自称この世界の神様の手下になりました
注意:二人とも口が悪いです。
「アリシア!お前には俺とヒロインが結ばれるための手伝いをしてもらう!!」
私の部屋に突然現れた自称この世界の「神」はそんなことを言ってきた―
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私の目の前に座る芸術品みたいな美少年は、この世界の神様らしい。らしいというのは私が彼の言った事を完全には信じていないからだ。
目の前の男が「まだ信じていないのか」とか何とか言ってきたが無視する。先程のやり取りで9割ぐらい信じたが、素直に認めるのは癪なのでこのままでいく。
「それで、さっき言ってたことは本当なの?このままだと私は破滅するって」
「ああ。今までのパターンから行くとそうなるだろうな」
どうやらこの世界は5回も同じ時を繰り返しているらしい。
なぜそんなに繰り返しているのかやった張本人に聞いたら「暇だった」からと返してきた。
そんな理由で何回も巻き戻すなんて何考えてんだ?この神。やっぱり馬鹿なんじゃないか?
そして繰り返す中で、ヒロインは5回とも違う人物と結ばれて、私がそれを5回とも邪魔するらしい。
…どういうことだ?
しかもヒロインが結ばれる相手はどれもこの国でも高位の存在ばかりなのだ。なんでそうなるのか一応彼に聞いてみたが、さぁ?と言われた。
「でも、見てる分には面白かったな。毎回違って飽きないし」
…こいつ。
さらに彼曰くヒロインが結ばれた相手によって私が断罪される内容も変わっていたらしい。
「一番ひどかったのは処刑だったな~。確か相手がこの国の王子の時だったか?その次は国外追放だった気がする」
嘘でしょ?ってか笑って言わないでくれる!?
でもどの時も私が断罪される結末は変わらないらしい…
私はその事実に青くなる。
「そういうこと。だから素直に俺とヒロインの手伝いをしろよ。そうすれば、その代わりにお前が破滅しない様手伝ってやるよ」
「…助けてはくれないのね、神様なのに。そもそもあなたが神だというのなら自分でやればいいんじゃないの?私なんか頼らずに」
そう言ったら鼻で笑われた。…むかつく。
「わかってないな、お前。そんなことしたら面白くないじゃないか。俺は傍観して楽しみたいの。」
「傍観って…。あなたは何もしないの?ただ見てるだけ?」
「そりゃあ、お前が破滅しない様少しは手を貸してやるが、基本俺は何もしないつもりだ。めんどくさいし」
こいつ最低だ!人を働かせるくせに自分は動かないなんて!
「じゃあヒロインとはどうやって結ばれるつもりなの?」
「まずお前が自分の婚約者を捕まえつつ、他の奴らをヒロインに近づけないようにするんだよ。そうしてヒロインの周りが居なくなったところで俺があいつに近づくつもりだ」
なんてテキトーな計画!
「そもそも婚約者の目がヒロインにいかないようにするのも大変そうなのに、どうやって他の人達を近づけないようにするのよ」
「知らない。それはお前が考えろよ」
なんなのこいつ!めちゃくちゃむかつくんですけど!!神様じゃなかったらはっ倒してる所よ!
「でも何で私なの?何で私を選んだの?」
「それはお前が、おも……かわいそうだと思ってな」
…今面白そうと言おうとしたわね。
キッと睨んだら顔をそらされた。
「まあ、そういう訳だから頑張ってくれよ?俺とお前の未来が掛かってるんだからな」
こいつがここまで言うのだから、何もしなければ今回もきっと私は破滅するのだろう…。正直納得できないが、こうなったらやるしかない。
「…わかったわよ。やってやるわよ!」
「そう来なくっちゃな!」
そうと決まればこれからの作戦を考えなければ。
そう言えば…
「神様はどうしてヒロインと結ばれたいの?」
「ん?別に、ただ面白そうだから」
……。
「……好きだからではなく?」
「ああ。強いて言えば、今までどんな風に男を落としてきたのかその手腕を俺自身で体験してみたいからかな」
…こいつやっぱりクズだ。
こうして自称この世界の神様と私の無茶な計画が始まったのだが、それはまた別のお話。
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「ねえ、そもそもヒロインって誰?名前?」
「ヒイロ・ロスティン。いちいち名前言うのめんどくさいだろ?だから略してヒロイン」
「………そう」
こんな感じの連載したいなぁと思ってます。




