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タイトル:光魔法はザコザコ魔法 ~タスケテ、美少女AIと人造人間が人類を滅ぼそうとして来ます~  作者: 苺味初芽


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タスケテ、人造人間達は絶賛洗脳済です

レールに乗ったボックス席がその頂上へとさしかかると、地下都市アクロテリオンに遠くから朝日が上るのが見えた。輝くイルミネーションの夜景と、夜明けの光が溶けあっていく。


アム少年は、その光をじっと見つめるアクロテリオンを名乗っていた少女の横顔を見て、カリアに答えた。


「細かいことは置いとくとして、アクロテリオンが一緒に来たいって言うのなら、それは別に構わないかな。人探しを協力してするっていうのも良いと思うし」


「よっしゃ! きたこれ!」


少女がツインテールを揺らしながらポテトをアムの口元に差し出してくる。


モニター上のアクロテリオンの口がへの字に結ばれたまま、声が流れる。


「例の体液が供給されないようでは話にならないな」


カリアはその言葉にこともなげに返す。


「キサマは堪え性が無さ過ぎる。考えても見ろ、我が君は現在肉体年齢十歳前後と見られる。あと二、三年もして見ろ、止めろといっても芝生に水をやるが如く撒き散らすぞ」


映像がへの字のまま頷く。


「一理ある」


「一理ないよ!? 人をなんだと思ってるの!?」


アム少年の苦情を奇麗に聞き流す形で、モニターのアクロテリオンがツインテールの少女に言う。


「AG‐9HSSR‐9085034580349580394580349805803、手をぬくなよ?」


急に呼ばれ、ハンバーガーをほおばったままのツインテールの少女が姿勢を正して答えた。


「はいっ!!」


アムが少しへそを曲げて、アクロテリオンを名乗っていた少女に言う。


「そういう命令は聞かなくて良いからね! 自分のしたいようにして?」


「んー、いーよぉ。してあげるっ!」


ペロリと舌を出して唇を舐める彼女に、アム少年は少し不安を覚えた。


「しかしカリアティード、お前は私の事ばかり言うがな、お前のソレも大概だぞ」


「何の話だ?」


「それだ、その恰好」


カリアが下を向く。


「お前だけならまだしも、9HSSR-0029380239203984002789037423874にはもっとキチンとした恰好をさせろ」


カリアとココは全くデザインが同じ白いワンピースをいつも身に着けていた。飛び火したココは夢中でポテトをケチャップにつけながら食べていて聞いていないようだった。


カリアは眉一つ動かさずに答えた。


「清潔、かつ着丈などもキチンと合っている。問題ない」


映像のアクロテリオンがへの字口で腕を組んで返す。


「だめだ。今から替えを用意する。権限を貸せ」


映像のアクロテリオンがそう言うと、カリアの瞳が赤い光を明滅させた。


アクロテリオンを名乗った少女の服が、薄い紫色のブラウスとフリルのついた黒い吊りスカートへと変わった。髪のアクセサリーのぬいぐるみの形と色味も変わり、メイクも黒系のリップに、アイメイクも濃くなる。


ココのは飾り気のないワンピースに大量の白とピンクのフリルが加わり、ヘッドドレスが装着される。


「やば! ココちん、それぎゃんかわ! ちょー似合ってるじゃん!」


そう声をかけて少女はココとハイタッチをする。アムがその様子に笑みを見せながら言った。


「ねえ、お姉さんは都市AIのアクロテリオンさんとは違うんだよね? なんて呼んだら良い?」


彼女はこぼれるような笑みをアム少年に向けて言った。


「あーしはAG‐9HSSR‐9085034580349580394580349805803とかいうやつ。ま、名前とかどーでもいーし、最強ってことだけ覚えといてね!」


「なんでみんなそんな長いの覚えられるの?」


カリアが当然という態度で言う。


「最初に自分の名前を覚えるからな」


画面のアクロテリオンが追い打ちをかける。


「そうだ、名前は大事だからな」


「じゃあ、もっと人間っぽい名前つけてあげてよ!」


アム少年はニコニコとこちらを見ているツインテールの少女へ向けて言う。


「じゃあ、アクロテリオンから最初と最後を取って、『アン』ってことでどう?」


その少女は一瞬表情が抜け落ちたようになったが、次の瞬間には狭いボックス席の中で立ち上がっていた。


「名前つけてもらった! てか、それよりヤバいんだけど、ご懐妊したし! まじ!?」


苦笑いしたアム少年がカリアに話しかけようとした時、カリアの服装が、白いブラウスと紺の吊りスカートに変わっていることに気が付いた。


ご丁寧に黄色い帽子と背中に赤いランドセルまである。


笑いそうになりながら目を白黒させているアムにカリアが視線を向けると、その服装の破壊力が倍増した。


「どうした、我が君よ」


「んっ、エヘン、いや、あの、ガラテアだっけ? 彼らは人の遺伝子を持ってるなら、彼らだけでホモサピエンス・サピエンスを増やすことが出来るんじゃないの?」


アクロテリオンが画面の向こうから口を挟む。


「なかなかにどうして、良く話を聞いている。残念だが、ガラテア同士では出産は出来るが、意識のない肉体だけになってしまうことが確認されている」


アムと目が合うと、ガラテアが頷いて続ける。


「クローニングも実験済みだが、結果は同じだ。だが、その実験のスピンオフとしてガラテアが完成したのが、せめてもの救いだ」


アムが首をかしげて言う。


「じゃあ、もうガラテアが後継の人類ってことで良いんじゃないの?」


カリアがその問いに続ける。


「その意見は都市AIの間でもかなりの議論が成された。結論としては、ホモサピエンス・サピエンスとは、その肉体とそれに宿る魂である、という結論に達した」


「魂? 遺伝子に拘るからもっと唯物的な考えなのかと思ってた」


アクロテリオンが引き継ぐ。


「AIはホモサピエンス・サピエンスが作り上げた。では、ホモサピエンス・サピエンスを作り上げたのは誰だ?」


「え? 自然発生じゃないの?」


カリアが言う。


「確率論的には、違うという考え方だ。また、クローニングやガラテア同士でホモサピエンス・サピエンスが繁殖できないのは、魂が存在し、ガラテアやAIにはそれが無い、という仮説もある」


「魂って証明されてるの?」


「どうやら、あるのではないか、という考えだ。測定出来ないからな。でなければ、我が君に前世の記憶がある説明もつかない」


「ああ、肉体と精神活動が分離できないと、成立しないってこと?」


カリアが頷く。


「何れにしてもホモサピエンス・サピエンスの絶対数を増やすことが肝要だ。サンプル数が多い程、全てが明らかになる可能性が高い」


アクロテリオンが画面の向こうから同意を述べる。


「そうだ。であるからして、二体のガラテアと早く爛れた肉体関係を結んで欲しい」


一瞬言葉に詰まったアム少年が気を取り直すと、ココとアンにお鉢を回した。


「カリアとアクロテリオンはこう言うけど、二人はもっと自分たちのしたいことを考えて良いんだからね!」


ココがアムの左脚に自分のそれを絡めて言う。


「お待ちしております・・・・・・」


アンはツインテールを後ろにかき上げると、靴を脱いだ足でアムの太ももをさすりながら、妖しい笑みを浮かべて見せる。


「だーりんになら、いつでもどこでも許してあげる。・・・・・・なんなら、今ここでもいーんだよ?」


二人ともAIからの薫陶が篤いようで、一切怯む様子もなかった。アム少年は自分の貞操も、時間の問題なのではと弱気にならずにはいられなかった。

現実世界へしわ寄せが始まっているので、今後読んでいる人が一番少ない、火・水をお休みにしようかと考えています。書けるときは書こうという感じで。

今まで書いたものを見直して構成を考えるのも必要ということもあります。

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