表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/34

05・新入生の意気込み


ゲーディス学園が創立されて、今年で丁度100年目が経った


グラウス暦2030年の春。


今年もまた、自分のなりたい理想と希望のジョブを追い求めて、

ゲーディス学園へ新入生が入学してくる。


その心には大きな不安と緊張、そしてそれと同じくらいの大きな

期待と興奮。


そんな様々なる声を響かせながら、沢山の新入生が登校してくる。



「なぁ、お前ってさ、習得したいジョブはもう決めてあるのか?」


「いやまだ決めてない。そういうお前こそ、習得したいジョブを

決めているのか?」


「ふ。当たり前よ!どんな神託で結果が出ようとも、俺は剣を扱う

ジョブ...『剣士』の一卓のみだぜっ!」


「いや、剣を扱うジョブって『戦士』、『騎士』、『魔戦士』とか、

他にもいっぱいあったと思うぞ?だから、お前の言う、その一卓と

言うのは間違いだと思うんだが?」


「やれやれ...お前、ホント細かい事を気にするよな......」


「こ、細かいか......?」



「ねぇ、見てよ!これ...私の母が作ってくれたんだよ!いいでしょう♪」


「おお、カッコいいじゃん。確かあんたんとこの両親って、二人とも

『道具作成師』だったよね?じゃ、あんたも道具作成師になるの?」


「うう~ん、どうだろ?もしかしたら他にやりたいジョブが見つかるかも

しれないから、今は道具作成師は保留かな?」



「うおおお!待っていろよ、ゲーディス学園!俺は『格闘家』になって、

格闘スキルの全てを完全にマスターしてやるからなぁぁぁぁっ!」


「うわ...暑苦しい...あっち行け、しっし!」


「ちょっ!?幼馴染だからとはいえ、今の発言は涙ものだぞぉぉぉっ!」


「はいはい。泣いてもいいから、ちゃっちゃと学園に行くぞ、ウスノロ!」



「見ていて下さい、父さん、母さん。きっとこの学園で『商人』のジョブを

開花させ、良い暮らしをさせてあげるからね!」



「うふふ。私はこの学園で、きっと『歌い手』のジョブをマスターしてみせる!

そして、習得した歌い手のスキルで世界のみんなを幸せにするんだから!」


「ほう、歌い手か...。だったら、あたいは『踊り子』のジョブであんたの

相棒になってあげるよ!」


「本当!ありがとう!えへへ...流石は持つべき私の幼馴染だよぉ♪」



「見ててくれよ!俺、一生懸命がんばって『魔法使い』のジョブをゲットし、

キミとの暮らしを楽にしてやるからね!」


「ふふ、良い気合いだね。とっても嬉しいよ♪それじゃ、わたしは

『神官』になって、回復魔法や異常回復魔法であなたのそのサポートを

してあげるわね♪」



「俺ってさ、動きがめっちゃ素早いじゃん。だからこれを生かすには

『忍者』の道しかないと思うんだよねぇ!」


「はあ?確か忍者って、上位クラスのジョブだったよね?あんた程度の

実力じゃ、どう逆立ちしても、どう転んでも、絶っ対に無理だと思うよ。

変な高望みはしないで、ここは素直に『盗賊』で我慢しておきなさい!」


「ええぇ、嫌だよ!盗賊って、いかにも悪役って感じじゃんっ!」


「こらこら、そんな事を言わない!『盗賊』だって立派なジョブで、

それを目指している人だって沢山いるんだぞ!」


「お前だって、我慢しとけとか言っていたじゃん......」



色々な種族の新入生達が、学園生活での目標...決意の声を高らかに

飛び交わせながら、次々とゲーディス学園の門を潜り、内へと入って行く。




「...............」


そんな新入生達の歩く通学路のど真ん中にて、ひとりのとある新入生が

目の前に見えるゲーディス学園を感動なる表情で見ていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ