベル!お前またこんなところでサボっておったのか!コレだから最近の若者はなっとらんのじゃ!」


この人は俺の爺ちゃん、きっとまた俺を仕事に連れ戻しに来たに違いない、面倒くさいなぁ。


「げっ、じいじ…何故ここが…」


「何故も何もお前がサボってるのはいつもここじゃ!早く苗を植えてしまわんと今日中に終われないじゃろ!ホラ、早く仕事に戻るぞ!」


「グエッ」


爺ちゃんに首根っこを掴まれる俺、もう逃げられないと判断し大人しく仕事に戻る


「…爺ちゃん」


「なんじゃ」


「ここってさ、いつまで持つのかな。」


「…」


そう、俺たちの住むアルデバラン王国は今戦争をしているのだ。相手は《魔王》トーナス、突如として現れ、世界征服を企みアルデバラン王国にも進軍して来たらしい…俺の住む村は王都から見れば端も端、分かりやすい辺境だ。もちろん兵士などもほとんどいない、よってもしトーナスの軍が侵攻してきたりしたら俺たちは文字通り絶体絶命だ。その恐怖に苛まれながら俺たちは毎日農作業をして暮らしている。


「いつまで持つかはわからんが、それでもワシ達にできるのはこうして野菜を育てることだけじゃ、心配せずともじきに勇者が見つかって魔王を倒すわい。」


「へー。」と、雑談しながらも俺はホレンソウの苗植えを終えた。


「じゃ、爺ちゃん。俺終わったから帰るね」


「…おぅ。気ぃつけてな。」


俺はそうして畑をあとにした。これからどこに行くかと言うと、この前見つけた近くの森の昼寝スポットに行こうと思う。


…………………………………………………………


「今日の晩飯何かな〜」そんなことを考えつつ、森に到着した。この森は村人がなぜか誰も近づかないのでゆっくり寝れるのだ。


そんなこんなで昼寝を始めようとしたその時、俺の耳に奇妙な音が聞こえてきた。「グルルッッッ」獣の唸るようなその声…俺は突如として現れたその声の主を確認すべく少しずつ振り向こうとしたそのとき…声の主が襲いかかってきた!


やっぱり!あれはホーンウルフ、魔物に違いない!魔王の手がもうここまで…そんな事を考えながら必死で逃げていると、声が聞こえた。


「こっちです」消え入りそうな声だが確かに聞こえたこの声に今はすがるしかない! 転けそうになりながらも右に方向転換して声の方向へ一気に駆け抜けたその先、小さく陽の光が降り注ぐ広場のようなところに出た。そして中心にある大きな岩の上に一本の剣が突き刺さっているように見える。俺は直感した 助かるにはあの剣を持ってホーンウルフと戦うしかないと…俺は助走をつけて岩に飛びついてそのまま頂上まで登り剣を引き抜こうとしたのだが、よほど固く突き刺しているのかなかなか抜けない。助けを呼ぼうにもここは人の気が全く無い森の中。よって自力で引き抜くしかない。


「フン!」俺は全身に力を込めて剣を引っ張り始めた。それでも剣は抜けない。俺が毎日の農作業で鍛えた農筋が効かないだと!?と、憤ってから気づいた、よく見ればその剣柄が緑で刀身は純白に近い白、そう!長ネギにそっくりな見た目をしているのだ。俺はなにをとち狂ったかと思えば「そうか!この剣長ネギじゃん!」そう思い込み長ネギの収穫方法を思い出し始めた。


「確か長ネギは…根本の土を崩して、根元を持って垂直に引き抜く‥だったはず!」俺は剣と岩の間に挟まっている土を取れる限り持っていた小型スコップでかき出し、剣の柄を握って垂直方向に一気に引き抜いた。その瞬間、感じたことのない快感が俺を襲った。なんだか身体が軽い気がする…コレなら!


「うおおぉぉぉぉ!」思いっきり叫びながら俺は剣を振り上げ大岩の頂点から飛び降り、ホーンウルフめがけて剣を振り下ろした。残念なことに初撃は避けられてしまったがまだまだここから、と思ったところでホーンウルフが天に向かって雄叫びを上げ始めた。


「ハハッ、どうしたんだ。急に命乞いでも始めたのか?」その時背後に気配を感じて俺が右に飛び退ったその瞬間もう一体ホーンウルフが飛び出してきた。


「アブねぇ…お前…仲間呼ぶのかよ…」見るといつの間にか目の前のホーンウルフが3体に増えていた。正直、体力もそろそろ尽きてきてるし短期決戦で決めるしかないな。簡単な戦略を立て、正面に向かって踏み込み、剣を振り下ろした。バシュッという音を立てながら一体、ホーンウルフの首が飛んだ。そして振り向きざまに回転斬り!背後から鋭い角を突き出し飛び込んできた2体目のホーンウルフを撫で斬り、残りは一体。息継ぎしようとした瞬間、残り一体のホーンウルフは口から火球を放ってきた。


「!?コイツ!魔法を使うのか!?」俺は瞬時に避けようとしたのだが剣が急に動き、それにつられ俺は火球に向かって突っ込んだ。


「熱っっっくない?」どうやら剣が火球を引き裂きそのおかげで助かったようだ。


「コレで!終わりだぁぁぁぁぁぁ!」叫びながら剣を一気に振り下ろした。ホーンウルフの鮮血が飛び散り、さっきまで生きていた獣の命の香りがあたりに充満した。剣についた血を振り払い、迷った末俺は持って帰ることにした。なんだかこの剣には不思議な魅力を感じる。俺は欲に忠実な人間なので逆らうことは出来なかったのだ。今日は疲れた…帰ろう。俺は自宅への帰路に着いた。


                  〜続く〜

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