呪いをかけた王子様(表)
一番上のお兄様 コンラート ラート兄様
二番目のお兄様 ラインハルト ライ兄様
三番目のお兄様 ブルクハルト ブルク兄様
四番目の僕 エーベハルト エーベ
書いてる拙者もわけわからんくなりました。
一番上のお兄様の断罪事件(僕はそう呼んでる)から数カ月たった。
その話を聞いた三番目のブルクハルト兄様は、旅から帰ってくるなり話を聞いたのか僕を抱きしめてくれた。
「エーベ、ラート兄上が怖かったんだって?」
「ブルク兄様、大丈夫ですよ!あの時は確かに怖かったけどお仕事だって後でライ兄様から教えてもらいましたから!」
「そ~か、やはり我らのエーベは可愛いなぁ~」
お兄様達は本当に僕を大切にしてくれる。僕もできるかぎりお兄様達を大切にしたいと思っているんだ。
そんなある日、僕はラート兄様に呼ばれたのでお仕事をしている部屋に行った。
「ラート兄様、どうかしましたか?」
ラート兄様は複数の文官と書類を片手に話し合っていたが、僕がソファーに座るとササッとどこかに消えてしまった。すごくお仕事ができそうな人たちだ。
「突然呼び出してごめんね。エーベはお勉強の時間だったかな?」
「いいえ、ちょうど時間ができたのでお庭にでも行こうかと思っていたところです」
「そうか、だったら良かった。ちょっとエーベにお願いがあってね」
ライ兄様からお願いなんてお誕生日プレゼントで何が欲しいか教えて欲しいという話ぐらいしかない。
でも、僕のお誕生日はまだまだ先だった。
「僕にできることならなんでもしますよ!!」
頼られているかもっと思うと少し嬉しくなって、腰を浮かしながら話しかけてしまった。
それがおかしかったのかラート兄様はフフフと笑った。
「ありがと、頼りになる弟たちばかりで私も嬉しいよ。そう、お願いというのは今度私は表敬訪問で他国に泊りがけで行くことになってね。ぜひ、エーベに一緒に言って欲しいんだよ」
「えっ!僕が行ってもいいんですか?」
「うん。というか、エーベが適任なんだ。ライは僕の代わりに国内に滞在して欲しいし、ブルクは今プライベートで忙しいみたいだしね」
「フフフ。そうですね~。ブルク兄様とっても幸せそうですよね」
ブルク兄様についに春が来たんだって。その人を一目見た時にリンゴーンって鐘がなって目が会ったときには花びらが舞い散ったって言ってたんだ!
すごいよね!すごくない?
「ブルクはすぐにでもその国に婿に行くつもりだったらしくてブルクの周囲の者たちが大変だったらしいよ。あわてん坊な弟だよ。」
ブルク兄様はその恋人?の事が大好きすぎるんだけど、どうやら相手も王族の姫だったらしく結婚するには色々調整が必要なんだって。そして、すぐに結婚というわけにはいかなくて婚約期間を設ける必要があるって言ってた。
やっぱり王族って大変だよね。
でも、それをブルク兄様は嬉しそうに一つずつ乗り越えていってるからやっぱり『好き』ってすごい事なんだと思う。
「さて、エーベの許可もとった事だし、これからはいつもの座学の中に今回行く国、あっプロヴェンツァーレって覚えてる?その国についてはもう少し詳しくお勉強していてね」
「はい、分かりました!ラート兄様!」
僕の元気な返事にラート兄様はウンウンと頷きながら「それじゃあ、よろしくね」と言うと仕事に戻った。
あっという間にプロヴェンツァーレに行く前日になった。
その日の夕食は珍しく家族全員で軽い晩餐をすることになった。
どうやら僕の初めての公務?のお祝いをしてくれるんだって。
いつも忙しいお父様とお母様もいらしてくれた。
「エーベ、準備はできているのかい?」
「はい、お父様。後は明日になるのを待つだけです!」
「エーベがよそのお宅に行ける年齢になるなんて、本当に月日が経つのは早いですね」
「おっお母様!泣かないで!僕、きちんとあちらの国で来賓としてふるまうから!」
「まあまあ、本当に大きくなって・・・。」
お母様の涙に弱い我が家は、僕を含めた男性陣が全員オロオロしだした。
「お義母様、エーベハルト様ももう8歳ご心配なさらなくても大丈夫ですよ!」
ラート兄様の奥さん、僕の義理の姉さまがお母様の背中にそっと触れて励ましている。
「分かっているんだけど、ダメね。年を取ると涙もろくなっちゃう」
「せっかくの壮行会なんだから、貴方が寂しがるとエーベも困っちゃうよ。ねっ、笑顔を見せよう?」
お母様大好きなお父様が近づきながら肩をそっとさすった。お姉さまは既に自分の席に戻っていた。
「あ~、私も早く結婚したい!!!どうして同じ国に住んでいないんだろ」
ブルク兄様まで感傷的になってしまった。ちょっと、この家族まとまらない。
そんな少し騒がしい晩餐が終わるとラート兄様が僕たち兄弟を別の部屋に呼んだ。
お母様の対応はお父様に任せるらしい。
「寝る前に集まってもらってごめんね。ちょっと話したいことがあってね」
ラート兄様が寝酒を片手に持ちながら話始めた。
ライ兄様も一緒に飲んでいた。
ブルク兄様はお酒はあまり好きではないらしく僕と同じ物をのんでいた。
「どうやら、この国の王族は一目惚れで恋に落ちる事が多いんだよね。私もそうだし、ライもブルクも同じだね」
ラート兄様は僕に話があったようだ。
「でも、ラート兄様。僕はまだ子どもだから『一目惚れ』とか『恋』とかは早いと思いますよ?」
僕は心配性なラート兄様をみておかしくなってクフフと笑っていた。
ラート兄様も苦笑いをしながら
「まあ、保険として聞いておいて欲しい。もし、誰かを見初めた時はその人の一部にちょっとした『お呪い』をかけるといいよ。・・・そうだね。こうなりたいな~とか、こういう気持ちだな~とか思い浮かべるとそのお呪いの効力がより強くなるかもね。」
「ラート兄様も、今のお義姉さまにお呪いをかけたのですか?」
「もちろんだよ。だって他の誰かに盗られるなんて許されないからね。この気持ちは、いづれエーベにも分かると思うから。」
「そんなものですかね?」
まあ、僕には関係ないなぁ~と思いながら他の兄様たちのお呪いの内容も教えてもらった。
「兄様方、なんかしつこい?ですね?」
僕が思わず本音を漏らすと
「「「エーベもきっと分かると思うよ」」」
とそれぞれすっごく綺麗な笑顔で声をそろえて言ってくれた。
まっ、僕には関係ないけどね!!!
って思っていました。
あの麗しのアンニーナに出会うまでは・・・。
次からはアンニーナに戻ります!
最後までお読みいただきありがとうございました。




