チートスキル(1)
ジリリリリリリリリ!
「ふわぁ~」
目覚ましの音で起きた俺は、大きなあくびをしてベットに座っている。
「起きましたか?リュート。」
「はい、お母様。」
俺はリュート・アギルダム、12歳だ。国立魔法剣術学院に通っている。
「さあ、早く朝ごはんを食べましょう。」
この人は俺の母、シーナ・アギルダム。昔は亡き父と一緒に英雄として讃えられていたそうだ。
父の名前はメッサ・アギルダム。6年前にモンスター討伐で仲間を守り、腹を貫かれてしまったらしい。
俺の夢はそのモンスター、魔王獣を討伐することだ。魔王獣とは、父が討伐した魔王の部下の魔獣が恨みを持って暴走し、一つに集まったモンスターだ。
かなりの強さで、しっかりと鍛えられた兵士1万人が束でかかっても負けてしまう。だから俺は、もっともっと強くならなければいけないんだ!
しかし、2年前にとんでもないことが起きた。
この世界の人々は10歳になるとスキルというものがもらえる。
これは最大三つまでで、もらえるスキルが人それぞれ違うのだが、俺のスキルは「魔法創作」というものだった。
魔法創作というスキルは、想像した魔法をすぐに作れるという能力だ。本来、魔法を作る時は何年、何十年とかけて一つ作れるもの。
それが20秒位で作れるのだ。俺は心の中で思った。
「これって、これって、チートスキルじゃねーかー!」