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転生 フリーダム  作者: 昨日シーサイドライン乗った
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 対戦準備



    第三章  フリーダム


 第107話  「対戦準備」




 報告内容。



 無事にドリアードを発見して保護することをとりつける。


 猿人も防衛に参加する方向。


 猿人の里に入り込んでいた羅刹種を捕まえてキャプトマン王子が連行のもと、カラカイッサムの牢屋に一時的に預けた。



 この内容を相手の空き予定順に報告。

 順番はビッシュ王、キャプトマン王子の家族、次の日に第二王子、第一王子の順となった。



 早速、この内容をビッシュ王、キャプトマン王子の家族に報告した。

 本当は一気に報告して自分のやりたいことをやりたいが、相手の都合もあるので仕方ない。


 キャプトマン王子の家族に報告した時に、ターミナさんに明日の夕方、俺の家でドムフの歓迎会を開きたいと提案された。

 ドムフは俺が居ない間の子供達の剣術の先生なので提案してくれたのだろう。

 問題ないので了承した。



 次の日。


 夕方までに第一王子と第二王子にも猿人の里で北のドリアードを見つけたことを報告する、その時に事件は起きた。


 カージナル第二王子には問題なく報告が済んだのだが……



 次の第一王子の居る執務室? のような部屋に居たのは、女の人とラリィと同じくらいの歳の女の子、第一王子の家族だろう。


 軽く挨拶してさっさと報告を済ませる。


 「流石に仕事が早く、そして確実に成功させてくれるな。 そんなリュウに丁度よく私から紹介したい方が居る。 そこにおられるのはゴールタール国のサラングス様とお子様のマジェス様。 例の君の縁談の相手だ」


 ……はっ?


 「お初にお目にかかります。 私はサラングスと申します。 思った以上に素敵な方…… トラーリーン王子、私、この方に決めました」


 え……?


 「そうですか、私もお似合いと思っていたのですよ。 良かったね、マジェスちゃん」

 「……新しいお父様? お母様への指輪と私にもお願い出来るかしら……?」

 「それはもう。 彼は学生の頃から働いていたのでお金持ちですよ〜。 指輪の1つや2つなんてあっという間に」

 「ふふ、それならゴールタールの宝石商を今度呼んでも宜しい?」


 お、俺に聞いてるの?


 「え〜と、皆様が何をおっしゃられているのか分かりません。 それでは私は忙しいのでこの辺で……」


 サッと吉備津を返して部屋を出ようとした。


 「ちょっとお待ちを! ……それならお互いを分かり合えるよう貴方のお家に訪問したいと思います」

 「お〜、それはいい。 大歓迎ですよ、な、リュウ君」


 君付けしても、嫌なのです!


 「先程も言ったように忙しいのです。 ……先約もあるので」

 「もしかして、それは女ですか? ……婚約者として許せることでは有りません!!」


 怖っ! ……いきなり怒鳴られたよ。

 って言うか、どさくさに紛れて変なこと言ってるよね⁈


 「自分は全ての縁談の話を断らせていただいてます。 トリー……トニー…… ん、うん…… 第一王子。 知っての通り大事なプロジェクトの途中です。 命を賭けてこのプロジェクトを成功させますので、このような話は全てその後に聞かせてください」


 ドリアードのことは伏せて話さなければ、各国よりペナルティがある。


 「そ、それは分かっているが……。 どうしてもリュウの顔が見たくて馬車に飛び乗ってしまったらしいのだ。 乙女の恋心を分かってやってくれ」


 ……もう30歳は超えてますよね?


 「そ、それなら未来の婚約者として貴方のお家へ伺わせていただきます」

 「未来は確定してないのでお断りします」

 「ふ、不敬ではないですか! 私はゴールタールの王族ですよ!」

 

 やっぱりキャプトマン王子にミナリのことを言っておけば良かった。

 忙しいと直ぐに他のことを忘れちゃうこの頭をルークの頭と交換してほしい…… 神様、お願い!


 「リュウ、そ、それなら家にだけ招待してやってくれ。 わざわざゴールタールから来たのだ…… それとも本当に女が居るのか?」


 最愛の人と暮らしてるけどね……


 「キャプトマン王子の奥様達ですよ。 今回のプロジェクトに関わる竜族を労いたいそうです」


 そこそこ言葉遣いが良くなってない、俺?


 「それなら私も参加します」


 確定かよ…… 迷惑って感覚ないのかな……


 「私からも頼む。 ターミナには言っておくから……」


 ふぅ…… 今日はレミアも参加出来る人達だけだったので、本人も楽しみにしてたのに…… やっぱり貴族ってつまんねー。


 「……分かりました」


 こうして、ゴールタールの姫と言うサラングス様とマジェスちゃんを家に連れて行くこととなってしまった。



 サラングス  29歳。 第七夫人の3番子。

 亜人と人間のハーフ(ハーフは人間としか子供が出来ない)

 全夫との間にヨウキナレ、9歳が居る。

 痩せ型……には色々あるが、ミナリがスレンダーならカナリはもっとスレンダー体型で…… それ以上の超スレンダー体型。


 マジェス  子供。



 こんなことを聞きながら家まで歩いて来た。


 先に派遣されて来た料理人が、俺の家の台所で動いているのが庭から見えた。

 3階から見るレミアも……


 家に入って直ぐにドムフを呼び出してレミアに消えるように言おうとしたが、その途中にレミアが階段を降りてきてしまった。

 

 「そちらの方は誰? 初めて見る顔だけど」

 

 ドムフが言った。


 「ゴールタール国のお姫様だって。 接待するよう言われた」

 「お初にお目にかかります。 私はゴールタール国のサラングスと申します。 竜族の方ですか……?」


 2人を見て言った。

 レミアも竜族と思っている?


 「ええ、そうです。 氷竜族のドムフ君にレミアさんです」


 後ろに居るサラングスに気づかれないように2人にアイコンタクトをした。


 「一目で分かります。 ……それにしても美しい女性、竜族の女性は皆お美しいのですか?」

 「え、はい…… あの、リュウさんとはどういうご関係ですか?」


 はい、って…… 謙遜でいいからちょっとは否定しなさいよ……


 「ふふ、秘密なんですよ、本来は。 ふふ、ね、婚約者です」


 後ろなので顔は見えないけど、背中の悪寒が止まりません。


 「まだどうなるかは分かりません。 ドムフ君やレミアさんも知っての通り、このプロジェクトを失敗したら色々と変化があると思うので」


 これは本当。

 俺の命も立場もどうなるか分からない。



 「ふふ、な〜に? 玄関先で。 サラングス様、お久しぶりですね。 去年のパーティーにはいらっしゃられなかったので、4年前になりますか⁈ ふふ、マジェスちゃんも大きくなって」


 現れたのはターミナさん家族とヤモモさん家族、ゴールタール出身のミントラークさんは出産が近いので来ない。


 「お久しぶりでございます、ターミナ様。 未来の夫がどうして参加してほしいと言うから、厚かましいようですが参加させて頂くこととなりました。 本日はよろしくお願いします」


 ダメだ…… もうロックオンされて交わす術が俺にはない。


 「何を言っているのですか、サラングス様。 リュウ君の争奪戦には各国の王族関係の娘が参戦しているのですよ。 ふふ、サラングス様の強敵はリズーン国のウィッチ様にコーラン国のランカマイナ様、それにリバティ国のスピカ様などが有力となっております。 でも選ばれるのは1人ですけどね、本当よ、リュウ君」


 最後がめちゃ怖いけど…… ターミナさんって、ポルカ先生みたいな味方感があるんだよな……


 いつの間にか足元から俺を不安そうに見るミュラン…… 抱き上げる。

 すると、耳元で『大変ですね、リュウ先生』と囁かれた。

 それを見ていたマジェスがミュランに話しかけた。


 「あら、ミュラン様。 8歳にもなって大人の殿方に抱っこされるなんて…… 恥ずかしい」


 王族同志は子供でも面識があるのか。


 「そ、そんな…… ウィッチ様やランカマイナ様まで…… でもスピカ様は王族を外れてますわ」


 話がごちゃってるな。


 「いいの私は。 リュウ先生にはずっ〜と抱っこしてもらうんだ〜。 いいでしょう、リュウ先生」


 子供っぽくないと思ってたミュランが1番子供っぽい。

 ラリィなんか随分と前から抱っこされるのを嫌がるんだぜ…… 当然、サートゥランも。


 ミュランを見て頷く。


 「それでもスピカ様は若くてお美しいと評判の方ですわ。 リュウ君…… リュウ君とも面識があると言っていたらしいわよ」


 この『若くて』のワードにピクッとしたサラングスさん…… 凍てつく表情でターミナさんを見る。


 「はしたない。 それが淑女のすること?」


 え〜と、逃げたい……


 「とにかくプロジェクトが終わるまでは白紙のままです。 リズーン国やコーラン国も絡んでいるので成功させなければ自分の立場は無くなるでしょう。 そうですよね、ターミナさん」

 「ふふ、覚えてなさそうね。 でもそうね、ウチの旦那も含めて責任問題になるでしょうね」


 それは考えてなかったけど、確かに深く関わってるキャプトマン王子やトゥルフ王子は責任を取らされるだろう。

 それだけドリアードを失った世界はバランスを崩す。


 「私は私。 好きなように踊って好きなように歌うの。 そして好きな人と結ばれる人生を送るんだ〜。 ね、リュウ先生」


 ユーリスなどは小さな頃から政治の道具となることを覚悟していた。

 だけどこの子は違いそうだ。


 「それよりリュウさん。 ちょっと話があるんだ」


 キョトンとしてたドムフとレミア、でも隙を見てドムフが助け舟を出してくれた⁈


 「ふふ、そろそろ中へ入りましょう。 サラングス様、リュウ君は大事な話があるので私達とお茶でもしながら待ちましょう。 ふふ、いい紅茶がこの家にはあるのですよ」

 「えっ、リズーン国の紅茶ですか?」

 「ふふ、そうです。 リュウ君のお兄様がよく持ってきてくださるのですよ」


 頼んでるからね……


 「サートゥランとミュラン、子供同士で遊んでらっしゃい」


 いつの間にかサートゥランの隣に居るマジェス、ラリィが気を利かせて部屋に行こうと2人を誘った。


 「リュウ先生、私、あの子が苦手だからドムフ先生の話を一緒に聞いてていい?」


 小声で俺に耳打ちしたミュラン、確かに馬が合わなそうだな。

 問題ないのでレミアも含めて俺の部屋に来た。



 もう疲れてる俺とレミア。

 ミュランもホッとした表情を見せた。


 「何、あの鶏ガラみたいな人?」


 おいおい……

 せっかく俺が超スレンダー体型って言ってたのに。

 って言うか、出汁取る人いないだろ。


 「俺の嫁候補だって。 王族は子持ち出戻り関係ないんだね。 俺は一応まだ18歳だよ」


 18にあてがう嫁候補としてはキツイよな……


 「リュウさん、私が泣きたくなります……」


 いや、本人はもっとキツイって。


 「レミアお姉様、計画はまだ続いてます。 私だって諦めてないのにレミアお姉様が諦めるなんていけません」


 え〜と、レミア70何歳だっけ? ミュランは8歳だよな……


 「そ、そうね。 私は負けないぞ〜!」

 「ふふ、ミュランも負けません!」


 どうなってんの、この2人?

 まぁいい。


 「ドムフ、話とは?」


 不思議そうに2人を見ていたドムフが俺を見て話す。


 「この前、レビッツェルの討伐をしたんだ。 その話をね」


 ギルドに寄ってユキナの様子を見て来たから知ってる。

 何とか討伐成功したと言っていた。


 「成功したんだろ。 どうだった、レビッツェル」

 「うん。 1人では無理だったと思う。 それで何でラザノフが1人で亜種のレビッツェルを倒せたのに俺は通常型のレビッツェルに苦戦したのか聞きたくてね。 あの当時のラザノフより俺は弱い?」


 ドムフはラザノフに強烈なライバル心がある。

 それは氷と土の間でもあり、歳が近いことも関係してるだろう。


 「先ず弱いかどうかだけど、俺はドムフの方が若干上の気がしてる…… まぁ、戦うことは出来ないから断言は出来ないけど」


 ちょっとだけニヤけてドムフが続ける。


 「じゃあ、何で通用しなかったの?」

 「覚悟の問題。 あの時のラザノフの気合いは俺が知る限り1番だった」

 「結婚がかかってた時よりも?」

 「ああ。 あの時とは比べものにならないよ。 もう死の一歩手前でも俺に助太刀させない “気” が辺りに充満してたもん」

 

 ピクンとしたドムフ……


 「そう…… もしかしてそれからラザノフは強くなった?」

 「一皮剥けたね」


 

 ドムフは思う。


 あの時は後ろの2人に早く援護しろって思うだけだった。

 自分が1人で決める覚悟があれば、少なくともシータさんの怪我はなかったかも。


 覚悟が足りなかった……



 「あ、ありがとう、よく分かったよ。 それでリュウさん、俺も猿人の里に行っちゃあダメかな?」

 「クラルさんが心配なんだ。 それとレミアも途中から頼むと思う」


 不思議そうなレミア、後で理由を聞かせよう。


 「うん、仕方ないけど俺は強くなれるのかな?」

 「教えたことをしっかりすること。 特に子供達の手本となるように動いてくれ」


 人に教えるのはいいことだ。

 復習にもなるし、忘れづらくなったりもする。


 「うん。 今度、里に帰る時は、4位以上を狙うよ」


 もっと上を狙ってほしいと思う反面、時間も残されてない上に俺も稽古を見てあげられないもどかしさはある。

 でも、ドムフは今が伸び盛り。

 新しい環境と稽古内容がドムフを伸ばしている。

 俺の感覚ではルカルスさんと同等かそれ以上。



 コンコンっとドアが叩かれて『用意が出来ました』っとターミナさんの使用人が言った。


 ドムフとレミアと2階のリビングまで行く。


 もう子供達も集まっているので早速ドムフの歓迎会が始まった。


 料理に今日は俺も少しお酒を飲む。

 お酒を飲みながらの食事は会話もそれぞれになる。


 マジェスはサートゥランに一生懸命話しかけるが、サートゥランはラリィと話したいようだ。


 レミアはドムフとミュランと時折笑いながら話してる。

 ドムフは誰とでも仲良くなれる男だ。


 俺はターミナさん、ヤモモさん、サラングスさんで話している。


 「そう。 やっぱり大変だったのね。 今はウチの旦那は何処にいるのかしら?」

 「カラカイッサムに居ますよ。 今頃はトゥルフ王子と食事でもしてるんじゃないですか」

 「ふふ、あの2人同級生だから仲が良いのかしら⁈」


 そう言えばターミナさんも同級生だよな。


 「ターミナさんはトゥルフ王子を知ってたんですか?」


 キャプトマン王子は面識があるくらいだった、と言っていた。


 「向こうは目立つから顔くらいは知ってたわよ。 ただ身分が違うから言葉なんてかけれなかったわ」

 「それってパーティーとかですか?」

 「ふふ、違うわ。 パーティーも身分が違うので会えないわ。 私の場合は学校の大会よ」


 大会か…… 俺はユーリスとリシファさん、それにルイースとポンタを鮮明に覚えてる。


 「トゥルフ王子ならパーティーで踊ったことがございますわ。 素敵な方ですわよ」


 ゴールタールならリズーンに相手をされても、ちょっと前のナラサージュはホオヒューガと同じで相手にされてなかった。


 「お兄ちゃん、もう部屋に行ってもいい?」


 見るととっくに食事を済ませた子供達。

 大人は酒を飲んでいるのでまだ少し時間がかかりそう。


 「皆んなで行くの?」


 マジェスとミュランも行くのか? の意味なので2人を見た。


 「サートゥラン様が行くなら」

 「行かない」


 相変わらずミュランは付き合いが悪い。

 ただラリィと仲が悪いと言うわけではなく、サートゥランを馬鹿にしてる節がある。

 男女の双子の宿命?



 子供達と話してる間にも会話は続いていた。


 「ミントラーク様に会いたかったですわ。 ……まぁ、私が嫁いでくれば毎日会えますが」


 あの人もゴールタール出身だからな……

 もう逃れられないな…… 


 

 そんな時に “ビーッ” 呼び鈴が鳴った。



 俺が対応して尋ねて来たのはポルカ先生。

 どうしたのだろう?


 「久しぶりだね、ポルカ先生。 どうしたの? 上がってよ」


 ポルカ先生の明るい表情、本当にシスターを思い出す。


 「うん。 誰か来てるの?」

 「ターミナさんとか」

 「ふふ、ターミナ様ね」


 何となく良い知らせの気がする。


 リビングまで連れて来た。


 ターミナさんを見たポルカ先生が挨拶をした。

 そして俺が不満そうなサラングスさんを紹介した。


 それぞれ挨拶した後で、ポルカ先生が俺に報告する。


 「リュウ君、あのね、私…… ジャンセルと結婚することになったの」

 「……うん、そうなればいいなって思ってたよ。 おめでとう」

 「ありがとう…… 皆んなが卒業して寂しそうにしてたのが良かったみたい」


 学校の先生は、担任したクラスが卒業した時には寂しいのだろう。


 「いつするの?」

 「ジャンセルのクラスが卒業してからかな……」


 確か2年を受け持ってるって言ってたな、今は3年になってるか。

 だったら来年……


 「あっ、ごめんなさい。 今日は報告だけだから帰るね」

 「ポルカ、良かったらご一緒にどうですか?」


 ターミナさん……?


 「いいえ、ターミナ先輩、この後に私もジャンセルに会うので」


 先輩…… 学校で先輩後輩の間柄?


 「そう、残念ね。 ポルカ、たまには遊びに来なさいよ。 貴方はちっとも来ないんだもん、冷たいわ」

 「あ、いえ、王子様の奥様になられたターミナ先輩は皆んなの憧れで、私なんかが気安く遊びになんて行けませんよ」

 「そう言われると寂しいわ。 立場が変わったのはキャプトマンと結婚しただけで私は変わってないわ。 中級貴族の時に出会っていた人にはあの頃のままに接してほしいの」


 ターミナさんは中級だったのか。


 「いいえ、やっぱりそう言う訳にもいけません。 ……リュウ君、またね」


 居心地の悪さを感じたのだろう、ポルカ先生はさっさと帰ってしまった。


 居心地の悪さを演出してたのはサラングスさん。

 ターミナさんが中級と分かると、『中級なんて嫌だわ……』っと小声で言っていた。


 ふぅ、疲れる。

 俺は別にレミアと結ばれるなら他は贅沢は言わずに言われた女と結婚するつもりだった、けど階級で人を差別する人は嫌だな……



 戻って座ると早速サラングスさんが俺に言う。


 「私と結婚したなら付き合う相手を選んでいただきます。 貴方が下賤な方と付き合えば私が言われるのですから」


 下賤って…… ポルカ先生のことか?

 しかも、ターミナさんを見ながら言ってるし。


 「ハァ、もう今日は帰ってもら……」

 「返せよ! それはラリィのだ!」

 「いやよ! ラリィがくれたの、そうよね、ラリィ!」


 ハァ…… トラブルだらけになるな……

 子供達は何のトラブルだ?


 「どうしたの! サートゥラン」


 先に逃げるようにやって来たマジェス。

 その手には、俺がラリィに挙げた髪飾りが……

 そして追いかけるようにやって来たサートゥラン。 ……その後ろにラリィ。


 「マジェス様が強引にラリィの髪飾りを奪ったんだ! それで王族へのプレゼントだからラリィも嬉しいって言い張ってるんだ。 ……ラリィに返せ!」


 ラリィ…… アイツが強気に接するのは俺とラザノフだけかよ!

 モジモジしやがって、んなもんぶっ飛ばせっつうの。


 「流石に下賤の子は下賤ね。 マジェス、今日のところはもらった物を返しなさい、もっと良い物を買ってあげるわ」


 サラングスさんがサートゥランを見ながら言った……

 やっぱり下賤って元中級貴族だったターミナさんも含まれるのか。

 すんごく失礼な人だよな……


 「いやだわ。 いいのよね、ラリィ!」


 小さくても凄い迫力。

 モジモジ度がアップしたラリィ、僕はラリィの将来が心配です……



 その時、ツカツカとマジェスに近づいたミュラン。

 髪飾りを握りしめたマジェスの手首を素早く捻って髪飾りを奪い返した。


 そしてラリィにニコッとし、返す……


 ……が、


 怒りで我を忘れたように追いかけて来たマジェスが、ミュランを思い切り突き飛ばす!


 しかし…… クルッと体を返して交わしたミュラン、計算づくかは分からないがミュランの足がマジェスの足を引っ掛けた。


 バタンッと結構な勢いで転んだマジェス……


 

 もう1年以上を俺はサートゥラン、ミュランに指導して来ている。

 3人の中では1番弱いミュランでも、同じ歳くらいの子には負けるはずがない。

 ……今の体捌きはスムーズで良かった。



 「な、な、何をするのですか〜!!」


 超スレンダー(ドムフが言うには鶏ガラ)な人の怒鳴り声。


 「リュウ先生、レミアさんが明日帰るのに宜しいのですか? もう約束の時間は過ぎてますよ」


 サラングスを思いっきり無視してミュランが俺に何かを合図する言葉を発した。


 「ああ、そうだな……」


 っと言いつつ、どう言うことだ? っと考える。


 「プロジェクトに私ども竜族の女は必要ないのですか? 私達にも出来ることはあると思いますよ」


 レミアさん…… 余計に分からなくなった。

 アタフタする僕ちゃん……


 「じゃ、じゃあ、リュウさんはレミアと打ち合わせしてよ。 明日の朝早くに帰るのにこんなトラブルなんてさ、失礼だよ。 サラングスさん、俺が送ってくから帰ろ」


 ナ、ナイス、ドムフちゃん。


 「ちょっと待ちなさい! その暴力的な子は許せない!」


 超スレンダーな人(ドムフが言うには鶏ガラ)の怒声。


 「ふふ、だって私は下賤な女の娘ですもの。 ……さっさと帰りなさい」


 ツカツカと俺に向かうところも良く考えている。


 追いかけてミュランを突き飛ばそうとするサラングスを、さりげなくミュランと俺の体を入れ替えて交わした。


 ちなみに超スレンダー(ドムフが言うには鶏ガラ)な体では、子供は突き飛ばせても俺は無理。


 ドンっと背中を押されたが問題ない。

 直ぐにミュランを抱えて、言う。


 「それではサラングス様、自分は忙しいのでこの辺で。 ……レミアさん、遅くなって申し訳ない、これから良いですか?」

 「はい。 2階ですよね」


 ……っと言って1人でさっさと行ってしまった。

 ドリアードとは争いごとが嫌いなのだ。


 「良くやったな、ミュラン」


 小声で言うと、ミュランは目を細めて微笑んだ。


 

 そして不満そうなサラングスを送って行ったドムフ。


 嵐のように去ったサラングス。

 ターミナさんも嫌な思いをしただろう……


 その後、ドムフが帰って来てからも話したが、ターミナさんが言う『幾つになっても王族の娘って方ね』っと言う言葉が胸にささった。



 もし、あの人が俺の嫁になったら、俺はレミアと結ばれる前にまた不能さんになるだろう(カタカナではなってるけど)。

 そして俺はレミアのところに入り浸り、反感を買ったレミアがあの人のイジメに合うのが目に見えている。

 もちろん、モジモジしか出来ないラリィもイジメられるかも…… って、ラリィはまだサートゥランと同じくらい強いのだぞ!


 ハァ〜…… そう思うとレミアもラリィもイジメられっ子キャラに思えてきた……




 次の日は買い物を済ませて庭で久しぶりの鍛治作業。

 ソマルさんを思い出すと同時にリリカもどうしても思い出す。

 

 昨日、嫁にしなさいと紹介されたのがリリカなら、俺はその場で裸踊りをして喜ぶに違いない。




 買って来たナイフを熱して柔らかくしたら、痺れ草を擦りつぷしたものを乾燥させた粉をふりかける。

 そしてまた形を整える作業を繰り返す。

 投げナイフとして使うつもりなので強度は気にせず、とにかく重心に注視して鍛錬した。




 「リュウく〜ん。 帰ってたんだ〜」


 現れたのはミナリ。

 門の外から声をかけられた。


 「ああ、珍しいね、貴族街に居るなんて」

 「うん、クラルさんと約束。 ホオヒューガの田舎料理を教わるんだ。 レミアさんも帰って来てるんだよね」


 門まで歩いて来て開けてあげる。


 「また直ぐに行くけどね。 基本的にレミアは1つの場所にとどまらない方がいい」

 「あっ、うん…… 早く終わるといいね……」


 羅刹種計画を聞いてから、ここも安全ではないと確信した。

 ソナー持ち、翼持ちの羅刹種ハーフがフォルマップルには何人か居るだろう。

 まぁ、滅多に特性は受け継がれないらしいが、注意するに越したことはない。



 ミナリが家に入り、俺は作業を続ける。



 俺の計画では猿人の3人を俺の側近として働いてもらおうと思っている。

 アイツ等は投石術が出来るので、アイツ等の分まで痺れ投げナイフを作る。


 カンカンと整えては熱して鍛える。

 それほど強度は必要ないけど数があるので時間がかかる。



 夕方。


 一度、鍛治作業を止めて夕方の稽古。

 ドムフとレミア、今日はミナリとラリィ親子も一緒に来た。


 お城の後ろにある湖の脇の道を走って、広くなる場所でいつも稽古をしている。


 回復薬があるのでドムフと実践稽古。

 なかなかの迫力で攻めるドムフはやはり素質が高い。

 バランスも良くなっている……



 休憩中、思いもよらない人から話があった。


 「リュウ君、何でミナリちゃんに話さないの?」


 クラルさんだ。


 「何を話すの?」

 「結婚の話。 知らない人と結婚させられるわよ。 ……ラリィのことが心配だわ」


 昨日は何も言わずにいたけど、あの有様じゃ当然不安だろう。


 「もちろん私が何か言える立場じゃないって分かってる。 でも、それでも…… 昨日のラリィを見てたら……」


 情けなかったよね⁈


 「ラリィは何で自分で返せって言わなかったの?」


 ドムフが聞いてくれた。


 「……お兄ちゃんの迷惑になりたくなかった」


 なんじゃそりゃ?


 「ラリィさ、あんな泥棒みたいなことされたら怒れよ。 俺に迷惑とか関係ない、俺はそんなことは言ってほしくない」


 ラリィは俺を見て睨むように、バカァ〜、と言いながら泣いた。


 「ラリィ、お前を育ててるのはちょっと道を間違えたら殺人鬼だった男だ。 そんな男の妹があんなんじゃ俺も母ちゃんも心配で帰れないぞ」


 なんか酷いこと言ってません? ドムフ。


 ラリィはもっと泣くだけだった……

 今すぐ変われることじゃない。


 「それにしてもミュランはカッコよかったね。 あの体捌きなんて俺が教えた通りだったよ」


 ……自分の手柄にしやがった!


 まぁ、確かにカッコよかった。

 ただ、ミュラン的にはサートゥランに解決してほしかったのだろう。

 サートゥラン的に、もう一歩踏み込めないのは相手が女だったからか。

 またちょっとバカにされちゃうな、サートゥラン。

 


 「それで…… 話が逸れたけどミナリちゃんのことはどうするの?」


 ミナリ…… 改めて見ると、陸上部で頑張ってる可愛い子から美しく成長してる。

 初めの印象って抜けないものだな……

 

 「ちょっと悩んだ。 俺はレミアが好きだし、本気のミナリに失礼じゃないかってね。 だから…… まだ悩み中」


 戦いまではまだ時間がある。

 誰でもいいなら傷つけても心が痛まない、サラングスさんのような人でいい気もする。


 「リュウ君は私のこと少しも好きじゃない?」

 「それはない。 情の部分ではポルカ先生と並んで最高なものがあるよ」


 ポルカ先生とミナリはいつも俺の味方だという安心がある。

 それはルナシスターやローチェと同じで家族枠に入ってる。


 「もし私と結婚してもレミアさんばかり可愛がって私は大切にされない?」

 「それは即答でない。 ミナリなら同じくらい大切にするとおも……」


 途中で泣きながら抱きつかれた。

 チラッとレミアを見ると…… 瞳を濡らして頷いてやがる。

 どんだけラモーナと対応が違うんだよ。


 「……ごめん、リュウ君。 ……プロポーズしてください」


 え〜と、もう確定? さっき悩み中って言ったばかりなのに……

 皆んな見てるし…… レミアもそれでいいのかよ!


 「……早く、リュウさん」


 何で?

 しかし…… いいみたいだな。


 「今度の戦いで俺が生きてたらだけど、俺と一緒になってくれ。 さっきも言ったけど大切にするからさ」


 抱きついたら離さないミナリが上を向いて頷く…… そして潤んだ瞳を閉じた。


 チラッとレミアを見る…… 祈るように両手を胸の前で握っている…… 目が合った俺に頷く。

 って、コレはキスしろってことですよ?


 ラリィはドムフに目を隠されてる…… 余計なことを……


 クラルさんは指で自分の唇を指してキスを促している……


 まぁいいや、ミナリに集中しよう。


 可愛い顔に良く笑う口、これからもよろしくね、って感じで軽く唇を合わせた。



 ……が。


 その日、レミアが口を聞いてくれなかった。



 

 氷竜族の里を目指して立ち寄った町、リズーン国のパルモ。 ……そう、ギルドの武闘大会、個人戦があった街でカミラさんが住む街でもある。


 ……っと言うことで、ギルドに寄ってカミラさんとリョーキさんとで夕食を一緒にすることになった。


 待ち合わせたのは前回も来た、料理の美味しいお店。


 レミアと待つこと10分、おめかししたカミラさんとリョーキさんが現れた。


 相変わらずカミラさんは綺麗だけど出会ってからもうすぐ4年か……

 プユスタールの仲間達に会いたくなるな……



 「あっ…… リュウ君の彼女、だよね……

 美しい人…… 上位亜人?」


 ギルドでは消えててもらった。


 「まぁ、そんなとこ。 それより早く入ろうよ、この店の料理、美味いよね」


 前回で味を占めた。


 

 お店に入ってからレミアを紹介した。

 一応、婚約者として……


 当たり障りのない程度にレミアへの質問を答えて、話したかったのはユキナのこと。


 「カミラさんも知ってるでしょ、ユキナと俺の兄のこと」

 「うん。 ユキナも他のギルドを探そうと悩んでるみたい」


 そこまで悩んでいるのか……

 ルークも忙しいだろうけど、手遅れにならなきゃいいけど。


 「兄を庇うわけじゃないけど、兄はユキナのことを想ってるって言ってたよ。 カミラさんからもユキナにちゃんと話し合うよう言ってもらえないかな」

 「お兄さん、でも婚約したのよね、ユキナと付き合っているのに」


 貴族って恐ろしよな…… っと思うけど、何でルークの相手はユーリスで俺の相手はサラングスなんだ…… 辛すぎるぞ。


 「本人の意志もあるみたいだよ。 だからユキナにはしっかり兄と話してほしいと思ってるんだ」

 「本人の意志もあったらユキナからすれば話すことはないんじゃないかしら」

 「その意志はユキナのためでもあるんだ。 それを聞いてほしい」

 「ふふ、分かったわ。 でも、あの子は意地っ張りだから期待しないでね」


 確かに意地っ張りで頑固なところがある。


 その後はお互いの近況を話しながら食事をした。

 

 


 宿屋までの帰り道。


 手を繋いで歩くのは、いつ何があってもレミアを庇えるから。

 だから俺は知らない町では特に気を張っている。


 「婚約者か…… リュウさんは2人も居るのですね」


 アンタが煽ったからな。


 「ミナリは一応だよ。 ターミナさんは喜んでくれたけどさ」


 一応、勝手なことは出来ない。

 だから俺の周りを味方で埋めないといけない。


 

 あの日のうちに、俺とミナリはターミナさんに相談に行った。


 ターミナさんは学生時代にキャプトマンと付き合っていたが、身分の違いから卒業したら別れるつもりでいた。

 しかし、逆にキャプトマンからプロポーズされて、そのプロポーズを受けてしまう。


 色々な嫌味や嫌がらせも当時はあったらしいが、事態が変わったのはキャプトマンが王子に指名されたから。

 一説にはキャプトマンの、身分を気にしない一途な想いをビッシュ王が高く評価した…… と噂が流れて、その頃にはターミナさんの家系に対する嫌味などもなくなっていた。


 そんなターミナさんだからこそ、ミナリとのことは喜んでくれた。


 これで実質、ミナリを第一夫人として過ごして、2年後(結婚後2年は結婚出来ない)にまた俺に縁談の話を誰かが待って来ようとも、その前にレミアも人族になっているのでレミアと婚約。


 でもレミアは15歳相当なので、学校へ通う3年間は婚約者として過ごしてもらう、予定。


 

 「ところで何であの日は俺と口を聞いてくれなかったの?」


 あんだけ煽ったくせに。


 「わ、私の前であそこまでするなんて酷いです! ふ、普通は抱きしめて終わりです」


 煽ってた訳じゃないのね……



 そんな会話をしながら宿屋に帰って一泊。

 そう言えば…… 俺は隣で寝る(多分、起きてる)レミアと、キスもしたことがない。



 ーーーーー



 ミガックさんの種族の猿人の里。


 集会所に集まったのは、土竜族からラザノフ親子(ラザノフは余計)の3人。

 氷竜族からはゾフさんとゴルゾフさん。

 ナラサージュ代表で俺とやつれたキャプトマン王子。


 猿人も同じくらいの数が居る。


 

 代表として、俺が話すが……

 隣のラモーナの位置が近い! これじゃ空気の読めない馬鹿ップルみたいだぞ……

 レミアは消えてる。


 「え〜と、ラモーナ、もうちょっと離れてもらっていい?」


 ドリアード特有の魅力にドキドキしちゃうのよ。


 「いや。 だって久しぶりに会ったんですもの、いいでしょう?」


 ラモーナはミガックを見て言った。

 ……そのミガックがヘラヘラっとニヤけて頷いた。


 「ふふ、いいって。 リュウ、進めて」


 グイッと近づきながら喋ったラモーナ、もう胸が腕に当たって変になりそう……


 

 「あ、あ〜、何だっけ? え〜、それでは始めさせて頂きます。 え〜、この場に集まって頂いたと言うことは防衛に参加すると言うことで宜しいでしょうか?」


 猿人達は頷いて、それぞれの種族と代表の名を名乗った。


 「それでは羅刹種の特徴、スキル、それに対しての自分が考えた防衛策を説明します」



 フノウ・リュウの防衛策


 この里を受け渡してほしい(本当はこの里の半分くらいの大きさがベスト)。


 先ず、この里の建物を全て無くして、所々に新しい高さ3メートルくらいの建物を作る。


 その3メートルの高さにドリアードが通れる範囲で針金を張る。

 

 以上、解散。


 

 「ちょっと待つでござるよ。 何で解散する?」

 「ドキドキを誤魔化すための冗談。 それで、反対意見とか出して」


 真っ先にミガックが反対した。


 「里を受け渡したらこの里の猿人はどうするんだ?」

 「知らない。 じゃあ、どなたかの種族の里で、空け渡してもいいって里はないですか? 出来ればもう少し狭いのがベストです」


 閉鎖された空間、入り口が1つ、この条件なら何処でもいいが……

 皆んな俺を見ずに居る…… が、おばさんの猿人がチラッと俺を見た。


 「あ、あの…… ナカミツ族のラリョンカです。 ほ、保証なんかはありますか?」


 ナカミツ族  白と黒の斑らの毛色。

 やや、他の種より小さい。


 これはキャプトマン王子の出番。


 「もちろん終わった暁には国を挙げて復旧をしましょう」

 

 それはホオヒューガ国にやらせればいい。

 だって何も役に立ってないから。


 「それなら家屋も古くなっているのでいいでしょう。 それにフノウ様の言うようにこの里より狭いですよ」

 「それでは後で見に行きましょう。 他に何かありますか?」


 わざわざ手を挙げたゴルゾフさんを指名する。


 「針金を張るのは羅刹種が飛べなくするため、中はそれでいいが、外はどうする?」

 「ふ〜、その前にこの前に俺と戦った3人を呼んでもらっても良いですか?」


 その3人は直ぐ側に待機していた。

 それはこの後に外でバーベキューがあるから。


 

 連れて来てもらった3人、双子は顔に傷がある方がドムらしい。

 そのドムが俺に聞く。


 「何だ? リュウだったよな」

 「ああ。 お前達に頼みがある、もちろん断ってもらってもいい。 その頼みは俺と一緒に死んでくれってくらいの頼みだ」


 ググッと身を乗り出す3人……



 「外は俺が担当します。 その理由は兄が作った補助具があれば、俺は羅刹種より速く飛べます。 その補佐を3人にしてもらいたいが、どうだ?」

 「ウッヒョ〜! いいぜ、最高だよ、な、ギル!」

 「ああ〜、やってやる、やってやるぜ〜!」

 「ギ、ギルにいちゃん、お、おでもやる」


 にいちゃん?


 「もしかして、3人兄弟?」

 「お、おでだけ父ちゃん違う」


 マジか…… 危険な役割を与えてしまった……


 「危険だから2人でもいいよ⁈」


 兄弟3人死んだら母親に申し訳ない。


 「俺達はやるぜ、リュウ! 俺達はお前の狂気的な強さに痺れたんだ! 一緒に死んでやる!」

 「ああ、その前に羅刹種共を皆殺しだ。 やってやるぜ〜!」

 「おで、おでもやる、やるぜぇ!」


 グィ〜と腕を引っ張られた。


 「リュウ、貴方が危険なら私は貴方に守ってもらわないことにする」


 せっかくいい感じだったのに……


 「ラモーナ、大丈夫。 俺に守らせてくれ」

 

 近い位置のラモーナの瞳の瞳孔が、グワっと開いたのが見えた。


 「は、はい……」


 か、可愛い反応……

 絶対レミア、怒ってるだろ。



 「話を続けます、他には?」

 

 ラザノフが手を挙げた。

 変なルールが出来たな…… ラザノフを見て頷いた。


 「リュウとその3人で勝てる訳ないでござるぞ。 そして外を取られたら実質負けだ」


 ルークが言ってた眠り薬を炊かれるか。

 そして、眠った皆を殺してドリアードを奪うって感じだろう。


 「外には猿人を配置。 危ないので遠く離れたところに魔術を使える猿人。 後は飛び道具の使える種の猿人にも協力して頂きたい。 ちなみに後者は犠牲者も出ると思います」


 ちょっと怯んだ顔の猿人達……


 「フノウ様。 私達ナカミツは魔術が得意ですよ。 ……それで、魔術師は何をすれば良いのでしょう?」

 「ラザノフ。 ラザノフが羅刹種ならどうラモーナとレミアを奪う?」


 ラモーナと言った時に、俺の腕にムニュっとした感覚が加わった……

 ワザとやってない?


 「そうでござるな…… リュウは5人で囲んで殺る。 他はサンダーのような大魔術で一掃するでござるな」

 「そう、その時にナカミツ族にはその魔術を消してほしいのです。 ちなみに前回、俺の魔術を消したのはナカミツ族ですか?」


 ハリケーンラン改を発動出来なかった。


 「そうでございます。 ……私達の役割、承りました」


 遠くから隠れながらでもいいので、中よりは安全だ。


 「シーシャのホマーだ。 我等は弓の名手が揃っておるぞ」

 「待て、ウチの方が上だ。 弓を扱わせれば猿人1番のスホヤミ族だ」

 「何が猿人1番だ。 1番はシーシャ族だ」


 これが良く言う犬猿の仲ってやつ……

 いや、猿猿の仲か?


 「1人2人が必要な訳じゃない。 得意なら得意なやつが戦いに出てくれ。 ただし、魔術隊より危険だと思っててくれ」

 「……ああ。 だが1番危険なのはフノウなのだろう?」


 またビクッとしたラモーナ。

 ドリアードの中でも1番変わってない?


 「大丈夫、俺は強い」


 ……この前の試合を見てたのだろう、頷くだけで誰も何も言わなかった。


 「他は?」


 手を挙げたルカルスさん、自由に発言してくれよ。


 「全体練習が必要だな。 ひと月は練習したいが」

 「今から会場作りをすれば問題ないでしょう」


 また手を挙げたのは猿人……

 『どうぞ』っと言う。


 「ソーシャンスーデル族のチーラチーラじゃ。 ワシ等は何をする? やることがないぞ」

 「もちろん猿人で強い人には中で竜族と共に戦ってもらいます。 出来れば30人はほしいですね。 それ以外はナカミツ族の里の改修を手伝ってください」

 「うむ、分かった」

 「それとキャプトマン王子にお願いがあります」


 ちょっと嫌な予感なのだろうか、乗り気ではない雰囲気で俺を見て促した。


 「ゴールタール国が全く何もしてないので可哀想です。 だからキャプトマン王子が高回復薬をもらって来てください。 出来ればゴルゾフさん、護衛頼めますか?」


 嫌と言われる前にゴルゾフさんから聞く。


 「ああ、もちろんだ、いいぞ」

 「ありがとうございます。 それとナカミツからも数名の護衛をお願いします」

 「えっ? あ、ええ、良いですよ。 ……何をするのですか?」

 「船で行くので魔力の補給と、もし魔術を使う海賊などが現れたら魔術を消してください」

 「フォルマップルか!」


 ルカルスさんが言った。

 

 そう…… ゴールタールへはフォルマップル国を通る。

 ゴルゾフさんは強いけど、唯一負けるなら大魔術。


 「ふぅ、まさかリュウにまで王子扱いしてもらえないとは……」

 「出来れば……」

 「ちょっと待て。 ……本当かよ、何だ?」

 「ナカミツ族の里の復旧はホオヒューガにやらせましょう、それも話を付けて来てください」

 「ウグッ…… そ、それもキツイな……」

 「フハハハ〜! それは俺も話に加わろう。 いいな、キャプトマン」


 この2人は長く一緒の時間を過ごしてるせいか、お互いを気に入っている。

 

 「ええ、是非。 ……高回復薬は何本?」

 「きっちり千本」


 頭を抱えたキャプトマン王子だが、実戦練習でも使うことを考えれば本当は倍はほしい。



 それぞれの役割が決まり、それぞれで話し出したので今日の会議は終わりとした。


 そして早速、ラリョンカさんに案内されて…… と、いつまで経っても着かないので、ラリョンカさんを背負って里まで飛んだ。



 大きな崖が連なる一画に、幅5メートルの入り口。

 入り口からトンネルになり、30メートルくらいか、ナカミツ族の里が広がっていた。

 中はやはり暗くない。

 高さは15メートルくらい⁈

 広さは東京ドーム(広さは知らない)の半分。



 「どうですか、フノウ様」

 「いいですね。 いつ引き渡せますか?」

 「2、3日中には準備しましょう」


 そんなに早く…… って荷物少なそうだな。


 「分かりました、それでは4日後から解体に入ります」



 こうして大筋で決まった防衛策。

 後は工事が終わるのを待つだけ…… ではない。



 それから数ヶ月、ナラサージュに帰らずに働いた俺とキャプトマン王子。


 お使いから帰って来たキャプトマン王子には、ミナリのことも話して賛成してもらった。

 王子自身が王族の身で中級貴族のターミナさんと結婚して良かったと思ってること、また同級生と言うのもいいらしい。


 ただ…… 本当にレミアさんはいいのか? っと言うのでレミアに聞いてみた。



 レミアのミナリ推しの理由。


 俺がレミアを1番愛してくれている、っと分かった時から他の人にも俺で幸せになってもらいたいと思った。


 特にミナリは最初に会った時にレミアと俺とのことを望んでくれたので、自分も応援したくなった。


 ……と、言うことで、レミアがまともに嫌な反応するのはラモーナとサラングスだけと判明した。




 そして…… ナカミツ族の里の改修が終わる。


 広い地下空間にポツリ、ポツリと建つ家は皆んな3メートルの高さ。

 そして、家同士を繋ぐように針金ワイヤーが高さ3メートルで張り巡らせてある。

 その隙間の幅は、レミアとラモーナは通ることが出来るけど、翼のある羅刹種は通ることが出来ない。

 家の中にも同じ幅で穴が空いているので、レミアとラモーナは危険を感じたら上空に逃げることが出来る。


 弱点。


 家が壊れると針金も意味がなくなる。

 家の角に隠れて魔術を使われそう。



 まぁ、ここで70人が待ち構えている。

 この中では羅刹種だってまともには戦えないさ……



 8月。


 レミアを一旦ルークに預ける。

 ヒラニが言うには8月の8日に羅刹種同士の最後の会合があるので、ヒラニが出なければヒラニを探しに来るはず。

 その時にきっとラモーナの位置も確認するはずなのだ。

 なのでレミアはここに居てはいけない。


 そして俺はラモーナの近くにいつも待機。

 もしラモーナを攫おうとするなら仕方ない、俺が排除する。

 しかし、位置だけの確認なら今は放っておく。

 罠を仕掛けて待ち構えてることを知られたくないからだ。



 「リュウ〜、近くにいる〜!」


 ラモーナ…… 凄く気に入ってもらってるけど、ラモーナの時だけレミアはヤキモチを焼く。


 「いるよ。 何かあった?」

 「ないよ〜。 ねぇ、夜中はもっと近くに来てね〜」


 近くと言っても何とか声の届く範囲で見守っている。

 夜中か…… 爺さん羅刹種なので寝てるだろう。


 「少しね、俺はレミアの婚約者だからね〜」

 「……バカ!」


 ドリアードにまでバカと言われるとは。

 俺はなかなかのバカ強者。



 夜遅く……

 入り口のある崖の上で座ってラモーナとお喋りした。


 主に分かったことは、ラモーナはレミアやミザリーと違ってエッチなことに興味を持っていると言うこと。

 繁殖方法が人族と同じ、妖精に色々と教わっているようだ。

 もしかしたらその妖精の影響を受けてるかも知れない。

 




 ジーンライネ、デルマ城の執務室。


 執務室に居るのは4人の老人、1人はこの国の王、ジャーマン王だ。


 「ナラサージュのキャプトマンはどうなっている?」


 話したのは飛翔族、先鋒隊のリーダー、マクニール。

 答えるのはジャーマン王。


 「それが居ないのだ…… もう数ヶ月も留守らしい」


 舐めてるナラサージュに刺客を送ったが、リュウと言う男ではなく、キャプトマンを暗殺せよ、と命じた。

 理由はリュウと言う男の強さ。 

 失敗したらマズいことになるしその可能性が高い。

 奴の暗殺は2度も失敗しているのだ。


 「それより兄者、やはり東のドリアードがいくら探しても居ない」


 この男はマクニールの弟のマンデミータ。


 「地下も調べたのか? あのドリアードはとんでもない場所まで移動するぞ」

 「ザギイとムザルと俺だけじゃ、東は広すぎる。 ましてや地下までなんて……」


 まあ今回も、ノマノーラから50名、先鋒隊を合わせれば最低70名の飛翔族がスペルティに来るだろう。

 40人を東の捜索、30人を北のドリアードの捕獲でいいだろう。

 西は位置だけ調べておくか……


 「北は?」

 「それはもう直ぐヒラニが報告に来る」


 

 マクニールは考える。


 ジャメットが攫ってきた東のドリアードが逃げ出した…… と言うより奪われた。

 犯人は7人を音も立てずに殺した腕利き。

 複数犯とは考えられない手際で奪われた。


 更にドリアードを見つけに行ったジャメットが帰って来ない……

 逃げたか殺されたか、それとも……


 誰かが東のドリアードを守ってる……?

 

 いや、ドリアードは人族には姿を絶対に見せない、それなら……



 犯人は限られてくる。



 先ず怪しいのは東の3人、特にロナイン。

 我の見立てではゴルとビッテルは死んでいるがロナインは怪しい。

 先鋒隊の中で最年少でも、魔力は1番高くて剣術も出来た男だった。


 次はタルタルソー。

 コイツは逃げたとハッキリ言える唯一の男。

 ただズル賢い男がリスクを取るとは思えないが。


 最後が一応ジャメット。

 もしジャメットがドリアードを直接ノマノーラに届けたら、ジャメットはノマノーラで英雄となる。

 ただ協力者が居なくては無理、まさか…… 牢屋に押し入ったやつ?

 

 

 その日、ヒラニは来なかった……




 20日後、雨が降り続くジーンライネ。


 8月の8日、この日は50年に一度、先鋒隊が集まる日として250年前から変わってない。

 その日にヒラニが来なかったと言うことはヒラニは死んだと思ってはいたが……


 「ジャーマン、キャプトマン暗殺に失敗したって本当か?」

 「キャプトマンの代わりに子供を狙ったところ、竜族の男に邪魔をされたらしい」

 「りゅ、竜族? クッ、そう言えば土と繋がりがあるんだったな……」

 「いや、今回は氷竜族らしい。 メノン族は逃げたがブラルバッサ族は捕まった」


 2人ともフォルマップルに里がある上位亜人。

 口は割らないと思うが、フォルマップルが仕掛けたことは分かってるだろう。



 「クッ、まあいい。 ボリモス、最終報告を」

 「あ〜、ヒヒィ。 北のドラアードは居たよ〜。 いつものチレイラの森、ヒラニはやっぱり居なかったよ〜、あ〜、女抱きてえ」


 やっぱりヒラニは死んでるか。

 ……しかし、まだ性欲があるのかよ、とんでもない性欲モンスターだな。


 「ザギイ、西は?」


 ザギイは飛ぶ特性とソナースキルを継承した7人目。

 ザギイの前に継承した6人は寿命で死んだ。 人間の寿命は短いのだ。


 「西も安定のビジョンの森。 ただし、飛翔族の反応もあった」

 「な、何〜! ……ロナインか⁈」


 ロナイン以外は考えられない。

 そして…… ザギイではロナインには勝てない。


 「クッ、裏切り者が〜! 必ず殺す!」


 ノマノーラから来た飛翔族を西に回す予定はなかったが、ロナインを殺して一応ドリアードも確保することにする。


 「マンデミータ!」

 「ああ、東にムザルと飛んだが……」


 ムザルもザギイと同じ。

 ザギイより少し若い8人目の飛ぶ特性とソナースキル持ち。


 「やっぱり居ない。 もしかしたら東ではなく南方向かも」


 南か…… 良く動くドリアードだけど、南に動いたことは今まではなかった。

 それでも、数の力で探さなければならない。


 もうひと月で我等が同胞がこの星に来る。


 前回は奪取隊に無駄に暴れるやつが居て命を落としたやつも居たが、今回はフォルマップル国でなら問題ない。

 

 とにかく血がたぎった奴等、しっかりと教育してから行動させる。 

 

 

 ーーーーー



 9月。


 続々と集まってきた仲間達、その中のドムフがとんでもないことを報告した。



 ドムフの報告。


 サートゥラン、ミュラン、そしてラリィとの剣術練習中、突然ラリィが詠唱を始めてアイスアローを俺に打って来た。

 アイスアローは俺に当たらなかったけど、俺の後ろに忍び込んでいたメオン族に当たったのだ!


 そしてその様子を見てたように、堂々とブランバッサ族の男まで現れた。


 メオン族が『竜族の男の足止めをしろ!』っとブランバッサ族の男に言って出来た、ブランバッサ族対俺、サートゥラン、ミュラン、ラリィ対メオン族。


 ラリィが魔術を使いながら補佐をして、サートゥランとミュランが剣術で戦い、メオン族の男を圧倒。

 メオン族は逃げ出した。


 俺? ……俺の攻撃は一気。

 気づいた時には相手は気絶してたよ、ハーハハハ。


 ……だって。



 「ドムフ君、ありがとう、僕の子供達を守ってくれて」

 「いやいや〜。 俺が助けられたし3人は立派でしたよ。 帰ったら褒めてあげてくださいね」


 そう。

 やっとキャプトマン王子は帰れる。


 「ああ、早く帰りたいよ」


 俺が飛んで送って行く。

 ついでにレミアも連れて来る。



 ーー ーー



 そして、9月の半ば、レミアを連れて帰って来た。


 防衛にあたる全ての人がナカミツ族の里に集結してる。


 皆んなを集めて話す。


 「え〜と、皆んな知っての通りの配置。 俺とギル、ドム、パンクン、弓矢隊、魔術師以外は中で戦ってください」


 が……


 「俺は飛べる。 リュウ、俺も外に加えてくれ」

 

 ポンタ……


 「ハハ、俺も外だ。 素早さならリュウにも負けないよ」


 ゼウスさん⁈


 「却下だ。 先ずポンタは弱くて飛ぶのが下手だ。 それよりポンタには俺と組んで竜族と戦ってもらう。 それが出来るのは俺とお前だけだ、いいな?」

 

 最初は不満そうな顔だったけど、最後の方は納得した顔になって頷いた。


 「ゼウスさんは貴重な鬼神だからね、ここは1番危険地帯」

 「いや、役割を決めるなら俺はここだろう。 リュウ、遠慮はするな!」


 そこまで言われたら反対は出来なし、ゼウスさんが加わるなら心強い。


 

 こうして約1ヶ月の防衛訓練が始まった。


 訓練内容。


 里内は10人グループになってもらい、俺とポンタと戦ってもらう。

 ただし、俺とポンタは下級魔術で、魔術に当たった人は負け。

 制限時間は10分で俺とポンタを槍で触れなければ負けというルール。


 結果、スケートジェット持ちの俺を追い詰めれるグループはゴルゾフチームとゼブンチームだけとなった。

 コレは最後まで変わらなかったけど、魔術に当たって負ける人は少なくなった。


 

 外。


 コレが誤算だった……

 

 キャプトマン王子を送った時に、こっそりとラリィが影に入り込んでいたのだ。

 ラザノフと俺はラリィを散々叱ったが、本人はガンとして『帰らない、母ちゃんには言ってある』と言うので、時間もないし俺が倒れてもこの4人(ドム、ギル、パンクン、ゼウスさん)、もしくは知ってる人の声で声を掛けられない限り、絶対に出て来ない約束で影に入ることを認めた。



 そのラリィの審判で外の実戦練習が始まった。


 先ずは会話から。


 「俺達の役割を話そう。 羅刹種は大人数でこの丘を囲むだろう。 中にドリアード、それを守るやつが中に居るのもソナーで把握済みだ。 ギル、俺達がここに居る意味は?」

 「知らねえ〜! でも、やるぜ〜!」

 「お、おでもやる!」


 知能戦は不利だな……


 「ハハ、俺には削る目的しか考えられないな」


 ゼウスさん。


 「そう。 だから必要以上に相手を削る必要はない。 基本は俺が飛んで落とした羅刹種のトドメ、もしくは余裕があれば捕獲。 俺達がやられる前に羅刹種を中に入れよう」


 後は中に任せます。


 「ハハ…… それで中を塞ぐの?」

 「多分、グループで分けて入って来ると思う。 だから塞いでも次のグループが俺達を蹴散らして中に入ろうとするはずだ。 俺達の人数は少ない、だから人数を減らさずに最終的にこの入り口を守れればいい」

 

 ドムが話す。


 「リュウ、俺達には分からない。 だからその都度で指示してくれ」

 「わ、分かった。 ……ゼウスさんは?」

 「ああ、簡単に言えば最終的に入り口に俺達が居ればいいんだろ」


 説明下手でごめんなさい。


 「そう。 だから深追いはしないで守りきろう」



 っと言うことで、実戦練習。


 俺が空から入り口を突破すれば俺の勝ち。

 

 魔術を消すナカミツも、弓を持つ種族も参加する。


 入り口から離れた空。


 ハリケーンランを仕掛けようとするが何故か発動しないのは前回と同じ……

 ナカミツは姿が見えない…… 見えてても散らばっているので問題ないはず。


 近づくと弓が雨のように降る。

 土の盾でカバーして弓隊に近づこうとしても波状攻撃が来るので諦める。

 ……目的は猿人を殺すことじゃない、中へ入ることを優先するだろう。


 待ち構える4人。

 仕込んでいたウインドカッターで右のギルを飛ばして剣技でパンクンを押す。

 ドムとゼウスさんが近づくタイミングでスモークロッペン! 

 俺はあっさりと入り口を突破した。


 しかし……


 ゼウスさんがウインドカッターを流すことに成功してから止められることが多くなった。

 もうこの4人にはカッター系の魔術は通用しない。


 こんな感じで俺達は準備万端。



 早く来い、羅刹種!

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