炎る日差しより暑苦しいハイテンション王子の登場
ぶつかる!と思い思わず目を瞑ると
「えっ?うわっ、男ぉ~」
と叫んでいる声が聞こえたのでそっと目を開くと、ナタン王子に抱きしめられているハルトが目の前にいた。
ちょっと待って?まさか、王子も目を瞑って抱きついたってこと?
私が呆れながら抱き合っている二人を見ていると二人は直ぐに離れそして距離をとった。
そして二人とも顔色があまりよくなかった。
「王子、抱き着く時にワザワザ魔力を放出しなくてもいいんじゃないですか?」
ハルトは口元をハンカチで押さえながら言った。
「うっぷ。君、王族でもないのに中々強い魔力を持っているんだね?この私が少し酔ってしまいそうだよ」
「・・・それは、王子の魔力制御がまだ未熟なのかもしれませんね?」
ちょっと、ハルト君?駄目だよ?口は災いの元だよ?
「・・・それはそうかもしれないね・・・。私は魔力制御があまり得意ではないんだよ。って言うか我が一族だな」
えっと王子?それって結構重大な機密なんじゃないですか?そんな他国の王族ペロッてしても良いんですか?
「ええっと、今の話は聞かなかったことにしますので、ナタン王子、その話はあまり私の国の者の前では話さないでくださいね」
私がやんわりと注意するとかわいく首を傾げながら
「えっなんで?」と尋ねてきやがった。
はぁ~。そんな弱みをわざわざ教えなくてもいいと思うんですけどね。
「・・・誰か教育係の人とかに言われたことはありませんか?」
とハルトは胸やけが収まったのかハンカチを治すとナタン王子に確認した。
「え~っと、確か家庭教師に言われたかも?あっでも、腕っぷしはいいからなんとかするよ!って伝えたら溜息を付いていたような記憶が・・・。」
私とハルトは顔を見合わせてどうする?みたいな雰囲気になっていると
「とにかく、アンニーナが私のお嫁さんになるかもだから、この国で分からないことがあったら何でも質問してね?ずっと、ここで暮らしていくんだから知らなきゃいけないことは多いよ?がんばれる?」
と、とにかく私がこの国に嫁に行くという話になってきたのでいよいよ否定しないといけないなと言葉を選んでいたら
「ナタン王子?アンニーナ様はプロヴェンツァーレ王国の王位継承者ですよ?もし、ナタン王子が王女様と結婚するのでしたら王女様の国についてたっくさん勉強しなきゃいけないですよ?」
ナタン王子の傍仕えが不思議そうに王子に説明していた。
ナタン王子は『勉強』という言葉に反応していた。
「私が・・・学ばないと・・・いけないのか・・・。」
と言い終えるとガクンと両手両ひざを地面に付きうなだれてしまった。
そんなに、学ぶのが嫌なのね?
「でも、仕方がないのかもしれないなっ。これが愛故の試練というやつか・・・」
「ナタン王子、とりあえず晩餐の用意もありますのでお部屋に戻りましょうね~」
ナタン王子を無視した傍仕え達があれよあれよという間に連れ去っていった。
バタンというドアの閉まる音で私とハルトはナタン王子が去っていったことを理解した。
「なんだか嵐のような王子でしたね」
「そうね・・・。私の話はあまり聞いてくれなかったわ」
と言いながらソファーに座ると、ハルトがお茶を入れてくれた。
「この国のお茶の入れ方もさっき教わってきました。少しコツがいりますがすごく美味しいですよ」
ハルトも疲れているのにごめんねと言おうとすると、ハルトも私の隣に座って自分で入れたお茶を飲みだした。
「う~ん。これはバレリアさんに報告案件だね」
私はジト目で一緒に寛ぐハルトに呆れながら自分もお茶を飲んだ。
「あ~、すごく変わった味がするけど美味しぃ~」
「でしょ?でしょ?さすがに暑い国に適したお茶ですよね~」
「ハルト・・・。貴方は一体何をしているの?」
ハルトが私と一緒にお茶を飲んでいる姿を返ってきたばかりのバレリアさんが鬼の形相で眺めていた。
ハルトはピシッと立ち上がると
「どうしても、姫が僕と一緒にお茶が飲みたいっていうので仕方なく~」
とシオシオしながらバレリアに言い訳をしていた。
「とりあえず、アンニーナ様のお着替えをするのでハルトは一度この部屋を出なさい」
「え~僕も一緒に・・・」
「今回はダメです!」
バレリアは腰に手を置いて拒否していたのでハルトは肩を落としながら部屋を出ていった。
「さて、今回のアンニーナ様のお着替えを手伝ってくれる方です」
バレリアは私に紹介してくれた使用人の方を見ると・・・。
「バレリアさん・・・もしかして・・・。」
バレリアは大きくうなずくと
「今回アンニーナ様に着ていただくこの国の正装でございます」
バレリアさん・・・。腰回りに布が・・・布がないですよぉ~この人ぉ~。
最後までお読みいただきありがとうございました。




