表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブレイブ&ルシファー  作者: イーグル
67/78

64、地下神殿の激闘

ガシィンッ ガシィンッ


激しく金属音同士がぶつかり合う音が神殿に響き渡る、剣と剣が何度も鍔迫り合いとなり剣の使い手であるカリアとガーランの戦いが始まっていた。


「へっ、たかが人間の勇者なんざたいした事ねぇと思ってたけどよ。ちょっとは骨があるみたいじゃねぇか」

一旦距離を取って離れたガーランはカリアを見据えたまま自らの剣、その刀身を舌で舐めた。カリアを極上の獲物と認め、なんとしても仕留めるという気持ちの現れだ。

「……貴様も元魔王軍の切り込み隊長だっただけあってたいした腕だな」

カリアは改めて剣を構え直し、ガーランから視線を外さない。


「俺が強ぇのは当然だろうが!俺ぁ魔物の中でも才能ある力を持つ、剣だけじゃなくこうして優れた魔法だって使えるんだからよぉ!」

「!」

そう言いながらガーランは剣を持つ右手とは逆の左手から雷の力が宿ったボール状のエネルギーを生み出させる。


「サウザンドサンダーボール!!」


ドドドドドッ


無数の雷の弾がガーランの左手からカリアへと向けて放たれる、喰らえば全身が雷の衝撃を与える雷魔法の高等魔法だ。


カリアはこれを右や左へと素早く移動したり跳んだりとガーランの雷魔法を躱す、だがガーランの狙いはカリアに魔法を当てる事ではなかった。



「シャアァァーーー!」

魔法を躱す事に意識が向いているであろうカリアへとガーランはすかさず地を蹴って距離を詰め、勢いで剣を縦へと振り下ろす。

「!?」


ギィィィンッ


これにカリアは咄嗟に反応しガーランの剣を自らの剣で受け止める。


「そらそらそらぁーーー!」


キンッ キィンッ


チャンスと見ればガーランは剣を自在に操り連続で剣を振り下ろし、横薙ぎに振るってカリアを押しておりカリアは剣で防御するので精一杯という感じだ。


「はーははは!どうした勇者?防御するだけで精一杯か!?勇者の力っていうのはそんなもんかぁぁ!?」

自分が優勢と見ればガーランはひたすら剣を振り回し攻撃を止めない、カリアに一呼吸すら休息を与えるつもりなど無いと言わんばかりの怒涛の連続攻撃だ。



更にガーランは雷の魔法、サウザンドサンダーボールを再び作り出してカリアへと放つ。


それをカリアは再びかわし続け、ガーランの剣が迫って来たら自らの剣で受け止める。


獣の牙はまだまだ襲い続ける。












「はっ!」

「!」


ボォォォォォォ



アスが巨大な炎の玉を詠唱無しで作り出し、シュウへと炎の玉を飛ばせばシュウも同じように炎の玉を杖の先から発生させて飛んで来た炎の玉にぶつけて相殺させる。

魔力は互角だ。



「私の数少ない吸血鬼の部下が世話になったようですねぇ、反応が無い限り魔王様達が殺したようですし。狂った騎士に殺される程ヤワな連中ではないので」

「仲間を殺された仇討ち?なんからしくないねそれ、自分の部下なんてどうなろうと知った事じゃないって感じに思えるしキミは」

此処に来る前アスと同族である吸血鬼と王の間で戦ってきた。アスがその仇討ちをすると思うとシュウからすれば違和感しかない、アスは仲間を殺されて怒り仇討ちだというようなタイプではない事はこれまで接触してきた印象から思っていた事だ。

アスだけではない、ガーランもデーモンロード復活の為なら同族がどうなっても構わない。その目的が達成されるなら別に良い。

タイプは違えど二人とも何を犠牲にしようがデーモンロードを蘇らせるという一点だけは一致しておりその結びつきが同志となったのかもしれない。



「まあ確かに同族をあなた方に殺された所で絶対に許さない、仇討ちだと怒り狂うような事はありませんね。そんな感情あろうがなかろうが私がこれから貴方を殺すという事になんら変わりは無いのですから!」

そう言うとアスは複数の黒い玉をシュウの頭上に発生させた。これはオーク達も使う暗黒魔法ダークボムだが、アスはそれを一気に無数に作り出す。

「レインダークボム!」


ドガァァンッ ドガァァンッ ドガァァーーーンッ


暗黒の黒い玉がまるで雨のようにシュウへと降り注ぎ次々と爆発を起こさせ、爆風であっという間に周囲が見えなくなった。

普通ならばこのような連続の暗黒魔法を喰らえば人間は木っ端微塵となり耐性ある魔物でさえタダでは済まない、そして高レベルの魔法を連発したにも関わらずアスの息は乱れてはいなかった。



「無事なのは魔力でバレてますよ!ウインドスラッシャー!!」


ゴォォォーーーーーーッ


アスはすかさず風の魔法を唱え、爆風ある中に鋭い風の刃が仕込まれた竜巻を発生させる。飲み込まれた対象者は竜巻の中で風の刃によってズタズタに切り裂く、高等魔法に続く高等魔法のオンパレードだ。




「ふっ……これだけ浴びせれば流石の魔王も……」

魔力において自分は吸血鬼という種族の頂点に君臨する存在、生まれ持った超魔力を持ち魔王にも匹敵する程の力を持つ。

その自分のこれだけの高度な魔法を浴びせればいかに魔王といえど無事に済む訳が無いとアスは確信していた。



やがて爆風が収まり、竜巻も消えると人影がそこにあった。

爆発を受けて更に風の刃で切り裂かれたシュウは足元をふらつかせてその場にバタっと倒れた。



「ははははは!魔王、この手で打ち取りましたよ!所詮は子供の魔王、私の敵ではありませんでしたねぇー!!」

シュウが倒れた姿を見せるとアスは盛大に高笑いし、自分の勝利に酔いしれる。これでもう障害は無い。魔王が倒れた今恐れる物は何も無いだろうと。



フッ


「……え?」

その時、シュウの倒れた姿が突然フッと消えた。それを見てアスの笑みも消える、移動魔法を最後の力を振り絞って使ったのだろうかと考えたりもしたがあれだけの重傷でまともに移動出来るものなのかと思考を巡らせる中……。




ゴスッ


「ぐお!?」

アスの頭に衝撃が走った。何かに殴られたような衝撃、痛みが走るが重傷とは程遠い。頭を抑えながらアスはキッと後ろを振り向くと、そこには倒れていたはずのシュウの姿があり全くの無傷の状態でアスの背後に立っていた。

彼は持っていた杖で後ろからアスを殴ったのだった。



「とりあえず挨拶がわりだよ」

「っ……!い、何時の間に後ろに……あの倒れた姿は幻術か何かですか?私がそのような物にかかった覚えは無いはず……!」

アスは幻術だとかそういった物には耐性があり、惑わされる事は無い。だが実際に今アスはシュウに騙された。何故だと口調は冷静でも困惑が見えている。


「ああ、別にキミに幻術は何もかけてないね。あれは僕の作った人形さ、少し魔力を込めた物でね」

「魔力……!?あの時感じた魔力は人形に与えた魔力だったと言うのですか!」

シュウは回避する前に人形を作り出しており、それを身代わりとして置いてアスがそちらへ注意が向いている間にシュウは悠々とアスの後ろへと回り込んでいたのだ。


「しかし私に魔法が通じないとなったら杖で殴るとは、やはり子供の魔王はやる事まで幼稚という物ですね!こんな攻撃で私を倒せると思いましたか!?」

「その割には結構痛がってたよね、まるで効果無いという訳じゃなさそうだったよ」

「フン……今度は揚げ足取りですか?全く、これ以上子供の戯言には付き合ってられませんね!」

シュウの言葉に若干のイラつきを見せながらアスは距離を取ると空へと跳んだ。吸血鬼の翼で彼は空も飛べる。



「魔王シュウ!私のとっておきの魔法で一気にフィニッシュと行きましょうか、今度は人形を使っての小細工など通じはしませんよ!」

そう言うとアスは魔力を溜め始めた。アスの身体に黒いオーラが宿る、暗黒の魔力がアスの中で溜まり、とてつもない魔力として放出されようとしている。



「はーはっはっは!光栄に思う事ですね、この私の最強魔法など滅多に見れるものではありません!これで死ぬ事は大変名誉です、あの世で誇りなさい!」



「……………」

高笑いするアス、その姿をシュウは何を思うのか静かに見上げていた。

まずは此処まで見ていただきありがとうございます、戦いとなると一方的な感じになっているうちの小説ですが今回は結構互角な感じとなっております。性格に難はありますがちゃんと強かったという


この話が良いなと思ったらブクマと評価よろしくお願いします。評価方法はページ下にある☆☆☆☆☆をタップです、こういう評価が執筆のモチベに繋がったりします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ