07・低いステータスに嘆く
「よし...学園に入る前に、俺のステータスをもう一度確認しておくか...」
『ステータス・オープン!』
――――――
【名前】
キョウヤ・クロカワネ
【ジョブ】
無し
【LV...01】
【HP...98\98】
【MP...10\10】
【力......23】
【防御...12】
【魔力...05】
【賢さ...10】
【速さ...15】
【幸運...01】
【属性】
『光...LV1』『火...LV1』
【耐性】
無し
【技&魔法】
『超アナライザー』『超マジックボックス』
『採取LV1』『発掘LV1』
【武器スキル】
『剣LV1』『杖LV4』
【戦闘スキル】
無し
【自動スキル】
『カウンターLV2』『シールド防御LV1』『トラップサーチLV1』
『魔法無力化LV1』
―――――――――――
「うう。何度見ても低いステータスだな...」
ゲーディス学園というゲーム、
主人公の専用スキル以外のステータススキルはスタート時に
ランダムで設定される仕組みだ。
このステータス数値と習得しているスキルを見るに、そのランダム
結果の残念さが思いっきり反映されてるよね。
まぁ、冒険者に必須なステータスである『力』と『HP』は何とか
及第点なんだが、しかし他の必須ステータスの『MP』『魔力』『幸運』が
全部、平均以下だ。
特に『運』の数値っ!
この低さはなんなのさぁぁっ!
引くってレベルじゃない数値なんですけどぉぉぉぉ――っ!?
「なんだよ、1って!」
「なんだよ、1ってぇ!!」
「なんだよぉぉ、1ってぇぇぇっ!!」
あまりに腹が立ったので、三回も言いましたっ!!
それに武器スキルゥゥゥッ!
「魔法使いに理想なステータスでもないのに、何で『杖LV』が高いんだよ!」
俺は『魔力』数値をジト目で見ながら、眉をピクピクさせる。
そしてこれが一番ショックなのだが...まさか冒険者に必須である魔法と
戦闘スキル...そして耐性を何ひとつ覚えていないとは...
「いくらなんでも、これはヒド過ぎだろうがいぃぃぃぃいぃっ!!
俺って、一応この世界の主人公だぞぉぉぉぉおぉぉぉ―――――っ!!!」
ハァ...ハァ...ハァ......
こ、これって...死亡フラグじゃないよね......?
めっちゃ、嫌な予感しかしないんだけど...
「やれやれ...前途多難だな...ハァ、リセットしてやり直したい......」
だがここはリアル世界、それは勿論できはしない。
「残念至極だ。まぁいいさ...」
取り敢えず、『力』はそんなに低くないし、スキルの方も主人公専用の
スキルである、敵と味方のステータスをチェックできる『超アナライザー』。
アイテムを劣化させずに収納できる『超マジックボックス』。
そして良い素材をゲットする為には必須のスキル...種類を見分ける『採取』と、
埋まっている鉱石等を発見する事が出来る『発掘』。
更に自動スキルの四つは、冒険者を目指す身としては、全部良いスキル
だったんだしな。
後は何も覚えていない戦闘スキルの方を、授業や実戦でなんとか頑張って
習得し...冒険者には必須のステータス数値である...特に『幸運』を軸に
じっくり上げていこうか。
キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン♪
「おっと、いっけねぇ!もう入学式が始まっちゃう時間か!」
もしここで遅刻でもしようものなら、イベント関係が崩れてしまい、
俺の運命が一大事になる可能性があるやも!
「い、急いで学園に入らなきゃ~~っ!」
俺は鐘の音を聞き、ゲーム内の主人公が入学式に遅刻していない事を
ふと思い出し、それでイベント関係が崩れてしまうんじゃと焦ると、
急ぎ慌てて学園へと猛ダッシュで駆けて行った。