表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/65

階層950・神の審判

な…

俺とピヨッシーはドラゴンのいた場所に戻っていた。

そこには、噛まれたような跡が残っている赤いドラゴンの死体。

そして、何もせず、ただ唖然と立っているミリン(きつね)


「何があった。」


無駄だと思うけど、一応聞いてみた。

・・・やっぱり何も答えない。考えるしかないか…

なぜドラゴンは死に、ミリン(きつね)が生きているのか。

考えなくても分かるか…ミリン(きつね)は死ぬのが怖くなったんだ。だからドラゴンはミリン(きつね)を襲わなかった。でもどうしてドラゴンは死んでいるんだ?わざわざ殺す理由は無いはずだ…

でもまあいい。死にたくないと思ってくれたなら。


「村に帰るか?それとも…」


「あの…ゲンゾーさん…私を、ミリンを…旅に同行させてください。」


「別にいいけど。…あ…また俺魔法に掛かってるのかもしれなーい。」


ま、それでもいいけど。


「だ…ダメですか…」


俺は頭の後ろで手を組んだ。


「ん、いいよ。ミリンを護れるのはピヨッシーだけだからな。」


「ゲンゾーさんじゃないんですか…」

「え!?なんで僕!?」


「俺は簡単に魔法に掛かっちまう。でもなんでかピヨッシーは魔法には掛かっていない様子だった。だからミリンは俺じゃなくてピヨッシーを頼れ。わかったか?」


ピヨッシーは意外と俺より強そうだしな。


「は、はい。」


「なんでも言ってね!僕が護るから!!」






ドラゴンの肉を剥ぎ取り、焚火に火をつけ、肉を焼く。

ドラゴンの肉を食うのは初めてだ。ドラゴンは並の人間じゃもちろん。熟練の魔法使いや剣士でも倒せない。もちろん俺も。


「ゲンゾーさん…右腕大丈夫ですか?」


「大丈夫じゃない。痛い、剣持てない。戦えない。」


「ですよね…あの、これよかったら。」


そう言ってミリンは緑色のでかい葉っぱを俺の右腕に巻いてくれた。


「これは?」


「これはヘルスハーブです!食べたら美味しいし、ケガしたところに貼ると、ちょっと痛いけど治りが速くなるんです!。」


ちょっと痛い?

・・・俺は右腕に着いたハーブを眺めた。右腕は次第に熱くなり、ブルブル震えだした。

これ毒じゃないよな?本当に大丈夫なやつだよな?ミリンに聞こうと思った。けど…凄いニコニコで肉を焼いている。今までの彼女からは想像ができないほどの眩い笑顔。我慢するか…


ドラゴンの肉は美味しかった。今日はいい日だったな~。そう思ったのは束の間、夜、寝る時に腕の痛みが倍増した。寝れなかった。この瞬間、人生最悪な日に変わった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ