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24.スキル”男殺し”

 俺は安堵のあまりその場にへたり込んだ。

 助かった――これでR18展開は回避されたし、男バレして嬲り殺しにもされなくて済む。


 その時、洞窟の奥から別のオークの一団がやってくるのが見えた。


「別のオーク……所詮はここで俺の虜になっている奴らと同類。フッ恐るるに足らずよ!」


 そう思い、俺はそいつらにもニッコリとほほ笑みスキル“魅了”を使った。

 しかし――そいつらは激昂した様子で、俺の方に向かってくる。既に俺の虜になっている連中をぶっ叩きながら。


「なんだ? 脳内アナウンスさんが仕事してない! スキルが効いてないっ!」


 スキルを使ったのに、脳内アナウンスが流れない。

 どういうことだと慌てて俺は、オークキングの陰に隠れる。

 俺に向かってくるオークの一団。特に先頭の奴は体格が大きめで、首飾りとかの装飾品を沢山身にまとっている。格が高いオークなのだろうか?


「オークキングさん、レイラを助けて!」


 そう命じるがオークキングは戸惑ったように動きが鈍い。

 オークキングは向かってきたそのオシャレオークに対して、何やら弁解の言葉を述べ始めた。


『オッオマエ、コレはゴカいダ』

『ウルサい、コのバカテイシュ。マタ、ニンゲンのオンなツレコンダノか』

『チッチガウ、こ、コレハ、ホカノオークたチガ……』

『ダマレ!!』


 そう言ってオシャレオークは、オークキングをタコ殴りにし始めた。


 そうか、そう言うことか。俺のスキルは“男にしか効かない”。このオシャレオークや、その一団はメスなんだ! 脳内アナウンスさんが仕事しないんじゃなくて、そもそも俺のスキルが効かない相手だったのか! 

 確かによくよく見れば、オシャレオークは何か胸があるように見えるし、スキルが効かなかったオークたちはオシャレオークほどではないにせよネックレス的なアクセサリーを身に着けている。


 オシャレオークはオークキングをタコ殴りにすると、今度はその矛先を俺に向けてきた。


『コのドロぼウネコ! ウちノ、テイしュにイロメツカイやガッテ! ヤツざキにシテクれル』


 ヤバイ! 完全にぶち切れている。このままじゃ本当に八つ裂きにされちまう。

 仕方ない、可哀想な気もするが背に腹は代えられない!


「み、皆ぁ! 私を助けてっ、この怖いメスオークたちを――皆殺しにして!!」


 誘惑にかかりっぱなしのオスオークたちに、メスオークの惨殺を命じた。それしか方法がなかった。

 しかし――。


『オッオレ、ソレは……』

『ムリダ、でキナイ』

『オレも、デキナイ』


 オークたちは抵抗し、メスオーク殺害を拒んだ。

 スキル“誘惑”では彼らの意識の方が強くて、同族殺しをさせるだけの強制力を持たないようだ。


 くそっ、このままじゃ俺が殺されちまう! スキル“誘惑”で操り切れないとしたら……。

 オーク相手に嫌だが、背に腹は代えられない。


「オークキングさん、貴方は私のものよ――スキル“男殺し”発動」


 俺はすんげーいやだったが、オークキングの腕に自分の唇を押し付けた。

 直後、脳内アナウンスが響く。


『オークキングにスキル”男殺し”が70%発動しました』


 少しは抵抗されたようで、100%のかかり具合ではない。しかし十分だ。


「よし! これでお前は私の“恋奴隷”! さあオークキング――全員皆殺しにせよっ!!」


 その声と同時に、オークキングによる虐殺が始まった。

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