男と女、それぞれの事情?! (2) タクシー乗り場にて
タクシー乗り場の待合室の椅子に座って、駅の改札あたりをボーッと見ながら、タクシー待ちしていた。
改札の入口前に、大学生らしい2人の男女!
男性は、前のめりに自転車にまたがって、女性は、その横で、姿勢良く立っている。
見つめ合って、ほんと楽しそうに、お話中。
その後、お互いの帰る時間が来たんだろう。
男性は、自転車にしっかりまたがり、女性に、一声かけた後だろうか、自転車の方向を変えて、すごい速さで走り去って、あっという間に私からは見えなくなった。
女性は、頭の上くらいで大きく手を振った。
次に、胸の前くらいで小さく手を振った、
最終、太ももあたりでも、恥ずかしそうに、小さく小さく手を振った。
少しの間、まだその場から動かず、姿勢良く立っていたが、その後、ゆっくりと改札に入っていった。
たった数分の光景なのに、女性の気持ちが、痛い様に伝わってきて、涙が出そうになった。
よけいなお世話だが、
男性も、スピードを出した自転車を、途中で止めて、女性を振り返ったんだろうか?
駅を離れるまでは、自転車に乗らず押しながら、たまに振り向いてくれたりして帰ればいいんじゃないの?
どうせなら、女性が改札に入るのを見届けてから帰れば、、、などなど呟いてた。
知らず知らず、女性の事から自分の事に置き換えてる事に、ふと気づき、泣き笑いしそうになった。
ああ、青春だなあ! 若いっていいなあ!
何て素晴らしい時代なんだろう!
タクシー待ちのほんの一時だったが、甘酸っぱい空間にワープした瞬間だった。