表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生 フリーダム  作者: 昨日シーサイドライン乗った
31/114

 秘密


      第二章  成り上がり


 第三十一話  「秘密」




 レミアさんと友達になった。

 上位亜人は不憫な人と思ったけど、この人もかなり不憫そう。 ……いつもニコニコしてるけど。


 きっと俺には何も出来ないだろう。 

 だからこれ以上、関わり合いになるのを躊躇った。

 でもあっさり友達になってしまった……

 それくらいこの人は…… か、可愛いす……って、もうコレは止めよう、もうやらない。


 「レミアさん、友達なら、敬語を止めよう。 それとリュウでいいよ」

 「え…… それならレミアと呼んで下さい。 リュ…ウ……さん」


 敬語も呼び捨ても、難しそうか⁈


 「リュウ……さん、もう行ってしまうのですか?」

 「いや、堂々とは飛べないから夜中に出るよ。 敬語も難しそう?」

 「敬語は頑張る……ぞ⁈ 呼び捨ては無理……ぞ」


 か、かわい…… いや、もう言わない。

 でも何で「ぞ」を付けるんだ。


 「じゃあ俺は普通にさせてもらうね、レミア。 んで、この辺に食べられる木の実とかない?」

 「う〜ん、大きな木の実なら知ってます。 でも食べれるかどうかは…… 知りません」


 そう言えばこの人は、魚を食べるのが初めてのようだった。


 「レミアは普段なにを食べてるの?」

 「何も食べません。 お水を少しだけ……」


 少し違和感を感じる。

 じゃあ何で昨日は、魚を食べたんだ……


 「じゃあさ、普段は誰と過ごしているの?」

 「1人です。 でも妖精達がお喋り相手になってくれるんですよ、ふふ、リュウさん」


 きゃ、きゃわいいすぎ…… ってコレも同じだから止めた。

 でも妖精って…… いや、この世界が不思議でいっぱいなので今更驚かない。 

 現に今、目の前にいる人は女神様レベルだ。

 

 「妖精とは、俺も喋れる?」

 「妖精も、人前には姿を見せません」


 やっぱり違和感を感じる。

 変人だから姿を見せたと言っていたけど、その理由ではない……


 「大きな木に案内しましょうか?」


 ……理由は分からないけど、俺はこの人の味方であるのは間違いない。

 リーブルで初めての友達だ。 

 少ない時間だけど、楽しく過ごそう。

 

 大きな木に案内してもらう。

 しかし…… 歩くのがめちゃ遅い。


 「レミア、もう近いの?」

 「まだまだ遠いですよ、ふふ」


 これじゃ、1日かかりそう。


 「レミア、さっきみたいに抱っこして移動していい? もっと早く移動出来るから」


 ジェットをスケートのように使えば、凄く速い。

 

 「ふふ、いいですよ。 リュウさん」

 

 何だろう…… いちいち可愛いな、この女神様。

 

 と言うことで、レミアを抱っこしてジェットで移動する。

 やっぱりさっきも思ったけど、レミアは異常に軽い。

 背は162、3センチ、リリカと余り変わらない。

 でも体重は25キロくらい、リリカの半分程度。

 

 ガリガリに痩せてるわけじゃない。

 細いけど、出るとこはプリッと出ている。

 ……ちょっと待て。 本当にプリッと出ているのか? 

 この抱っこしてる距離でもう1度確認した方がいいのでは…… 少なくとも友達なら確認するべきだ!

 もちろん、いやらしい気持ちなんて全くない! 


 ……ただ確認したい俺がいるだけだ。


 

 「真っ直ぐでいいの」と聞きながら、チラッと見る。


 ふぅ…… あるな。

 不思議な感覚だ。 何だろう? この誰かに感謝したくなる感覚は…… 

 一応、神様に感謝しておこう。


 ありがとう、俺の為の神様。

 えっ? もっとちゃんと確認しろ?

 ふぅ、そこまで神様が言うのなら、確認しない訳にはいかないな。

 もちろん、いやらしい気持ちなんて全くない!


 ……ただ調べたい俺がいるだけだ。



 「このままでいいよね」と言いながら、チラッと調べてみる……

 いた! ……確かにいたんだ。

 ありがとう、俺の為の神様、、、。


 

ここでひと言。

 

 人間の、調べたいという欲求は、素晴らしいし、いやらしくない。

             ーリュウ談ー



 「リュウさん。 さっきからニヤニヤしてますけど、何かいい事でもあったのですか? ふふ、ヨダレまで。 しょうがない子ですねぇ」


 ひと言…… 取り消します!



 レミアから案内された木は、大きなオレンジのような果物の成っている木だった。

 食べるとやはり、オレンジのような味がして美味い。

 数個取り、リュックの中に入れておく。


 「レミア、今日は何かしたい?」

 「はい! またお魚が食べたいです」

 

 分かった、と言い、小さな砂浜まで戻る。

 戻るまでにレミアのことをもう少し知りたい。


 「人族に姿を見せないって言ってたけど、レミアも他のドリアードも人には姿を見せないの?」

 「はい。 ふふ、私が姿を見せたのは、リュウさんが初めてですよ」

 「え? じゃあ人族と話すのも初めてなんだ?」

 「はい、初めてです。 でも西のドリアードは、きっと初めてではないですよ、ふふふ」

 「それは感じるの?」

 「はい。 私達はどこかで繋がっているのです」


 西のドリアードは、誰かと会っている…… 相当の信頼関係があるのか?

 

 「西のドリアードは何歳なの?」

 「ふふ、414歳です」


 ……もしかして、寿命がない?


 「ドリアードの寿命ってあるの?」

 「ふふ、500歳です」


 ご、500歳!

 

 この世界の人間の寿命は、魔力があるからか100年ある。

 つまりドリアードは人間の5倍生きるという事。

 レミアは70歳だから、人間にすると強引だけど俺と同じくらいの年齢になる。 

 もう俺は、お孫さんではない。 ……同級生。



 パチパチと焚き火の音が聞こえる。

 昨日と全く同じように、焚き火に焼かれてる魚。

 そして隣を見れば、超絶綺麗可愛い、人族以外の人。

 白に青い模様の付いたワンピースで、生まれてからこの服しか着たことがないらしい。

 森との繋がりで、浄化されるまでは分かるけど、サイズまで変わるようだ。


 個人的には、もう少し短いスカートなら嬉しい。

 もちろん、いやらしい気持ちなんて全くない。


 ……ただ嬉しくなっちゃう俺がいるだけだ。



 それでもチラッと横を見るたびに、俺の気分は上がり、自然と歌を口ずさんでしまう。


 " コートを〜広げて〜「どうだ」と叫ぶとぅ、皆んなぁ逃げてく〜 won't you ! 一緒に〜どうだい〜、コートを〜広げて〜 with you!"


「っぶふふふ、嫌だ〜、変ですよ〜。 っぷふ、でも面白い歌です。 コートの下はどうなっているのですか?」

 「想像は自由(裸)だね」


 この歌は某アイドルグループの歌だ。 

 階段が46段とか47段の。


 「教えるから一緒に歌おう!」

 「ふふ、はい!」


 俺はこの歌を教えながら思う。

 この人にされたら逃げない自信があるし、一緒にどうだいもすると……


 魚は食べたことがないようなので、今日は身をほぐしてあげる……


 「ふふ、ありがとうございます」

 「無理しないでね。 美味しいと思わなければ食べないでいいんだからね。」

 「美味しいですよ。 ふふ、楽しいし」


 この人は、普段は何をしているのだろう?


 「レミアはいつも、何をやって過ごしているの?」

 「……神木を探しています。 ……でも、もうひと月前に、見つけたのです」


 一瞬と言うか…… 寂しそうな表情だった。

 でも、だから暇なのか?


 「俺はレイモンから来たって言ったよね、 この世界に海を渡って来た人って知らない?」


 知るわけないか。


 「ふふ、さっき言った西のドリアードと会っている人がそうですよ。 多分ですけど」


 マジですかいな……

 情報を整理すると、西のドリアードと会っている人物は、レイモン出身。 多分、亜人。

 西のドリアードと信頼関係が深い。


 「いつからとか、分からないよね?」

 「ごめんなさい。 ドリアードの幼少期の記憶は…… 忘れてしまうことも多くて」


 人間も同じです。

 

 でも、もしかしたら 150年前に戻ってという 亜人? かも。

 亜人の長生きな種族は、200年以上生きると言うし。

 それほどドリアードから信頼されているなら、悪い人ではないはず……


 「会ってみたいけど、会えないかな?」

 「どうですかね…… 運良く会えて、私の名前を出せば、話くらいは聞いてくれると思いますけど……」

 「やっぱり広大な森にいるの?」

 「はい。 でもビジョンの森が気に入っているみたいですよ。 ふふ、広大ですけどね」


 西にある、ビジョンの森か……

 優先順位は低いけど、機会があれば行ってみよう。


 「ありがとう、行ければ行くよ。 それで俺は明日の朝早くに出るんだけど、また会えるかな?」

 「私も会いたいです。 ふふ、この森にまた来て下さい、必ず見つけます」


 そう約束すると、レミアは消えた……



 小屋で横になり考える。

 レミアのことでは、色々と腑に落ちないことがある。

 何かを隠してる……? 分からないけど、あの笑顔を見ると全てが吹っ飛んでしまう。

 この世界の女神と言われても絶対に信じる美しさ、神々しさがある。

 

 目を瞑り、ウトウトしてくると、小動物の気配が…… 絶対いるだろ、暇人ドリアードが!


 目をパッと開けると、やはりいましたレミアさん。


 「レミアさ、ここにいてもいいけど、消えててくれない? やっぱり気になるからさ」

 「ふふ、ダメです。 消えると人の気配だけで、誰だか分からないのです」


 つまり自分が消えていると、相手が誰だか分からない。

 だから姿を見せて相手を確認しなければならないって事か?

 

 「レミア、人族には姿を見せない方がいいんじゃない?」

 「どういう事ですか? さっき約束したばかりなのに…… それより、その中には何が入っているのですか?」


 レミアはリュックを指して、そう言った。


 ふぅ。 

 まぁ俺は、レミアにとって初めての人族の友達。

 色々と興味が湧くのだろう。



 リュックから荷物を出して、レミアに見せてあげる。

 

 さっきの果物、汚れた衣服に、汚れてない衣服。 それと、ボートに…… 何コレ?

 下の方に、刀のメンテナンスに使う油や打ち粉が入ってた。 

 何だ、このリュック重いな〜、とは思っていたけど!

 それでも、ありがとうございます、ソマルさん。

 それより下にも、紙に包まれて、怪我を治す高回復薬が3本も入っていた。

 コレは高いのに…… と思いながら紙を見ると……

 " 今度は自分自身のために使ってね。 リリカ " と書いてあった。

ブワッと、リリカとの思い出が頭を駆け巡る。


 『私の回復薬は、リュウが使って欲しかったよ』

 『私はリュウが好き!』

 『私の事、嫌い?』

 『私は貴方について行きたい』

 『リュウが振り返るからぁ〜』

 

 頭が割れそうだ……

 自然と涙が溢れ出す…… ありがとう、リリカ……


 俺は、女神様の前で号泣した……



 あれから2日経ち、俺達は小さな砂浜の沖にある岩場まで、ボートを漕いでいる。


 何故そうなったかと言うと、レミアは号泣している俺に気づかい、話しかけてくれた。 

 その流れの中でボートに乗ってみたいと、レミアが言ったのだ。 

 別に急ぐ旅でもなく、グッと寂しい気分だったので、了承した。


 そして昨日は雨が降ったので、ボートどころではなく、小屋の屋根を作ったり、出入り口や窓を作ったりで、1日かかってしまったのだ。



 そして今日、ボートを岩場まで走らせている。

 出来れば貝を取って、レミアに食べさせてあげたい。

 

 岩場に着き、早速潜るが…… 流石に女神様の前で自由(全裸)はマズイので、パンツ一丁で潜る。

 ちなみに小さな頃から潜る時はパンツ一丁だったので、マシェリとかにはパンツ一丁マンと言われた時もある。


 潜ると、海にまで豊かな生態系が成っているのが分かる、これなら貝は直ぐに取れる。

 しかし…… 波があるのでパンツが脱げる。 俺は必死でパンツを押さえながら貝を取る……


 ボートの上ではレミアが涙を流して、

 

 「リュウさん、パンツ押さえて!」

 「フハッハァ〜、リュウさん、見えてる、見えてる!」

 

 とか言ってる…… この人、こんなキャラだった?

 まぁいい、貝は沢山取れた。



 帰りのボートの中で、事件は起きた。

 レミアは俺を見ながら腕に手をかざし、何かゴニョゴニョ言っている…… その時、俺の身体の中の魔力が動いた。

 そしてレミアが「ゲリール」と言うと、腕に出来ていた、かすり傷が治っていた……


 コレは……回復魔術!

 すっかり忘れてた回復魔術……

 今動いたのは火に水や光、それとよく分からないのが、闇の魔力だろう。 ……複雑だったけど、再現できるか?


 クナイて腕をピッと切る。

 ツツ〜っと血が流れて、レミアがびっくりしてるけど気にしない。

 さっきの魔力の流れを再現する…… そして「ゲリール」と言ってみるも、傷はそのまま……

 再現できなかった…… 複雑だから無理かもとは、思っていたけど。


 レミアを見ながら腕の傷を悲しそうに見る……

 痛いの〜、痛いの〜と目で訴える。 

 すると、しょうがない子ね〜って感じで、もう一度治してくれた。


 今度は失敗しない。

 もう一度クナイで腕を切ろうとした時、レミアが「ダメです」と言って、俺を睨んだ。


 か、可愛いすぎるぅ〜。 あっ、言っちゃった。

 

 でもまぁいい。 今度は失敗しない手応えはある。



 夜、4回目の焚き火前。

 昨日は小屋だけでなく、焚き火前も屋根をつけたので居心地がいい。

 そして隣には、よく笑う美しい人。

 でも人族に対して、この人は無警戒すぎる。


 グツグツと貝が煮えてきたので、レミアに渡す。

 味付けは塩だけだけど美味いかな?


 ハフハフして食べるレミア。

 この人を食べると人族は、不老不死になると思っている。

 だから消えるスキルや、飛べるスキルがあるんだろうけど、人族に慣れすぎでは?

 

 もし、レミアが人族に襲われたらこの豊かな森が徐々に無くなり、砂漠化。

 そして人族は豊かな地を求めて、戦争が始まる。 ……って、それじゃあレイモンと同じになってしまう。


 「レミア、人族はやな奴ばかりだから、もう人族に姿を見せないで欲しい」

 「リュウさんは私の友達ではないのですか? ふふ、大丈夫ですよ、リュウさん。 私は大丈夫」

 

 何かは分からないけど、何か引っかかる。

 でもこれだけは、確信できる。


 「俺はレミアに何かあれば、人族に対して危険な男になるから。 俺は小さな頃から鍛えてたから、そこそこは強いんだぜ」

 「リュウ……さん?」


 少なくとも刀を持った俺は、パッツァン以上の危険動物だ!



 今日はいつもより早く起きた。

 そして目が覚めて初めて目にするのが、こんなに綺麗でニコニコしてる人だと、今日はいい日だとしか思えない。


 「おはよう御座います、リュウさん。 今日は余りヨダレが出てないのですね」

 「おはよう御座います、レミアさん。 疲れてなければ、ヨダレは出ないんです」

 「ふふ、出てました」


 レミアは濡れてる床を指す。


 「それは汗です」

 「違います。 ふふふ、ヨダレです、見てました」


 完全にプライベートの侵害だ! 訴えてやる! と思いながら外に出る。

 

 まだ真っ暗。

 小さな砂浜で、一通りの基本練習だけしたあと……

 

 「じゃあ、またね。 元気で、レミア」

 「はい。 気をつけて行ってくださいね」


 軽く手を振って、俺はジェットを起動した。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ