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転生 フリーダム  作者: 昨日シーサイドライン乗った
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 土竜族の里


      第二章  成り上がり


 第三十三話  「土竜族の里」




 土竜族の里。


 この里は大きな一枚岩の上に里がある。

 入り口は東西南北に坂があり、その坂を登った先に門がある。


 今、俺がいるのは門の前。

 ラザノフはここで待っていろ、と何処かに消えた。

 俺は門番の、リッケとバサラと言う人と雑談中。


 リッケさんとバサラさんは良く似た兄弟だけど、年齢は離れている。

 やはり背が高く、2人共190センチ以上ありそう。

 


 2人の話では、この里は高さ20メートルで、空から以外ではさっきの坂を上がり、門を通らなければ里へは入れない。

 門の前には門番がいる…… かどうかは、その日次第。 

 いない時も多いらしい。


 まぁ入り込めたとしても、この里の人はやたら強そうなので門番は要らないかも……

 と思っていると、2人の男女がやって来て付いてくるよう言われた。


 2人は夫婦で、ジュードとカラと名乗った。

 どんどん進む2人に付いて行くと、一軒の古民家の前で『入って』と言った。



 中へ入ると待ち構えていたように5人の人。

 大きな円形のテーブルは椅子が8つあるので、8人掛けのテーブルだろう。


 「リュウと申します。 レイモンからやって来ました」


 一応、先に挨拶すると椅子に座るよう言われた。

 そして5人も自己紹介してくれた。



 左からラザノフ、隣に兄で兵団長のルカルス、真ん中に長老、そしてラザノフとルカルスの父でこの里の族長のガルフ、隣が奥さんでラザノフとルカルスの母のサラノフ。



 先ず、長老が話し始めた。


 「レイモン出身と言うが、ここにそれを知る者はいない。 まぁワシは噂くらいは知ってたがな、フォーフォフォフォな、フォー」


 な、何だ? あの笑い方は……


 「証明は出来ません。 ただ少しづつ違うようなので、そうかも知れないくらいは思ってもらえるかと……」

 「ワシも噂くらいは知っている。 だがラザノフが初めて連れてきた客人、疑うつもりなどない。 それよりレイモン?には上位亜人はどのくらい残っておる?」

 「自分は亜人じゃないので、上位亜人がどのくらい残っているかは知りません」


 皆んな、えって顔でラザノフを見る……


 「ちょ、ちょっと待つでござるよ、リュウ。 リュウは無詠唱で回復魔術を操り、スキルが2つ以上ある、中位亜人なんでござるくわぁ!」


 ござるくわぁ!じゃなくて今俺、亜人じゃないって言ったよな……


 「ラザノフ、俺は人間だよ」


 !!!って感じの皆様……

 しかし何か思い当たったのか、ガルフさんが話す。


 「そうか。 其方の両親は?」


 ハーフ説か……


 「自分が産まれる前には父が、産まれて2日後には母が亡くなってます。 でも兄が言うには2人共人間だったと言ってました」

 「そうか、済まぬことを聞いたな…… スキルの継承はハーフで40%、その次は5%と言われておる。 奇跡的に祖父や祖母から継承されてきたのかもな」


 5パーセントの次は聞いたことがないらしい。

 でもそうなると父さんの父か母が、無詠唱で魔術を操る上位亜人だったという事。

 この事実も俺にはデカい。


 「ファ〜ファファファとヒュ。 まぁ良い、面白い男じゃ。 千年に1人と言われる海を越えおった。 ワシは滞在を認めるぞ」

 

 パ、パターンが変わった。 

 絶対アンタの方が面白い!


 「私も賛成。 でも裏の世界の事をもっと聞きたいわ」

 「拙者もあの不気味な刀の事を知りたい。 あっ、ござる」


 またござる忘れ…… 安定してないな。

 でも皆んなも注目してるので、少し話すか。


 「レイモンは3つの国に分かれてます。 人間国、亜人国、獣人国の3つです。 そして何百年も人間国と獣人国が戦争をしています。 その理由が人間国と獣人国に浸透していった砂漠。 豊かな領地の取り合いを続けています。 亜人国は平和ですよ。 俺もこの刀を作ってくれたソマルさん宅に9ヶ月もお世話になってたので…… ソマルさんの娘のリリカとは恋人同士であの……、その……、ファーストキスは良か…… あっ」


 最後は要らない情報だったか?


 「ガハハハハ〜、良い。 ワシも認めよう。 ワシの家に泊まるがいい」


 最後が良かったのか?


 「ちょっと待った〜! この里は弱い者の滞在は認めん。 滞在したくば力を見せよ!」


 ルカルスさんが言った。


 だよね〜、俺も竜族で力を試したい!




 土竜族の里。 


 槍術稽古場にて、ラザノフの兄で兵団長のルカルスさんと試合稽古をする。


 ルカルスさんが持つのは槍。 

 竜族はだいたい槍を使うようだ。


 対する俺は、借り物の木刀。

 皆んな大きいのでこの木刀も長い。 

 長い木刀2本では扱いきれないので、左だけの1刀で戦う。



 さっき体術だけど、ラザノフと戦った。 

 充分過ぎるほど竜族の強さは分かった。 あのまま続けても勝てたとは言えない。

 でもこれは剣術での試合。 

 これにはずっとこだわり続けてきたんだ、負ける訳にはいかない……!



 目を瞑り、ゆっくり開く。

 顔はルカルスさんの方を向いているが、視点は何処にも合わせない。 ……そして集中。

 前を通り過ぎる鳥も、右側に落ちている大きめな石も、見に来た人の中に1人だけ肌の色が違う子もしっかりと見える。 

 ……そして徐々にルカルスさんに視点を合わせていく。




 試合が始まるとボッ、ボッ、っと連続の突き。

 ノーモーションなので集中してないとあっという間に試合が終わるレベルの突き。 

 だけど木刀で軽く流しながら捌く。

 無駄な動きが全くない……


 

 槍使いとは、山賊の獣人と真剣勝負をしている。

 なので参考くらいにはなるかな? と思っていたけど全くならない。

 これだけリーチが違うと、懐に入らないと勝機がないけど隙がない……



 ルカルス。

 ラザノフより背が高いので2メートルくらいか。

 左手前で槍を持つ右利き。

 土竜族特有の腕の長さなので、槍の射程距離も長い。


 突きを右回りに捌き続ける。

 やっと突きを捌いているように見せかけ、チャンスを伺う……

 

 5分も捌き続けたろうか、仕留めにきたルカルスさんの槍の軌道が若干ブレた。


 このチャンスを活かす!


 一気に踏み込み、追撃にきた胸元への突きを右肘で流す。 

 そして前に出てきているルカルスさんの左腕をカチ上げる。


 ビュっと空を切る音…… 槍から左手を離し、交わされた…… 器用な!

 そのままの勢いで、ショルダーチャージ!

 が、やはり体格が違いすぎる…… 飛ばされたのは、俺の方だった。


 体勢的には圧倒的に俺に有利ではあった。 だからルカルスさんも追うまでは出来なかったのだろう……



 仕切り直し。

 右肘と右肩に若干の熱さ。 

 流したとはいえ、強力な突きだった。


 ふぅ〜、息を整えて突きを捌く。

 一度懐に入れたので、ルカルスさんも警戒している。

 だけどその警戒を逆手に取る。 

 行かないタイミングでジェットを使い一気に詰める。

 そして打ち合い……


 懐に入っての打ち合いでも俺の有利にはならなかった。

 ルカルスさんは槍をクルクルと回しながら防御や攻撃をしてきた。

 回転も速く、一撃も重い。

 せっかく懐に入ったのに押し戻される……


 その後も同じような展開が続き、結局最後は肩口への突きをもらい、体勢が崩れたところに連続の突きを決められた。


 ー敗北ー



 「フウ、驚きだ。 ウチでも5指には入るだろう。 皆んな剣を使う相手には慣れてない。 滞在中稽古を付けてやってくれ」


 ……完敗だった。

 でも得たものも多い、それに力は示せたか⁈


 「ところでリュウは幾つだ?」

 「もう直ぐ15です」

 「じゅ、15……! ラザノフ、恐ろしいライバルが現れたな」


 ん? っとラザノフを見ると、ブルブルと震え真っ赤になっていた。



 ーーーーー



 夕食までの間、ラザノフに里を案内してもらう。

 この里の人口は800人弱で、上位亜人の里としては多い方らしい。

 学舎もあり、8歳から13歳まで勉強を学び、男は卒業したら兵団に入る。


 兵団ではトップ20まで順位付けられ、ラザノフは槍術で8位、体術で4位の順位。 

 槍術、体術共に1位はルカルスさん。


 「ところでラザノフは何歳なの?」

 

 随分とルカルスさんと年が離れていると思うけど……


 「16になったばかりでござる。 ……リュウはもう直ぐ15って言ってたでござるな」

 「秋になればね」


 ラザノフは思う。

 自分はこの世代では抜けて強かった。 

 だから槍術8位なのだ。

 だけど兄者は自分より年下のリュウを、5指には入る、と言っていた。

 そんなのは認められんでござる! 

 ……しかしさっきの戦いを見て、絶対に自分の方が強い、とは言い切れない。


 「今度、拙者とも試合稽古して欲しいでござる」

 「うん、やろう! ……でも自分用に木刀を作りたいんだ、その素材ってない?」

 「工房ならあるでござるよ」


 工房に案内すると、リュウは2本の木を選んだ。


 「2本? この木の素材は余り折れることはないでござるよ」


 そう言えば刀も2本持っていた。

 何でも2本欲しがるタイプでござるかな?


 「俺は刀を2本持って戦うスタイル。 俺はそれを二刀流と呼んでいるんだ」

 「なっ! そ、そうでござるか……」


 ラザノフは思う。

 それだとさっき兄者とは不慣れな1刀で戦っていたことになる。


 拙者が勝てるのか? ……あ、ござる。


 

 


 




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