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うっかり王女適当に返事をした王子が魔法で縛ってきたのでサクッと解術してもらうことにしました。  作者: 鈴木 澪人
オリエンス編

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一瞬呪いが解けた王子様

「クスター王子!お下がりください!」


使用人の一人がクスター王子を王女様から引き離した。


「何をしている!彼女が苦しんでいるではないか!」


「しかし、クスター王子に呪いがうつるかもしれません。危ないです!」


「リータ様もこちらへ移動してください」


「えっ?私は一般市民なので大丈夫ですよ?」


「そのようなことをおしゃっている場合ではございません。さぁ」


クスター王子とリータを部屋の外に出し別室に移動した。


そして、使用人の中で最も権限がある人物が


「この状態では我々レベルの人間が何人集まっても解術などできないだろう。とりあえず、この部屋を封鎖し明日公務から戻ってこられるサンス王子に解術出来るか聞くしかないだろうな・・・。」


「国王には報告なされますか」


「いいやしなくても大丈夫だ。()()()()()()()見聞きしているだろう。外交的に問題があった時に呼び出されると思うからそれまではこのままだ」


「はい、了解しました。」


「じゃあ、私達もこの部屋を出よう」


使用人たちは気を失っているアンニーナに頭を下げると部屋を出て外側からカギを掛けた。


「この鍵は?」


「ああ、一見普通のカギに見えるが魔道具としての機能も備わっていてな。私以上の魔力を持っていないと開かない仕組みだ」


「貴方様は上位貴族でしたよね。でしたら王族級の人でないと無理ということですか」


「論理上そうなるわけだが、初めて使うから本当に機能するのかは分からんな」


「一度私が開けてみましょうか」


部下が興味深げに聞いてくるので


「いいだろう。身体に攻撃はしないと思うしな」


部下に鍵を渡すと、さっそく鍵穴に鍵を入れようとした。


「ん?あれ?鍵穴に鍵をさせません」


「そんなことはないだろう。さっき私が鍵を閉めたのを確認しただろ?」


「そうですよね?」


部下が不思議そうに何度も鍵穴にさそうとしたが磁石の同じ極同士が反発するような感じで結局最後まで鍵を刺すことすらできなかった。


「これは、ドアを壊すしかなさそうですね・・・。」


「そうみたいだな・・・。」


安心した私達はそのまま王子たちがいる部屋へ向かった。

王子を説得することができるといいのだが。


※※※


 僕は兄様達に用意してもらった服を着たのはいいんだけど


「ちょっと、これアサシン(暗殺者)みたいじゃない?」


全身黒色でコーデされていた。確かにかっこいいけど、確かに黒は僕たちの国の色だけど・・・。


「まあ、夜に紛れるにはいいのかな?」


僕は茨に覆われた顔半分を隠すために薄いベールを上から被った。

前が見えないって?魔力で補うしかないかな?便利だね。魔力。


僕は、窓からそっと飛び降りるとさっきの不快な魔力を追って走っていった。

多分場所はあの王子のプライベートな中庭だと思われた。


一見警備がガラガラに見えるが、ある程度の魔力がないと入れないエリアの中にその隠れ家みたいな屋敷があった。


「一階かな?」


すぐに侵入できそうな部屋で良かったと思いながら、窓を覗くとうん。カーテンだね。何も見えない。

しかし、あの不快な魔力と愛おしい人の魔力がぐちゃぐちゃに絡まっていたので怒りがこみ上げてくる。


「クッソ」


僕は窓の鍵を開ける為に軽く魔力で圧をかけた。

カチッ。容易に窓の鍵が開いた。

そっと音を立てないように開けると、彼女はうなされながら眠っているように見えた。


僕は彼女の顔をみるためにベールを外すと僕と全く同じ文様が茨で構成されていた。

苦しむ姿は少しだけ心苦しいけど僕と同じという事に心のなかで薄暗い喜びが湧き上がってくる。


「ねえ。アンニーナ。いっそこのまま僕とお揃いのこの文様をつけたまま生涯一緒にすごすのも悪くないよね?」


アンニーナに語りかけても何も返事がない。そっか、アンニーナにとってそれは異物でしかないのかもしれないね。脂汗を薄っすらかいている彼女のおでこをそっと近くにある綺麗なふきんで拭ってあげた。


このまま彼女を見ているだけでも幸せを感じるけど、そろそろアイツの魔力を彼女から取り出さなきゃね。

僕とアンニーナの間には誰も入り込むことができないんだからね。


僕はアンニーナの頬をそっと触りそのまま文様があるところをなぞるように追っていった。

最終地点は僕が心を込めて忠誠を誓ったあの魔法陣の所だ。


「ん?これか?」


アンニーナの細い手首に不釣り合いなバングルが食い込むようについていた。

それだけでも腹立たしいのに。


「オーパーツか?こんなもので王族を縛ろうだなんて、アイツ(クスター)は一生許せんかもしれないな」


僕はそのバングルをそっと撫でると簡単に二つに割れた。

そして、その割れたバングルを先ほどのふきんの上に置いた。


アンニーナを確認すると、茨がスルスルと戻っていき最終的に魔法陣の中に入ってしまった。


「しかし、我ながら素晴らしい機能を持つ魔法陣(祝福)を作り上げることができたよね」


僕だけのアンニーナを他の異性が触れるだけでもこの文様を出したかったけどそれだと彼女の父親も対象になってしまうから、せめて魔力が入り込まないようにする設定は大変だったな。


「もう、浮気しちゃだめだよ?」


僕は、アンニーナの手首にそっと口付けると


「んっう~ん」


アンニーナが覚醒しようとした。

このまま僕の事を伝えてもいいんじゃないか?思い始めた。

そしたら、この公務は実質婚前旅行になるかも?

僕は色々妄想しながらアンニーナが目覚めるのを待つことにした。


「ん?え?あれ?」


「姫!!」 あれ?()()()()()()()()


「ハルト?どうしてここにいるの?」


この時の僕の絶望感は人生で「うそだろ?ベスト5」に入ると思った。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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