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一体いつから――なろうにテンプレ作品しかないと錯覚していた?

 さて前回は僕の底辺時代の作品を紹介したわけですが、今回は次の作品に行く前に小説家になろうというサイトにおける評価、ブックマークの重要性について書きたいと思います。


 まずなろうにはブックマークというものが存在しますね。これは読者の方が作品のしおりがわりに使うものですが、これを付けると作品に2ポイントが付きます。2ポイント、これは底辺作家にとってはとても大きいポイントです。ちょくちょくブックマーク数を見たりして、「あれ、増えた! やった」「へ、減った。終わりだ……」みたいな某卍解死神主人公的な感じで一喜一憂するわけです。


 次に評価ポイントについて。これは一人当たり文章とストーリーにそれぞれ5ポイントずつつけられる評価方法です。つまり一人当たりマックス評価なら10ポイント、ブックマークと合わせれば12ポイントにもなるわけです。


 仮にこんなポイントが底辺作品についたりなんかしたらとんでもないことですよ。2ポイントで一喜一憂してるのに12ポイントて! 卒倒してもおかしくない。


 まぁしかし現実は厳しく中々評価ポイントというものは付きません。おそらくこれは読者の方それぞれによって3種類に分かれるからでしょう。例えばここで10万字の物語があるとします。

 ある読者の方は序盤を読んで、これは期待できそうだ、と12ポイントをくれた。つまり期待という名の投資です。これは神読者ですね。


 2人目の方は面白いけど、完結してからじゃないと評価はつけられないな、とブックマークだけする方。僕の予想ではなろうではこちらの方の方が多いんじゃないかな、と。作品に真摯に向き合ってくれている読者の方ですね。


 まぁ実際1番多いのは評価とかブックマークとかめんどくさいからブラウザのブックマークで見てるわという方ですかね。これに関してはなろうの制度自体の問題もあります。なろうに登録してからじゃないとブックマーク機能とか評価とかは出来ませんからね。まぁめんどくさいから登録はしないという気持ちもわかります。


 さてこの中で1番読んでいる小説が続く可能性があるのはどの場合でしょうか。これは問答無用で最初の読者のような方がたくさんいた場合です。

 理由としては至極当然ですが、ポイントがたくさんもらえた方が嬉しいからです。ここでおそらく、「いや小説って自分の書きたいもん書くためにやってんじゃねーの? ポイント関係なくね」と思う方もいるでしょう。


 これに関しては作者も2種類に分かれると思います。

 まず最初のタイプは、「ポイント? 知らんな……黙って俺の小説についてこい」タイプ。つまり流行りだのなんだのに左右される気は毛頭なく、自分の書きたいものを書き、それに読者が付いてくるならよし、ついてこなくても良し、という小説です。格好いいですね、おそらくこういった作品はハマれば流行を作り、爆発的な人気を博すと思います。なんかこう書くと戦国武将並みにムキムキの作者が作品を書いているようなイメージが湧きますがそんな事は無いでしょう。


 そしてもう一つは「ふぇぇ、なんでもいいから僕の小説読んでくれよぉ。あとポイントおくれよぉ、100円あげるからぁ」タイプ。つまり自分の書きたいものは書くけれど人気は欲しい。だからポイントが欲しいってわけです。この手のタイプは更に細分化されると思います。つまり「ポイントがとにかく欲しい」A君タイプと、「自分の書きたい作品にポイントがついて欲しい」B君タイプ。


 どちらも承認欲求からくるものだとは思いますが、おそらくこの2人ではA君の方が人気が出ます、まず間違いなく。


 A君は自分の小説が人気になって欲しいというよりは、人気が出る小説が書きたいというわけです。そうなってくると、勉強熱心なA君はなろうのランキングを研究して、流行を掴み、テンプレートな作品を作り、人気を掴んだのでした。


 テンプレやなろう節の作品についてはまた別の回の時に書こうと思いますが、一見この作業、簡単に見えませんか?


「流行りの設定を使ってストーリーはテンプレを使えばいいんでしょう? 楽では?」と。ところがどっこいこれが難しい。


 さてここでB君登場です。彼もA君と同じく流行を研究しました。そしていざテンプレートな展開を書こうとします。しかしここでB君はこう思うのです。


「うーん、流石にこの展開はないだろう。ここは俺的展開に変えて……これでよし! まぁこの程度のアレンジはあってもいいでしょう」


 こうしてB君は、流行のテンプレートから少し離れて、自分の好みを加えてみました。そんな感じの事をちょくちょくやっていると、何故かB君の作品は人気が出ませんでした。


「ば、馬鹿な……テンプレ使ったのに」


 彼はそう思うでしょう。しかし彼が使ったのはテンプレではないのです。「テンプラ」です。天ぷらなのです。天ぷらとは、テンプレのように見えて少しズレている作品のことです。彼はテンプレのいらないと思っていた部分を変えていくうちに天ぷらにしてしまったのです。


 さてこの話を聞いてどう思いますか? 

「そんなんじゃテンプレな作品ばっかになるじゃねーか!」と思う人もいるのでは? なるほど確かに。しかしここでの問題はそこではないのです。


 B君の一番の問題は、「何が読者の心を掴んでいたのかを把握していなかったこと」なのです。


 つまり、彼が改悪したテンプレ部分は読者にとっては面白いと思っていた部分であり、B君はその感性とズレていたから人気が出ないのです。問題なのはテンプレ云々ではなくB君の分析力ですね。

 しかしB君がもし分析力があり、天ぷらではなくアレンジしたテンプレを書けるならば、それはA君よりも人気の出る作品を生む可能性もあるでしょう。


 ここまで言うと、A君のやり方が難しいことがわかるのではないでしょうか。特に作家の方ならば。自分の感性を殺してテンプレを書くというのはかなり難しい。どこかで自分の色を出してしまいたくなりますからね。流行を極限に取り入れていくというのも才能の一つです。


 さて、長々と話しましたが結局ここまでくると、「うるせえ! 俺はもうテンプレは見飽きた! もっと斬新な小説が読みてえ!」という方も多いのでは。


 そこでポイントは重要だぞ、という話に戻ってくるわけです。テンプレでない作品には必然的に評価がつきにくく、それ故にランキングにものりません。なので見つけるのは困難でしょう。


 だからこそ、新着小説などで面白いと思った小説を見つけたら、すぐポイントを入れてあげるべきなのです。そうすればその作者も「ポイントが入った……まだ終わりじゃねぇ! 卍・解!」って事で小説を続けてくれるでしょう。


 なろうは商業ではないので、作者のモチベーションだけで成り立っています。よっぽどメンタルが強い作者でない限り、ポイントが入らないとエタってしまいます。ちなみに「エタる」とはエターナル、永遠、つまり永遠に完結しない、断筆する的な事です。


 エタって欲しくない作品を見つけたらすぐになろうに登録し、ポイントを入れるのです。今回はそんなお話でした。


 あ、僕はテンプレ、もしくは天ぷら作品を書くタイプなので人気が出ると勿論嬉しいですよ。


「てめぇ流行ばっかり書いて恥ずかしくねえのか!?」


「うるせぇ! 心は底辺に置いてきた! 卍・解!」


 というわけで次回に続く。(おそらく)


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