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転生 フリーダム  作者: 昨日シーサイドライン乗った
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 ナラサージュへ


      第二章  成り上がり


 第五十六話  「ナラサージュへ」




 コトコトと音を立てて進む馬車……

 

 贅沢にも『お金はあるから馬車で行こうでござ〜る』と、ラザノフが言ったのだ。

 ……でも乗り心地は良くない(ケツイタシ)。


 この馬車はプユスタールからナラサージュ国のスキッツという町まで行く。

 進む距離は約700キロで、7日かかる。

 チャーターした馬車なので俺達だけで食事も全て運転する2人が用意してくれる。

 料金は2500トア、ナラサージュへの入国料込みだ。



 今日は6日目の昼間、ラリィは影の中……


 「それにしても、カミラさんがリュウに惚れてたとは…… ショックでござるよ……」



 最後の食事会でカミラさんはリョーキの前でも関係なく、俺の横に座った。

 そして同じく横に座ったアトラスとバチバチと火花を散らしたのだ。


 「リュウさんと年齢が合うのは私です!」

 「でも、リュウ君は年上好きよ」

 「貴方はあの端っこで泣きそうな顔してる人の婚約者ですよね!」

 「今は違うの! ね、リュウ君」

 「お兄ちゃんはラリィと結婚するだの」

 「リュウさん、私、冒険者になったらリュウさんとパーティー組みたいな〜、ふふ、夫婦で同じパーティー。 キャ〜」

 「なっ、何言ってるの? 足手纏いになるだけよ! ね、リュウ君。 ……今日、ウチ来る?」

 「お、お兄ちゃんはラリィの結婚予備だの」

 「リュウさん…… 今日、部屋に行っていいですか……?」

 「な、何言ってるんだ、アトラス! 親父とお袋に言っちゃうぞ!」

 「大丈夫、大丈夫〜。 ハネムーンベイビー。 キャ〜、ステキ」

 「な、何で部屋に遊びに行くのがハネムーンなのよ! 絶対ダメ! 許さないわ!」

 「お、お兄ちゃんはラリィと寝るだの。 たまにお兄ちゃん風呂入らないから臭いだの」

 「それならお姉さんが洗ってあげるね、リュウ君」

 「ちょっと! 貴方はあの端っこで泣いてる人の婚約者でしょ! 洗うのは…… あの、その、あそこ、私?」

 「待ちなさい! 今どさくさに紛れてあそこって言ったでしょ!」

 「ゴックン、い、言ってません…… は、はしたない…… ゴックン」

 「お兄ちゃん、父ちゃんよりデッカイの。 でもラザ兄より可愛いの」



 カ、カオスだった……

 

 でもそれを救ってくれたのは、訳が分からない女、リサナーラだった。


 「なんじゃとぉ〜! 可愛い子ぶってないで、ウチ等のパーティーに入るんじゃ〜!」

 「おう、それはいいね〜。 そうすれば6人パーティーになるから、次の大会に選ばれるんじゃないか?」

 「大会は出たいでござ〜る。 でもリュウが Bランクにならないとパーティーを組まないって言うでござるよ」

 「リュウ君はあと数回の依頼をこなせば、Bランクに上がるわよ」

 「えっ、俺はC に上がったばっかだよ」

 「ふふ、パレッツェンの討伐はBランク以上のパーティーが請け負う依頼です。 つまり5人以上でポイントを分けるのです。 リュウ君はポイントを独り占め出来るので一気に Bランクに近づいたのよ」

 「パレッツェン? ゆ、許さ〜ん! ウチの先祖がコツコツと協力を頼んだ魔獣を……」

 「そう言えばリサナーラさん、パレッツェンを使役出来るって言ってたね」

 「うっ、そ、そうなんじゃが、そりゃあ、その……出来るぞい」


 歯切れ悪!


 「凄いでござるな…… 疑うわけじゃないが見てみたいでござるよ」

 「マジ凄いよ。 何にもない空間から鳥が出てきたからね。 リサナーラさんなら朝飯前だよね」

 「う、うん、まぁ…… そうじゃ」

 「おお〜、それなら今から見てみたいでござ〜る。 出来るでござるか?」

 「あ、え、う、うん…… しかし、見せるのはラザノフと少年だけじゃ……」



 それから……


 随分と街から離れたところまで連れて来られ……


 そこで、リサナーラは見事にパレッツェンを使役した……

 だけど、リサナーラは速攻で逃げた。



 リサナーラのビーストマスターな能力。


 リサナーラのリサは、先祖代々受け継いでいる名前。

 先祖のリサが心を通わせ契約した魔獣だけを使役出来るが、パレッツェンのような猛獣は契約時間が短い。

 ちなみに、リサナーラがパレッツェンを自由に命令出来るのは2分、それを過ぎればエサ認定されてしまう。



 それではその時のリサナーラを……

 

 「イガイウ………マイ………イカス………ミパスタ。

ダレ………カオゴ………ッテクレ………そりゃあ!」


 ボンッっとパレッツェンが出る。


 「それじゃあ、後は頼む。 必ずそこで倒すんじゃぞ。 気をつけて旅立てよ〜、さらばじゃ」


 ポカーンとする俺達……


 「ラ、ラザノフ! 耳をふざけ!」



 ……っと言った感じで、俺達はプユスタールを後にしたのだ。



 ーーーーー



 港町、スキッツ。


 この街は港町でサンカルムも海に面しているので、ここから出ているサンカルムへの定期船に乗って行く。


 でも、船が出るまで数時間あるので遅めの昼食にする。


 昼食はパンと野菜のスープ。


 スープはソマルさんの家を訪ねる前にベニラムで食べたスープの味に似ている……

 あの時と似ているシチュエーションだけど、あの時は不安と寂しさが心にあった。

 今はラザノフやラリィが居るし、サンカルムがどういう街かワクワクする気持ちしかない。



 「船はどのくらい乗ってるの?」

 「明後日の朝にサンカルムに着く予定でござる。 料金は1人800トア。 結構移動でお金を使ってしまったから、サンカルムに着いたら宿を決めてギルドに登録に行こう。 リュウ、カミラさんからカミラさんの妹のこと聞いたでござるだろう?」


 ラリィも800トアか……


 「えっ? ああ、名前を聞いたよ。 確か…… え〜と、何だっけ? 何とかって名前だった」

 「何とか、でござるか〜。 珍しい名前でござるなぁ」

 「ごめん、忘れた、忘れました〜! え〜と、ラザ…… ラザニクだっけ?」


 ブフッと、スープを噴き出すラリィ……


 俺はポカンとラザノフに小突かれた……


 「まぁ、船の中にも売店はあるだろう。 ラリィは影に入らない時は拙者の側にいるでござるぞ」

 「うん、でもラリィ空を飛びたい」


 船から飛び立ち、船の周りを飛ぶラリィ。

 俺も見てみたい。


 「ダメでござる。 目立つのは良くない」


 確かに……


 「波止場まで歩くと結構時間がかかるでござるからそろそろ行こう」


 こんな感じで港町のスキッツの滞在は短かった。



 乗り込んだ船は大部屋があり、20人くらいが雑魚寝するタイプ。

 荷物を置けばそのスペースは自分達のスペースだ。

 2人部屋も少しあるけど凄く高いらしい。


 馬車でまともに寝てない俺とラザノフは、速攻で寝た。



 ……中途半端な時間に寝たので夜中に起きてしまった。

 まぁ、少し早いけど朝の稽古をしよう。


 アッパーデッキまで上がる……

 ビュ〜っと冷たい風、流石にこの時期のこの時間にアッパーデッキにいる奴は居ない。


 狭い中でも出来る内容での稽古、少ししたらラザノフも加わった。


 少し明るくなり始めた頃、稽古を終えた俺達は甲板で日の出を見ていた……


 「ラザノフはいつまで俺と旅を続けるの?」


 丁度、太陽が上がって来る…… 今までレイモンを照らしていた太陽だ……

 

 「まだ始まったばかりでござる。 でも、リュウに勝つまでと言っておこう」

 「体術では勝ってるじゃん」

 「有利というだけ。 リュウのあの技や口からの魔術、本気なら最初のように互角かも知れんでござる」


 本気なら鉤爪で引き裂かれそうなんですけど……


 「まぁ、勝っても今はラリィが居るでござるからな〜。 まだまだ帰れないでござるよ」


 ラリィは影の中で寝てる。


 「そうだね…… ところでラザノフはサンカルムに行ったことあるの?」

 「無いでござるよ。 でも兄者から話は聞いたでござる」



 サンカルムは人間が王のナラサージュ国の首都。

 海に面した国で、闘技場や学校もある。

 街の奥が貴族街で、大きな湖(サンカルム湖)の近くにお城が建てられてる。

また、サンカルム湖から流れる水が街を通っているので、水流の街とも言われてるらしい。



 聞いた話だけならいい都市そう。

 

 まぁ、明日にはサンカルムだ……

 


 

 


 

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