表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

テーマ友情ですぐ頭に浮かんだもの

作者: まい

友情がテーマで、真っ先に頭に浮かんだベタなやつ。

 とある学校の秋の恒例 (?)行事である長距離走(マラソン)大会。


 そのイベントで一緒に準備運動をしている、仲の良さそうな男子2人がいる。


 2人とも同じ位の身長で、髪型も同じショートヘアで、学校のジャージ姿なのであまり見分けがつかない。


 それでも見分けようとするなら、顔つきが若干鋭い方と、顔つきが若干丸い方と表現しようか。


「一緒にゴールしような!」


「勿論だぜ!」


 仲の良さそうな、ではなかった。 親友だった。


 その親友2人がマラソンに意欲を見せ……いや、その確かな友情を学校全体へ見せつけようとしていた。


 この2人は運動部に入っていないし、運動部に勧誘されるほどの高い身体能力は持っていない。


 それでも2人のペースで最後まで一緒に走り抜いて、2人でゴールしようと誓いあったのだ。








 マラソン大会は無事に始まり、2人も並んで一緒にスタートする。


 走り続けていると、小さなトラブルが多発する。


 スタート直後では、最初だけでもトップをとってやるとばかりに猛ダッシュをかけながら、他の走者を(あお)りたてるお調子者が現れる。


 序盤は走者が固まっているので、他の走者とぶつかってコケるなんて事もたまに起きる。


 中盤頃になれば「なんで走らされているんだ」「もう良いだろ」「歩こうぜ」「やってられねえよ、マラソンなんて」等の呪詛(じゅそ)を振りまいて、走り続けようとする気力を削る者が現れる。


 終盤が近くなればスタミナが切れて歩き出す走者が増え、視覚へ直接「もう歩いても良いんじゃないか」と訴えかけてくる。



 それでも意地でも歩くまいと、歩くような速度であろうと走り続けている。


 が、やはりそんな速度で走っているという事は、スタミナが尽きかけている証拠に他ならない。




 なんとか走り続けて、ゴールが視界に入るようになった頃。


「俺達頑張っ()よなっ!」


 若干丸い方が今までを回想するように口を開けば、若干鋭い方が注意を促す。


「まだだ! ゴールするまで油断するなよっ!」


「……そうだなっ」



 ゴールまでもうあと、およそ20歩残っていればいい方か。


 その頃になると、顔つきが若干丸い方が不穏な空気を見せる。


 それを鋭い方が察知するが、鋭い方のスタミナはもう尽きかけている。


 なにかを言えるスタミナは残っていないので、丸い方をじっと見つめる。


 すると……。



「ごめんっ!」


「っ!!?」


 余力を残していた丸い方が、ここに来て加速した。


 なんて事だ。


 アレだけ仲良しで「マラソンを一緒にゴールしよう」と約束し合った仲なのに。


 なんて事だ!


 そのショックからか、鋭い方に叫ぶだけの力が湧いてきた。


「裏切り者〜〜〜っ!!」


「ホントごめんって〜〜!!」

 これは、この行事では良くある光景。



 なお親友2人は、約束を破った罰として丸い方がファミレスで美味いものをおごるって事に決まって、仲直りしました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ