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転生 フリーダム  作者: 昨日シーサイドライン乗った
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 竜族


     第二章  成り上がり


 第三十二話  「竜族」



 レミアが言うには少し遠いと言う村。

 でも、レミアの遅さを考慮するとそれほど遠くはない気がする。


 上空高く飛んで、丁度朝日が出る頃にその村を見つけた。

  エアーズロックのような馬鹿でかい一枚岩? の上に村を作ったようで、上からはかなり目立つ村。


 俺の飛ぶ能力は翼ではないので怪しまれる可能性が高い。

 なので俺は少し手前で降りて、歩いて村に訪問する事にした。

 僅か数キロでも森の中を歩くと数時間かかるので、時間的にも訪問するにはいい時間になる。


 

 森の道を歩いて行くと、いつものようにお腹が空いてくる。

 この時間にいつもナッソーさんの朝飯を頂いていた。 

 今頃3人で朝飯を食べているのかな? シスターやローチェは……

 寂しい気持ちになるけど一度は渡れた道のり。 


 今度はもっと上手く渡れると思うけど、リーブルで少しは成功しないと帰りづらい。 

 

 では成功とは何? と聞かれても成功としか答えられない、本人の基準による。

 俺の場合は金持ち、家持ち、女持ち、友達持ちのどれか1つで成功とする。

 いや、それだとレミアと友達になった俺は成功をクリアした事になる。

 回復薬を買えるようになったら帰ろうかな……

 そして、リリカ…… っと前から悍ましい気配。



 ここリーブルにもパッツァンのような危険動物はいるだろう。 ……そんな気配なので迂回することにする。


 しかし…… いくら迂回を繰り返してもつけられてる。 

 この辺りに詳しく森に慣れている人族?

 俺は木の上に登り、様子を伺うことにする……


 数分でその男は姿を現せた。

 2メートル近くはある大男。

 上半身の筋肉量が半端ない。 

 それに腕が異様に長い。 ……村の人?


 身のこなしから相当な強さを感じる。 

 こちらから声をかけるにしても俺は今は木の上、怪しさ満載だ。

 そんな迷いがあり、声をかけるのが遅れてしまった。


 大男は俺を見つけた。

 そしてどんどん近づきながら、明らかに風貌が変わった。

 鬼瓦?、大魔神?、そんな顔に変わったのだ……



 大男は走りながら手の甲から鉤爪を出して、俺の乗っている木をバスっと殴った。

 木はバキッと折れて俺は堕ちる…… そして待ち構えてた大男は更に右ストレートを打つ。

 

 空中で膝と肘を丸めて右ストレートを受けたけど、俺は豪快に吹っ飛ばされた。

 何回か地面にバウンドして、何とかジェットを使ってようやく止まった…… 強い!

 

 リュックがクッション代わりになってなかったら大怪我レベルだったかも……

 でもリュックには大事な物が入っているので下ろしておく……

 

 大男がまた走り寄ってくる。

 俺も走り、大男の手前でジェットを使い前宙! 大男の背後へ…… そして虎峰!

 しかし、大男も振り向きざまに肘を飛ばしてくる。


 ドッパーンと相打ちになり、お互いが吹っ飛んだ。

 一瞬、意識が飛んだ…… 吹っ飛んだ時に頭を打ったのか、ツツ〜っと血が流れる。


 強すぎないか? まともに当たってないのに意識を刈り取られるところだった……

 レミア…… チカラを貸してくれ。

 集中して魔力を操る……

 ゲリール…… っと痛みが引いていく……

 凄い…… この回復魔術!


 大男も何が起きたか分かっていないのか、俺を一瞬見失った。

 チャンス! 俺はクナイで足を狙い投げる。

 襲ってきた理由は知らないけど、これ以上戦っても良くない気がする。 ……逃げるが勝ちだ。


 大男はすぐ気づいて、クナイを長い腕でドスっと受けた。 

 そして突き刺さったクナイを引き抜き…… ん、クナイを見ている…… そしてポイっと捨てた。


 さっきの右ストレートは俺を殺そうとした訳ではない。 

 殺すなら鉤爪を使っていたはず……

 それならまだ話が通用する相手⁈

 

 「其方は何者だ! 土竜族の里に何の用があるでござるか!」


 相手から話しかけてきた……


 「俺はリュウ! 先日裏の世界、レイモンから飛んで来た! 村があると聞き訪ねたかっただけだ!」

 「裏の世界? 怪しいぞ、リュウ! 仲間はどこだ?」

 「仲間なんていないよ、名前聞いていい? さっきも言ったけど、裏から飛んで来たばかり、まだ知り合いが1人いるだけだ」

 「拙者の名はラザノフ。 土竜族が族長、ガルフの次男、ラザノフでござる! この先は土竜族の里、部外者は立ち入り禁止でござる」


 上位亜人の里! しかも有名な種族!

 強いわけだ…… 虎峰を喰らい、クナイで刺されても、痛がるそぶりさえ見せない。


 「そうか。 知らなかったとはいえ済まなかった。 ラザノフ、聞いていいか? この辺りで普通に訪問できる村か町はない?」

 「…… いや、其方にはもう少し質問したい。 裏から来たと言っていたが、それを証明出来るでござるか?」


 ござる口調…… 転生者の可能性がある。 

 ソマルさんが言うには、天文学的な数字でも、転生者はいると言っていた…… んで、天文学的って何?


 「有るか無いか分からない。 さっき投げたクナイはどうだ? こっちにある? それと俺の刀も凄いんだ。 …… 見たい?」


 まぁクナイと刀は、向こうでも余りないけど。


 「……見たいでござる」


 と言うと、ラザノフの顔が鬼瓦から人の良さそうな優しい風貌へと変わった。



 リュックを拾い、刀を出してラザノフに近づく。

 近づくと大型肉食動物のような重圧感……

 貴方はクマですか?


 刀を見せる…… まだ刀は鞘から抜いてない。


 「お洒落な外装してるでござるな」


 刀の鞘は木で出来ていて、綺麗な漆塗りが施されてある。 

 本当にかなりお洒落。

 そして、鞘から抜くと瑠璃色の刀身が光る。


 「な、何でござるか〜! この不気味な剣は!」

 「コレは剣じゃない。 カタナと言う。 裏の世界、亜人ソマルさんが作った逸品。 ラザノフ、見てて」


 俺は近くにある木に刀をヒュンっと振る。

 木は何も変化なし…… 一瞬、ラザノフも何が? って感じになる……


 しかし、まるで木も斬られたことに気づいてなかったかのように、ズズッと真っ二つになった。


 「なっ、す、凄い…… 確かにここにはない剣。  ……いや、刀でござる」

 「とにかく俺は無一文だしこっちの世界に疎い。 だから村か町でこっちの世界の事を知りたかったんだ」


 ラザノフは一瞬俺を見て考え込んだ。

 そして、しっかり俺の目を見て話す。


 「分かったでござる。 リュウは拙者の客人として、我が里に招待するでござる」

 「ありがとうで、バザールでござーる」


 ラザノフは、ん? って感じ。

 少し小田舎だった実家のテレビに流れてたコマーシャルのフレーズ、耳に付くので一回でも聞けば思い出すはず。

 ……転生者ではないのか?



 ラザノフは「付いて来い」と言って歩き出す。

 しかし、俺はクナイを必死に探してた!

 アレは…… アレにはリリカとの思い出が沢山あるんだ〜! リリガァァ…… ってクナイはリリカとあんまり関係なかった。

 でも大切な物なので探していると……


 「リュウ〜、何やってんだ〜。 ……ござる」


 と、ござるを付け忘れたラザノフが遠くから声をかける。

 

 「さっきの投げナイフ〜、大切な物なんだよ〜」


 と、返すと……

 ドスンドスンと走って来て、クナイを一緒に探してくれた。


 結構いい奴なのかも知れない。



 村に向かい、ラザノフと歩く。

 ラザノフは196センチあると言う…… 俺は175センチ。

 並んでいると大人と中学生くらいの差がある。


 「さっきの投げナイフ、見つかって良かったでござるな〜」


 クナイはすぐに見つかった。

 俺はリリカが作ってくれたクナイを入れる腰袋からクナイを1本取り出し……


 「コレはナイフではなく、正式にはクナイと言う。 用途は土を削ったり貝を取ったり…… 何にでも使えるんだ」

 「クナイでござるか。 見た時にカッコいいナイフと思ったでござ〜るよ」


 そう言えばジッと見てたな……

 

 「ラザノフさ、クナイが刺さったところとか痛くないの?」

 「ん……? 大丈夫でござるよ。 でも変なスキルで吹っ飛ばされた肩が痛いでござるよ」


 虎峰は相打ちで肩に当たっていた……

 

 ラザノフに肩を見せてもらうと、後ろから打った虎峰は前に抜けて、前の方が大きなアザになっていた。


 またゲリールを使ってみる……


 「ゲリール……」


 ラザノフは、ん?って感じだったけど、そのうち驚いた顔になった。


 「な、なんだ〜、この回復魔術は〜! コレも裏の回復魔術でござるな!」


 よし! また成功した。

 でも、完全にはアザは引いていない…… やはり何でも治せる訳ではないのか……


 「え〜と、こっちの回復魔術はコレでしょ?」

 「違うでござる。 こっちではヒールでござるよ」

 

 マジか! 

 なら、ドリアードのオリジナル回復魔術なのか。



 それにしても、あの怪我でも全く痛がる素振りがなかった。

 もし俺があの怪我をリリカかレミアの前でしてたら……

 ここ痛い! ここ痛いの〜! と全力でアピールして、甘えさせてもらうだろう。 

 あっ、でもレミアは回復魔術が使える…… それなら甘えさせてもらってから使ってもらえばいいんだ! などと考えていると……


 「リュウは飛べるでござるな」


 見られていた……


 「もしかして、だから追ってきて襲ってきたの?」

 「す、済まんでござ〜る。 でも怪しい奴は里には近づけない決まりでござ〜るよ」


 上位亜人のルールは裏と同じだな。

 ……やっぱりジェットは慎重に使おう。



 ラザノフは考える……

 リーブルに知らない上位亜人は居ない。

 しかしリュウはリーブルには居ない上位亜人。

 しかもスキルが多い……

 

 拙者が吹っ飛んだスキルは強力だった……

 それに無詠唱の回復魔術。 

 もしかしたらリュウの種族だけのオリジナルかも⁈

 それに翼無しで飛んでいた…… コレは特性か?


 他にも何かありそう。


 だけど1番興味が湧いたのは、刀を持った時の佇まい…… あの木を斬った時はゾクゾクした。


 紛れもなく…… 達人レベルの剣術使い!




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