ダンジョン攻略 4
第二章 成り上がり
第六十一話 「ダンジョン攻略 4」
地下12階。
いつものように俺が先に見回って降り口を探したが……
降り口が見つかったけど、その前に魔獣が待っているかのように待機している。
まぁ、ラザノフの不満が溜まってるから戦ってもらうか……
ーーーーー
9階に降りた俺達は見回り後、魔獣と戦わずに回避することに決定する。
ちなみに魔獣はゴブリンとかいう人型のチビ。
ただ、ゴブリンも亜種らしく紫色(通常は緑)で、いかにも毒を持ってそうだった。
10階も同じくスルー。
魔獣は炎を纏った馬のようだった。
とてもカッコいい魔獣だったけどスルーさせてもらった。
しかし、この時点でラザノフが不満を漏らす。
「拙者は戦いたくてダンジョンに来たのに飛んで逃げてばかりじゃないか! リュウばかり戦ってズルいでござる!」
と言われても、スルーはスルー。
11階、スルー。
「ふざけるな! リュウはいつも逃げてばかり、あの時もそうだった! もう拙者1人で行く!」
と言われても、飛ばなきゃ入れない降り口だったので一緒に降りて来た。
その途中にラザノフはラリィに説得されて、ラザノフは渋々俺と行動を共にしている……
ーーーーー
今回の魔獣は人型。
ソマルさんの話では人型の魔獣は強いと言っていたけど、そうとも言えない。
人型でも虫からの人型がやたら強い。
前世の聞いた話では、人類、動物、昆虫、それぞれ体積や重さを同じにしたら昆虫が圧倒的に強いと聞いたことがある。
その通り、この世界では昆虫の人型が強い。
そして今回の魔獣も昆虫の人型。
形的にはバッタに似ている。
特に顔や手足にバッタの名残りがある。
戻って報告する。
「ラザノフ、おめでとう。 この階層は降り口の前に魔獣がいるから退治してくれ。 多分、相手は1匹だけになると思う。 俺は空で待機してていいんだよね」
「ああ、任せろ。 やる気が満ちてるでござるよ……」
「それじゃあ行こう」
「ああ…… ところでどんな魔獣でござるか?」
「人型バッタ」
ピクッとラザノフが引きつった。
「インカラッタンか…… キツイな……」
「余り長引くと近くにもいたからなるべく早く倒した方がいいと思うよ」
「そ、それはリュウが抑えてくれ。 拙者は1対1の戦いがしたいでござるよ」
ワガママな……
「分かった……」
降り口の後ろに回り、ラザノフを降ろす。
そして俺は1キロほど離れたところにいるバッタ魔獣に気付かれるように、近くに降りる。
そこからは追いかけて来る魔獣から全力で逃げる。
しかし、逃げ回っている途中予期せぬことに、もう1匹増えて追いかけられることになった。
1歩1歩の歩幅がやたら広いバッタ魔獣、そして走るのが速い。
だけど俺だってパンツ一丁の野生児と言われてた男、駆けっこでは負けん!
必死で降り口から逆方向に逃げる俺、無表情で追いかける2匹のバッタ魔獣……
ー追いかけられる君ー
俺の前世での初恋は小学校2年の時。
相手はカスミと言う同級生。
ある日の学校帰りに皆んなで公園に寄った時に、放されていた小型犬にカスミは追いかけられた。
必死で逃げるカスミの顔が余りにもブサイクで俺は大笑いしてしまった。
カスミ、あの時はごめんよ。
追いかけられてると…… 本当に怖くなっちゃうんだね(でも、カスミほどはブサイクな顔では逃げてないと思うけど)。
カスミ…… 今の俺を見て笑えばいい。
あの時の俺のように涙を流して笑い、地面を寝転がりながら叩いて指を差せばいい。
それであいこだ(もう無視しないで)。
そんな事を考えながら逃げていると、あっという間に挟み撃ちにされて追いつかれた。
しかし、ジェットで空に回避…… が、ジャンプして迫って来た!
だけどこれは予想済み。
一度カマキリ型の魔獣に同じことをやられている。
時間差で2匹が飛んで来る……
最初のバッタ型には刀を振り下ろす。
そして、次のバッタ型には手からのジェットで炎を撒き散らす。
ガッ、っと、刀を腕で受け止めた最初のバッタ型。
硬い腕だけど、メリッという手応えがあった。
しかし、ボッとジェットの炎を潜り飛び出す2匹目のバッタ型。
これは予測してなかった……
手のジェットを横向きにして、クルッと回りながら避けるが……
服に引っかかるように膝蹴りは飛んでいく。
ズザザーっと音を立てて服を切り裂いていく膝。
ここはもう、地上から7メートルは飛んでいるのに……
それでもこれで反撃は終わった。
胸の辺りに痛みはあるが、このまま2匹を引き連れて降り口から離れる。
充分、離れたので急いで戻る。
あれから20分は経っているし、もう終わっているはず……
しかし、降り口の上空に来てもラザノフが居ない。
魔獣は居るのに……
どういう事か分からないけど、魔獣に負けてても体は何処かに倒れてるはず。
何処にもないなら先に進んだとしか思えない。
魔獣がいるけど、俺も降りて進むしかない……
下に降りると魔獣も俺に気づき寄ってくる。
そのバッタ魔獣を見て戦いがあった事が分かる。
顔が一部陥没しているのだ……
トントンと足で影に合図して、もう1本の刀を取ってもらう。
魔獣との距離は10メートル。
もうこの辺りから膝蹴り……
ビュンっと膝が飛んでくる。
合わすように刀を出すけど、魔獣の右腕で弾かれる。
すれ違うバッタ魔獣をジェットで追いかけ降りて来たところを狙い、横一閃!
……が、クルッと廻られて、無理な体勢に体を捻って右腕で捌いてきた。
コイツ…… 怪我をしてるのは顔だけじゃなく、左腕も使えてない!
一気に攻め込むと、たまらずバッタ魔獣は1歩下がった。
この時、俺の踏み出す1歩が上手く重なった時が、蓮撃の発動を意味する。
ー蓮撃ー
1セット目 左腕を使えない状態で、刀での蓮撃は1セットだって捌けるはずがない。
早々に当たり、急所への攻撃、1撃で倒れた。
ふぅ……
バッタ魔獣はフットワークも少し変だった……
足も怪我してたか。
地下鉄の降り口のような入り口から中へ向かうと、階段とスロープが交互に右回りで続いている。
降り口に入るとホッとする……
多分、魔獣が入って来れないセーフティーゾーンみたいだから……
ズキズキする胸辺りを見ると、横っ腹から肩まで紫色に1本、痣が出来ていた。
ふぅ。 ……まともに当たったらどうなっていたのか?
ゲリールで治す……
しばらく歩いて行くと、中で倒れてるラザノフが居た。
……土竜化したまま気絶している。
直ぐにラリィに高回復薬を取ってもらい、ラザノフに飲ます……
高回復薬を飲ませてしばらくすると……
ラザノフが目を覚ました。
「ラザ兄…… 大丈夫だの?」
「ラリィ…… 拙者は大丈夫でござる…… それに、リュウか…… 貴様と行動を共にしてるから…… 拙者まで逃げ癖がついたでござるよ」
やられそうになって、逃げて来たのか……
「ラザノフ、目的を忘れるな。 逃げようと何しようと俺達が無事に希少鉱石をゲット出来れば俺達の勝ちだ。 目先の勝負だけにこだわるなよ」
「何なんだ、お前は? 人間のくせに上位亜人より強いなんて、納得できるか!」
「種族的には人間だけど、スキル持ちだから亜人と同じだよ。 ラザノフ…… ラザノフはあの時より確実に強くなってるよ」
俺と一緒に稽古をしているせいか、ラザノフの身体にしなやかさが出てきた。
剣術はまだまだ甘いけど、体術はあの頃よりずっと上の気がする。
「う、上から目線で言うな! 拙者の方が年上でござるぞ」
ふぅ…… 年上か……
レミア…… 君を年上と言っていいのだろうか……
ー年上の君ー
魚をパクパク食べましょう〜
年上の君 年上の君
年齢 人族 何のこと〜
年上の君 年上の君
下から見つめる君を 思い出すたびに
ムフフでハハハでヒヒヒだぜ ×2
変人君ではないざます
会えるかな〜あ 会えるかな
作詞/作曲 リュウ
えっ?
とてもいい歌だけど、前と似てる?
……それは気のせいだ。
それにしても、センス光る歌に仕上がったな……
Wミリオン確……
「……ウ、リュウ! ニヤニヤして馬鹿にしてるでござるか!」
「ラザノフ…… 俺は変人君ではないざます」
「は? ……たまにリュウは気持ち悪いでござるな。 とにかく次は逃げない! ゲホッ、ゲホッ……ガハッ……」
「ラザ兄!」
ラザノフはもどした……
「先ずは体を治してから出発しよう。 俺は下見だけしてくるよ」
しばらくはこの場所に待機することになりそうだ……
階段とスロープをひたすら降りて来ると……
ジメッと湿った湿地帯に出た。
ここは歩けないことはないけど、服は思いっきり汚れそうだ。 ……まぁ、俺は関係ないけど。
ジェットを使って見回って行く。
いつものように壁沿いを進んで行くと……
下に大きなヘビがいるのが見えた。
きっとあのヘビがこの13階層の魔獣だろう。
丁度、壁に人が飛び乗れるスペースがあったので、そちらに飛び乗り、気付かれないようにそっと近づく……
上手く真上に行ければ、そのまま退治できるかも……
なんて思っていると、喋り声が聞こえる……
更にこっそり近づくと、驚くべき光景が目に入った。
大きいヘビであるのは間違いない。
2匹のヘビの尻尾の先のほうが繋がっている。
つまり、1匹のヘビで頭が2つある。
顔がどことなく人族化?していて、眉毛、顎、口が人っぽい。
また、1つの頭は男で、1つの頭が女の顔に見える。
喋っているのは女の頭だ。
「とにかく、人族の匂いがするのよ。 アンタは黙って私について来ればいいの」
「え? 階段の前を離れるのはマズい?」
「何言ってんのアンタは? 分かってないわね〜。 いいから来なさい」
男の声は聞こえない……
ヘビは匂いを辿りながら階段へと進む。
でも、階段の入り口にはヘビが大き過ぎるので、入ることは出来ないだろう。
っていうか、セーフティーゾーンじゃなかったの?
そして、匂いを辿ったヘビは階段の前まで来た。
「ここから匂いがするわね。 ここで待ちましょ」
マズいな……
特にラリィは俺の影がなければ、ここでは生きていけない。
「本当に私1人ならこの穴にだって入って調べられるのに…… はぁ、引きちぎることも出来ないし……」
「もう引きちぎってもいいよ」
「何言ってんのアンタは、馬鹿!」
もめてるようだけど関係ない。
こっそりと、後ろから近づく……
しかし、男顔に気付かれた。
身体を反転させて、ガブッと喰いつこうとする男顔!
だけど、ジェットで下がる……
身体を反転させたことで、女顔は捻られ転んだ……
「ちょっと、何してんの、アンタは?」
「ひ、人族……」
女顔も俺を見つけて、体勢を整える……
どんどん前に出て噛みついてくる2匹? のヘビ。
ジェットで下がりながら飛ぶ。
しかし、男顔がピュッと口から液を飛ばしてくる。
避けながら、今度はこっちが突っ込む!
男顔の噛みつきを交わしたところで白い物が飛んで来たので、刀でスパーンとぶった斬り、距離を取る……
今のは歯か?
口から飛ばす物には要注意だな……
「ちょ、ちょっと待って〜い」
「何よ、アンタ?」
「違う、そこの人族、少し聞きたいから待ってくれ」
俺に言ってんのか…… ?
「何だ?」
一応、女顔も止まっている……
「人族の力で、僕達を離すことは可能か?」
「どう言う事だ?」
「僕達は元々は別の個体、でも今は尻尾で繋がっている…… そこを斬って欲しいんだ」
刀の切れ味を見て、出来るかもとでも思ったのか?
「出来るけど、出来たらどうなるの?」
「えっ? アンタ、人族なんて信用出来ないわよ」
「黙ってて、ルシフェル。 ……人族、出来たら情報を与えよう、下の階の魔獣のこと、知りたくないか?」
下の階の魔獣の情報!
「え〜と、別に知らなくてもいい。 教えてもらってもどうせ知らない魔獣だし」
「さ、冷めてる人族だな…… もうちょっと乗って来ようよ……」
「ちょっと、人族! ゲンパチを虐めないで!」
「別に虐めてないよ。 別に俺がやらなくても、自分達で噛みついて千切れば? 尻尾の方だし死にはしないんじゃない?」
「そ、それは…… ゲンパチの生殖器が近いから、強引に出来ないって言うか、自然とそっちを噛みつきたくなるって言うか…… はぁ? 何言ってんの人族!」
僕は何も言ってません!
って言うか、ヘビにもおちんあるのかよ。
「まぁいいや、ぶった斬ってやるよ。 こっちからはこの階層の素通りと、あんた達の持っている情報を教える…… で、いいんだよな」
「いいけど、成功したら、だ」
「そうよ。 成功しなかったらガブッと1飲みよ」
「成功しなくても素通りさせてもらう。 信用するならとことん信用しろ」
一瞬、黙った2匹? だけど……
「ひ、人族の癖に生意気ね」
「うん、でも僕は逆に信用出来る気がしたよ」
「そう? でも貴方が言うなら私も信用するしかないわね」
まぁ、信用してくれるならそれでいい。
正直、意思疎通が出来る相手とは、恨みもないなら戦いたくはない。
「階段の上で俺の相棒が体力を回復してるんだ。 回復したら降りて来て約束を守るよ」
「あ、うん。 約束だね」
人の良さそうなヘビ……
いや、ヘビの良さそうな人……
いやいや、ヘビの良さそうなヘビだ。
ーーーーー
階段を登って行くと音が聞こえる……
ヴォン、ヴォ〜、ヴォォン。
ブァ〜、バァン、バァ〜。
……暴走族?
近づくと音が大きくなり、単車が沢山集まってきているようだ。 ……ラリィのイビキか。
2人共、寝ていた。
ふぅ、と一息。
食料や回復薬が少なくなってきている。
どちらも無くなったら厳しい戦いになる……
もうすぐ終わりの気がするけど……
起きるまで待つつもりが、俺まで寝てしまった……
美味しそうな匂いがして目が覚めた。
2人が食事をしている。
「お兄ちゃんも起きただの。 お兄ちゃんも食べる?」
頷き、影から食料を取ってもらう。
「リュウ、下の階はどうだったでござるか?」
という事で、下の階であった事をラザノフに説明した。
「喋る大蛇と約束でござるか…… 信用出来るのか?」
「その時は倒すまで。 別に深く考えることはないさ」
「分かったでござる…… その時は拙者がやる! リュウ、拙者はお前には負けない!」
俺に勝ってどうするんだよ……
「とにかく奴等は情報を持っている。 このダンジョンが何階まであるのかも知っているかも知れない。 色々、聞いてみよう」
「ああ、そりゃあいい考えでござる」
ラザノフは先の見えない戦いにストレスが溜まっているのだろう。
そのせいで、ずっと"ひねくれラザノフ" のままだ。
ラリィを影に入れて出発する。
下に向かい歩く俺達に会話はない。
お互いに何度も回復薬を飲む怪我をして、7階辺りからずっと終わりを予想していた。
そして、その予想は裏切られ続けたけど……
階段を降りると、2頭のヘビが待っていた。
ラザノフが、デカい…… と、小さく呟いた。
確かに繋がっていて、同じ方向を向いているので分かりづらいけど、1本に伸ばせば30メートルは有りそう。
「遅いわよ、人族。 結構、待ったわよ」
女顔の頭が喋ると、ラザノフがビックリしていた。
「ああ、寝ちゃったからね。 それより早速やる?」
「う、うん。 ルシフェル、いい?」
「そ、そうね……」
ラリィから渡してもらってた回復薬をかざす。
「これは回復薬と言って、傷を治す薬だ。 だけど人族用なのでアンタ達に効くかは分からない。 飲むかどうかは自分で判断してくれ」
キョトンとした感じの2匹だが、ゲンパチが頭を俺に近づけた。
「とことん信用しろ、だよね。 ……口に放り込んでくれる?」
回復薬をゲンパチの口に放り込むと、ルシフェルも近づき口を大きく開けた……
手術? は1秒もかからず、直ぐに終わった。
少し女顔の悲鳴は聞こえたけど、術後、直ぐに傷口が塞がった。 ……回復薬が効いたのだろう。
そして質問タイム……
「ありがとう、人族。 本当に痛くなかったし見事だったよ。 何でも質問してくれ」
「このダンジョンは何階まであるの?」
「それは知らないけど、ここが後半であるのは間違いないよ。 もしかしたら次が最後かもね」
そうであれば嬉しいな。
「下の魔獣を知ってるみたいだったけど?」
「下の魔獣だけね。 恐竜型の魔獣で火を吹くよ。 まともに勝てる相手じゃないね」
最後のボスキャラか⁈
「階段に逃げ込めば追って来れないの?」
「……下に向かう階段には入れない。 でも上に登ることは出来るよ。 その場合、上の階の魔獣と争うことになるけど」
完全なセーフティーゾーンではないけど、結構なセーフティーゾーンと思っておこう。
「じゃあ下の階に階段があれば、階段に逃げ込めば魔獣は追って来れないって事だよね」
「だけど、人の気配は感じてるだろうから、降り口で待ち受けてると思うよ」
なるほど…… 今までのようにスルー出来ない、人の気配を感じる強い魔獣が待っているのか……
「拙者からも1つ。 このダンジョンは入って来た人数に対応してるでござるか?」
ん…… どゆこと?
「ふふ、鋭い人族ね。 そうかも知れないわね。 私達もいつもはもっと大きいもの」
なるほど…… 分からん!
「コラ、ひねくれラザノフ! 分かるように説明せえや!」
「ひねくれラザノフはやめろでござる、アホリュウ。 つまり拙者達が倍の4人でこのダンジョンに入ってたら、敵の魔獣も倍になってたかも知れんと言う事でござるよ」
え〜と、土竜に氷竜、飛竜に阿呆竜がいるのか……
「まぁいい。 とにかく進むのみ!」
「……絵描いて、説明するでござるか?」
コイツ…… 馬鹿にしやがって。
「頼む」
「……………」
ーーーーー
なるほど……
俺達の人数に合わせ、各階にクリア出来ない人数を配置するシステムみたいなものか……
つまり戦えば必ず苦戦は免れないと言うことかも。
特に後半戦は……
「ありがとう、ゲンパチにルシフェル。 俺はリュウ、こっちはラザ・ヒネクレノフ。 またいつか会おう」
あっ⁈ ラザ・ヒネクレノフとはロシア人っぽい名前。
ラザノフは元ロシア人! ……かも。
「リュウねぇ…… 会えるかどうかは分からないけど、コレ持ってきなさい。 滋養強壮にいいわよ」
さっき俺がぶった斬った尻尾の先……
先と言っても2メートルくらいあるし、まだビクンビクン動いてる。
「めちゃ動いてるんだけど……」
コサックダンスをしながら聞いてみた。
ラザノフに変化はない、むしろコイツは何をやってるんだって目だ。
……ロシア人でもコサックダンス知らないって、ある?
「3日は動いているわよ。 だから栄養価が高いの」
それなら小さく切って持って行こう。
その後、俺達はこの階を後にした。
少し寂しそうに見送る、ルシフェルとゲンパチに違和感を覚えながら……




