炎る日差しより暑苦しいハイテンション王女とお茶をする
遅くなってゴメンね。
「君がアンニーナだったんだね」
バレリアを助けてくれた男装の麗人は私達にニコリと微笑みながら冷たい炭酸飲料を飲んでいた。
「はい、では貴方は?」
「そうだよ。昨日の晩餐会に出席できなくてごめんね。メリーディエースの第一子でナタンの姉のカロル・アエスタース・メリーディエースだ。よろしくね」
手を差し出されたので握手だと思い私も同じく右手を差し出すと。
〝チュッ〟 手の甲に一瞬だけ何かが触れてからその音が聞こえた。
「えっ?」
「あっごめんごめん。いつもの癖で女性にはこうしてしまうんだよ」
「ええっと、確かメリーディエース王女も女性ですよね?」
私は恐る恐る確認すると。
「うん。そうだね。アンニーナと同じだね。」
と言いながら私を見下ろすと
「でも、アンニーナの方が可愛いからついつい・・・ね」
〝バチン〟と聞こえるぐらいのウインクをされた。
後ろでバレリアがハァ~と甘いため息をついていた。オイオイ恋に落ちてるじゃん。
「姫、失礼します」
とハルトが前に出てきてそっと私の右手をハンカチで拭いてすっと後ろに戻った。
「ん?君は?」
その行動がカロルにとって面白かったらしくハルトに声を掛けてきた。
「はい、私はアンニーナ様の傍仕えのハルトと申します」
「ふぅ~ん。そうなんだ。よろしくね」
と言いながら近づくとハルトに向かって行き頭をポンポンと二回たたいた。
「ナタンより少し小さいのか・・・?」
身長を気にしているハルトを気にせずにずっと掌でナタンとハルトの慎重について色々呟いていた。
ハルトは、片眉が無意識に上がっていた。怒りをぶつける相手がいないからだろう。
「メリーディエース王女・・・今日は公務だったんですか?」
「ああ、カロルでいいよ。私もアンニーナって呼ぶからね。う~ん。昨日の魔物討伐打ち上げで飲みすぎてね。ちょうど目覚めたから少し二日酔いを覚ましに潮風を浴びていると君たちにあったって感じかな」
「そうだったんですね。ここは意外と魔物出るんですか?」
「そうだね~。比較的山側は弱い魔物しか出ないんだけど、海側はどうしても強い魔物が出がちかな。ちょうど王族が近くに住んでるからこちらとしては気軽に倒しに行けるからいいんだけどね~」
とニコニコと笑いながら教えてくれた。
魔物討伐か~。私もよく従姉と遠足気分で出かけてたなぁ~。
確かに、強い魔物もいるけど私達に比べればそこまでてこずる相手でもなかった。
ちなみに私達がいる場所は街中にある個室のあるカフェだった。
カロルがよく遊びにくるらしい。仕事の話をすることもあったのでいつの間にかカロル用の個室を店主が用意してくれていたらしい。こういうとき、市民と距離が近いといいよね。
私は、アイスクリームの乗ったプリンを食べていた。暑い気候なんだけど、室内はそこまで暑くない。
きっと何かで冷やされているのだろう。
「カロル様はこれからどうするのですか?」
私はプリンを食べ終えるとカロルに聞いてみた。
「そうだね~。体調も戻ったし、アンニーナと一緒に帰ろうかな」
「はい!ぜひそうしてください!」
喜ぶバレリアと無表情のハルトの対比が少し面白かった。ってハルトには言えないね。
帰りは、観光用の馬車に私・カロル・バレリア・ハルトの四人で乗り込んだ。
カロルの護衛は彼女の馬を一緒に連れて帰るらしい。
「せっかくだし、今日は私と一緒に就職を食べない?」
「ええ!喜んで!」
実は少しカロルに距離を置かれていると思っていたので声を掛けてくれたのは嬉しかった。
「もちろん、あのちょっと恥ずかしい正装じゃなくてもいいからね!」
カロルは気を使って先に言ってくれたので私とバレリアは内心ほっとした。
別に嫌いじゃないけど、お食事に集中できないのよね。無意識にお腹を凹ましちゃうんだもの。
メリーディエースの自分の部屋につくとバレリアは部屋にいたものに入浴の準備をするように伝えた。
担当の使用人はすぐに行動に移ってくれた。
しばらくすると、準備ができたので私が入浴している間にバレリアは衣装を準備してくれていた。
そして着替えると、バレリアとハルトの担当時間が終了したのでそのままありがとうと伝えて別れた。
「アンニーナ様こちらでございます」
と私に声をかけてきたのはモリーさんだった。私が普通のワンピースで来たので少しだけ悲しそうな表情をしてた。もちろんモリーさん達一部の使用人はあの正装の使用人バージョンだ。
国賓級の人の担当をするときは着用する仕組みらしい。ただし、体形が気になる人はその部分を隠すような設計の服もあるらしい。えっ私もそれを着たかったのですが・・・。
ともの言いたげの表情をすると。
「いえいえ、あくまでも使用人が着用する制服ですからね。王女様に着てもらうことはできませんよ」
とクスクス笑いながら教えてくれた。
最後までお読みいただきありがとうございました。




