おまけ ~サンス王子の独白~
本当におまけの内容なので、読み飛ばしても大丈夫ですよ。
「本当に私でいいんですか?」
「私の中では君以外の人はいないんだ。ずっと私の傍にいて欲しい。リータ・ダルトア嬢」
私は、月光が少し眩しいベランダで跪いて彼女に妻になってもらうべくプロポーズをしていた。
本来なら数カ月前にこの儀式を終えているはずだったのにと思うと苛立ちを隠せなかった。
「はい。私で良ければ。サンス王子」
愛しい人は快諾してくれた。私は立がると彼女を抱きしめ自分の胸の中に収めた。
「おっ王子!まだこういうことは早いと思います」
リータが慌てて私から離れようとしたがそれを許す訳がないじゃないか。
「もう、私達は婚約者の関係になったと思うのですが・・・。リータは私に触れられることは嫌なのだろうか?」
「そんなことあるわけないじゃないですか!」
素直なリータは顔を赤く染めながら否定してくれた。
それだけで可愛いよね。食べたくなるよね。
はやくお城に閉じ込めて私だけし会えないようにしたいんだけどさすがに王妃になるからある程度の露出は仕方ないよね。
「そっそれでは夜も遅いのでこれで失礼します!」
リータはそっと離れると付き添われていたメイドと共に部屋を去っていった。
私はソファーに座ると、侍従がお酒を用意した。
私が寝酒によく使う品種だった。
「ありがとう」と声を掛けると頭を下げてから部屋を出ていった。
一口飲むと胃からアルコールが上がってくるのが分かる。
グラスを置くとひざ掛けに体を預けた。行儀は良くないが今は一人しかいないから大丈夫。
「アンニーナ嬢は楽しい方だったな」
始め父上から他国の王女が表敬訪問というなのお見合いを兼ねて私に会いに来ると聞いた時は、少し自分に自信のある気の強い女性だと思っていたが普通の年頃の女性にしか見えなかった。
もし、リータに出会う前に彼女に出会っていたら私は彼女を自分の伴侶だと決めていたかもしれない。
それぐらい彼女の事は気に入ってしまった。
何度かそれとなく彼女に触れても嫌悪感はなかったし、魔力の相性も良かったのかもしれないな。
「ってまるで私が相手を間違えて後悔しているみたいじゃないか・・・」
自分の思考を鈍らせるために再びグラスに口を付けた。
「しかし、あの呪いがある限り私では手が出せなかったか・・・」
アンニーナ嬢にへばりついている相手を束縛する魔法陣を思い出す。
「よくあんなものを付ける許可を与えたもんだね」
アンニーナ嬢は少し天然なところがあるとは思うが判断が鈍い訳ではない。あの愚弟への処理もきちんと行ってくれた。
「サンス王子、少し宜しいですか?」
いつの間にか私の背後に立っていたものがそっと私に一枚の用紙を手渡してきた。
「調べてきてくれたの?」
「はっ、急いで調べてまいりましたよ」
「ありがとね」
といいながらその紙を呼んでいると
「あ~あの国の王太子がね・・・」
私はそれ以上は何も言わずにその紙を宙に浮かばせると直ぐに燃やした。
「それでは失礼します」
その者は用が済んだと思い立ち去ろうとしたが
「あっもう一個お願いしていい?」
「はっ」
「君じゃなくてもいいからこれからクスターの監視を一人付けて欲しいんだ」
「クスター王子にですか?」
「ああ、残念だけどあの子は私が思っていた以上に使えない子だったんだよね」
「かしこまりました。明日から早速人を配置します。報告はどのタイミングで?」
「緊急以外だったら一週間に一度でいいよ?そして、逆に私を調べようとする者がいたら処分しといてね」
「はい。かしこまりました」
その者はそれを言い終えると消えるようにいなくなった。
「クスターには教えていると思うんだけどな~」
『傲慢になってはいけないけど侮られるのはもっといけない』
「それは、兄弟間でも同じという事だよ。」
アンニーナ嬢の指示した処罰はもう行われたけど、私からの処罰はまだだからね。
「クスターが見つけた愛しい人は直ぐには渡してあげないよ」
私は残りのお酒を一気に飲むとそのままベッドに入ることにした。
サンスお兄ちゃんは根に持つタイプという話でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。




