麗らかな春の日差しの中で不眠症王子と語る
「王太子殿下も、こんな心地よい風が吹いていると眠くなりませんか?」
私が何となく質問してみると
「サンスでいいよ。私もアンニーナ嬢と呼ばせてもらっていいかな?」
「はい!もちろん大丈夫ですよ」
サンス王子は嬉しそうに微笑むと、私も同じように笑っていたと思う。
オリエンス国は気候が穏やかで一年中過ごしやす国で有名だ。
新しい改革や法律も発祥はだいたいこの国から始まる。
まるで新緑が育つように色々な物の始まりの地と呼ばれている。
そして、この国の王族の特徴はとても綺麗なホリゾンブルーの髪色を持っている。
春って緑ってイメージなんだけど、実は青なんだよね~。
一緒に春風を浴びながらふとサンス王子が無口になったのでこっそりと横顔を盗み見た。
王族ってどこの国でも基本的に美形なのよ。かくゆう私もぉ~自国ではふつつかながらぁ~美人さんと呼ばれておりますしね。エヘヘ。
気持ちよさそうに風を浴びているサンス王子はホリゾンブルーの髪をサイドで緩めに一つにまとめていた。
私より少し年上の21歳まだ婚約者はいないんだっけ。
髪の色と相まってすごく優しい雰囲気をもっている。確かにこんな美人さんの奥さんになるには少し勇気がいるよね~。体も鍛えていると思うの、いわゆる細マッチョっていう部類に入るわね。けっして華奢じゃないから注意しないとね。日差しがあまり強くない気候だから肌もすっごく綺麗。
そう、色白に眉も髪と同じ色、目の下のクマはうっすく化粧をしているけどもきちんと自己主張するほどバッチリ出ているし・・・。ん?目の下のクマ?
「アンニーナ嬢、あまりそうジロジロと見られると・・・」
綺麗なお姉さん系のお兄さんが少し照れながらこちらを見ているけど、けど!!
「ちょっと!サンス王子、失礼します!」
私は無意識にサンス王子の頬を両手で挟むと「え”っ?」という綺麗兄さんの声にしては濁った音が漏れた。
「すっごいクマですよ!ちょっとどうしたんですか?」
私は、化粧を親指でこそぎ落とすと一気に顔色が悪く見えた。ヒェ~。大丈夫?
「サンス王子、もしかして私に会うのに緊張して寝れてない?」
一気に不安になった私はサンス王子の瞳を見ながら確認した。
サンス王子は一瞬目を見開き驚いたが、私の手をそっと顔から外すと口を押えながら肩を震わせた
えっ?泣いてる?21歳男性を泣かしちゃった?
「フッ、アハハハ。違うよ。大丈夫、アンニーナ嬢に会うのに緊張して前日眠れないなんて・・・。フッ。フフフ」
サンス王子がお腹を抱えて笑っているのはただたた白々しく眺めていた。
まぁ~ね。確かに自意識過剰かもしれませんが・・・。そんなに笑う?
「だって、すっごいクマ作ってるから、普通に心配するでしょ」
私は少し頬を膨らませながらサンス王子に抗議してみた。
でも、サンス王子はまだ笑い足りないらしくしばらくヒイヒイ笑っていた。
「ごめんね。確かにアンニーナ嬢に会うのは楽しみだったけど、僕はずっと前から夜になると眠れなくなるんだよ」
サンス王子が目元をぬぐいながらクマの原因を教えてくれた。
「そうなんですか?お薬とか飲んでないんですか?」
「そうだね。多分心因性だから無駄だろうって。あまり薬に頼るのも良くないしね」
「たしかに、そうですね」
「だからこうして庭に出て心地よい風を浴びながら少しだけ目を瞑ることが多いんだよ」
そういうとサンス王子は椅子にもたれかかって目を瞑った。
「マナーがなってなくてごめんね。なんだか今、眠れる気がするんだ・・・。」
「大丈夫ですよ。まだ歓談の時間中ですし少し眠ってください」
私の言葉にサンス王子は少しだけ目を開けてからするに目を閉じた。
私よりも大きな体をしているはずなのに、豪華な椅子にもたれかかり目を瞑るサンス王子はまるで幼い子供の様に見えた。
最後までお読みいただきありがとうございました。




