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75.フラグ回収

 ほらーだから言ったじゃん、フラグ立てるのヤメテって! アリア嬢責任取ってよー!



 王は最後の悪足搔きとばかりに、とんでもないことをしでかした。


「私のスキルは“勇者召喚”、“生贄”そして――『モンスター召喚』だっ!! アハハハハ、私の命を“生贄”にモンスターファームを召喚する! いでよモンスターっ、全てを滅茶苦茶にしてしまえっ!!」

「なんてことをっ! よせっテオドール!」

「さらばだ、兄上……」


 焦った声を上げたヴィンセントが止める間もなく、王は自分の命を自分のスキルで生贄に捧げてモンスター召喚のスキルを使ってしまった。爆弾ぶん投げて自滅したエカテリーナといい、あの娘にしてこの親ありの暴挙である。


「みなっぼさっとするな、隊列を組め! 命を犠牲にした召喚術だ、どんな強力なモンスターが現れるか分からないぞっ!」


 あまりの出来事にあっけにとられる人々を叱咤し、ルーファスが叫ぶ。その言葉で正気に戻った人々は、急いで迎撃態勢を整える。


「ひえーマズイです、何が召喚されるのか分かったもんじゃないです! 親衛隊っ、ルー様をしっかり御守りするのですよ!」

「はっ!」


 アリアも親衛隊に指示を出す。

 俺たちの周りを10人以上の魔族の女性たちが取り囲み、ガードの体制に入る。



 突然王が倒れた場所に暗黒の穴が開いた。王は穴に飲み込まれていく。


「あぁ親父……」

「ヴィンセント伯父さん、危ないっ、早くこっちへ」

「テオドールっ!」


 ヴィンセントが叫び手を伸ばそうとするが、王の身体は暗黒の穴に飲み込まれてしまった。

 王の身体を飲み込んだ穴どんどん大きくなっていく。

 そして現れたのは――。


『ブヒッ!』


 暗黒の穴から現れたのはオークだった。


「えっ? オークじゃん」

「オーク? 命をかけて召喚したのがオーク?」


 皆不思議がっている。

 オークはわらわらと大量に出てきた。オークなんてDランクハンター程度の力しかないが、流石にこれだけ溢れてこられると困ったものである。

 しかし所詮はオーク、いくら数が多くても脅威にはなりえない。


 オークたちは口々にブヒブヒと言い合っている。

 翻訳の指輪をつけた俺には、オーク共の言っている言葉が理解できた。


『ナンだココハ、オレタチをヨブこえガシテ、アナがアイタカらキテミタラ』

『コウゲキさレてル、ツヨイ』

『オレタチデはタチウちデキないゾ』

『タイへんダ、コウテイヘイカにキテイタダカナけれバ』


 え? コウテイヘイカって皇帝陛下ってこと?

 オークの最上位種はオークキングのはずなのに、皇帝陛下なるオークがくるというのか? え? 不味くない!?


「ルーファスさん、大変です! あいつらオークの皇帝を呼ぶとか何とか言ってます」

「レイ、オークの言葉が分かるのか?」

「翻訳の指輪って、マジックアイテム使ってます」

「なるほど、それで分かるんだね。でもオークの皇帝? そんなものいるのか、聞いたことが無いけれど……」


 しかしいつの間にか隣にいたギブリン大臣が、顔を真っ青にして震えながらこう言った。


「国王陛下っ何と恐ろしいことを! 300年前勇者であり聖女でもあらせられたタカコ様によって鎮められたオークカイザーの巣に繋がるゲートを開くなどと……あぁ、もうこの国はお終いだ」


 大臣よ、凄く説明ちっくなセリフをありがとう。

 どうやらとんでもなくヤバイモンスターの巣に繋がるゲートが開かれてしまったらしい。


 そうこうしている間に、暗黒の穴から、明らかに格の違うオークが現れた。

 サイズや全体的な見た目は以前見たオークキングと同じだが、発せられるオーラがオークキングのそれとは明らかに違った。あれがオークカイザーなのだろう。


「なっ、なんだあのオークは!?」

「ぐっ、力が段違いだ! オークキングの非ではないぞっ」


 何人かが果敢にオークカイザーに向かって行ったが、紙くずでも千切るかのようにポイッと惨殺されてしまった。


『ブヒーッ!!』


 オークカイザーは大きく雄たけびを上げる。

 その威圧感に、皆足がすくみ手出しができない。


「何という威圧感だ、凄まじいプレッシャーだ……」

「我々を威嚇しているのかっ」


 しかし翻訳の指輪をつけた俺だけには、オークカイザーが何を言っているのか分かったので寧ろ脱力感に襲われた。


 オークカイザーは思いっきり『イイ女はいねーか―っ!!』っと叫んだだけだったのだ。

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オークカイザーとかオークは次回無残な最期となります。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 無残な最期…つまりメス堕ちですね?
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