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恐るべしおばけの世界、発展計画

ひろしとひろことおばけの物語  作者 けばお


 これは、ある中学校の男子生徒「ひろし」と女子生徒「ひろこ」が夏休みに体験したおばけとの奇妙な物語である。

*少々文章が読みにくいかもしれませんが、随時改良していくので、ご了承下さい。


 第2話のあらすじ

 おばけのヅルキヌによっておばけの世界に誘拐されてしまったひろしとひろこ。2人は、困惑したままおばけの王様、ピヒチキが住むお城に連れていかれた。そこで2人はおばけの世界が人間界を模倣して作られ、さらに、おばけの特殊能力や時間が存在しないなどの全貌を知ることとなった。そして、勝手に2人は恐るべしおばけの王様、ピヒチキの考えるおばけの世界、発展計画に手伝わさせられることになった。早く人間界に戻りたい2人であったが、渋々おばけのヅルキヌの家に住むことになったのであった・・・・・・・


 第3話 恐るべしおばけの世界、発展計画


 ひろしとひろこはヅルキヌの家の中に入った。家の中も人間の家となんとなく似ていた。人間の家の中まで知っているということは人間の家に入ったことがあるということなのだろうか。恐るべしおばけである。

「今日から君たちはこの家で暮らしてもらうよ。おばけの暮らしは人間とほとんど同じだからすぐに慣れると思うよ。ご飯は僕のお母さんのディルタが作ってくれるから安心して。もちろんご飯も人間とほとんど同じだよ。」とヅルキヌは言った。

「えー、いつまでここで暮らさないとダメなんだよー。ご飯もずっとここで食べないといけないなんて食欲がわかないよ。」とひろしは返答した。

「まー、とにかく我慢してここに一緒に住んでくれ。そうしないとピヒチキが僕に何をするか分からないし。」とヅルキヌは言った。

「ピヒチキはそんなにこわいやつなのか。嫌なら従わなかったらいいんじゃないの?」とひろしは言った。

「そんなこと絶対にできない。このおばけの世界はピヒチキの計画によって作られている。言ってしまえば神様のようなものなんだ。だから、従わないと何をしたらいいか分からず、おばけの世界で孤立してしまうことになるんだ。君たちもおばけの世界にいる間はピヒチキの言う通りにしないと生きていけないよ。人間界に生きて帰りたかったらそうするしかないんだ。」とヅルキヌは言った。ヅルキヌはひろしとひろこをおばけの世界に留まりさせるためにうまく言い返せたなと心の中で思った。

「そうなのか。それなら仕方ない。君たちの言う通りにするよ。」とひろしは諦めるように言った。ひろこも同感であると頷いた。2人はまだ中学生であり、またおばけのような怖い存在にここまで言われるとおばけの言う通りにせざるを得なかった。

「ありがとう、分かってくれて。それじゃあ、すまないんだけどこれからのもっと詳しいことを僕の部屋で話すことにするから着いてきてくれ。」とヅルキヌは言った。

そう言われると2人は渋々とヅルキヌの後ろをついて行った。


ヅルキヌは自分の部屋に入ると、今までずっと話したかったかのようにすぐに話し始めた。

「まず、ピヒチキの計画についてすごく気になっていると思うんだけど、そこから話すね。」

ヅルキヌはそう言うとピヒチキについて話し始めた。

「実はピヒチキはこのおばけの世界に生まれてきた初めてのおばけなんだ。つまり、ピヒチキは生まれてきた時、周りには誰も存在しておらず、ただ真っ暗な空間が広がっているだけだったんだ。だから、どうしていいか分からず、孤独でずっと不安だった。でも、ある日、ピヒチキはその真っ暗な空間の中に白く光る丸い穴のような形をした光を見つけた。その光を調べてみると、それは人間界に通じる光であることが分かったんだ。そして、ピヒチキは実際に人間界に行ってみることにした。するとそこには活きはつらつと元気活発に生きている人間が大勢いた。その人間界を見た瞬間、ピヒチキはこの人間界を模倣しておばけの世界を発展させようという計画を思いついたんだ。」

「それで今おばけの世界は人間界に存在するもので溢れているんだね。」

と二人は答えた。

「そうなんだ。今はまだ人間界から持ち込まれたものしか使われていないんだけど、その内ピヒチキは自ら考えたものでおばけの世界を発展させたいとよく話しているんだ。」

「じゃあ、まだそんなに計画は進んでいないんだね。それは良かった。何かとんでもない邪悪な計画があったらどうしようかと思ったよ。」

「今はまだ聞いてないね。だから、安心して。」

それが分かると、二人はリラックスした様子でヅルキヌの部屋で休み始めた。


「ところで、さっきピヒチキの話は聞いたんだけど、他のおばけ達はどうやって生まれてきたの?」と2人は疑問に思い、聞いてみた。

「他のおばけは、ピヒチキと同じようにおばけの世界に自然発生する形で生まれてきたんだよ。だから、僕らが生まれてきたとき、ずっと孤独だったピヒチキは嬉しくてたくさん一緒に遊んでもらったよ。特に、僕はその中でも一番最初に生まれてきたから、今でも家来のように信頼されているよ。」

「なるほどね。それでさっきピヒチキに呼ばれていたんだね。」

「そうだよ。だから、少しでも命令に背くとおばけの世界が崩壊してしまう可能性があるんだ。」

「それは怖いね。気をつけないとね。」

「ところで、今日はもう疲れているみたいだから、もう寝たらどう?」

とヅルキヌは心配したように2人に聞いた。

「そうだね。そうさせてもらうよ。」

と2人は安堵した様子で眠りにつくことにした。


しばらくして、深い眠りによって疲れが取れたひろしは、人間の手によって軽く叩かれて起こされた。

最初は、ひろこかと思い、ゆっくりと目を開けて、隣を確認してみると、ひろこはまだ寝ていた。

それに驚いたひろしは目を見開き、周りを見渡すと、目の前には自分とそっくりの人間がそこに立っていた。

ひろしは、言葉も出ず意識を失ってしまった。

その様子に気付き目が覚めたひろこは、ひろしと同じ人間が目の前に立っているのに気付いた。

「どういうこと?!なぜひろしが2人もいるの?」

「目が覚めたかい?突然驚かせてごめんね。少し度が過ぎていたかもしれないね。これは、おばけ達の間で流行っている遊びで、人間界にいる人間に化けるというおばけの特殊能力なんだ。ひろしは、気を失ってしまったみたいだけどしばらくしたら回復すると思うから安心して。」

とヅルキヌは答えた。そして、元の姿に戻った。

「なんだ。ヅルキヌだったの。わたしももう少しで気を失うところだったわ。」

「ごめんね。まさかそこまで驚くと思わなかったよ。ところで、さっきピヒチキからもう人間界に戻っても大丈夫という命令を受けたから、ひろしが回復したら人間界に帰してあげるからね。」


しばらくして、ひろしが回復すると、ヅルキヌは2人に話した。

「2人とももう人間界に戻れるよ。だから2人とも僕と手を繋いで。」

そう言われるがままに、ヅルキヌと手を繋いだ2人は、一瞬のうちにもとの人間界に戻っていた。そこは、ヅルキヌに連れ去られたひろしのおじいちゃんのお墓の前だった。そして、わずかに2人の目にはおばけの世界に帰っていく微笑しているヅルキヌが見えたが、一瞬のうちに消えてしまった。

「私たちさっきまでおばけの世界にいたよね?」とひろこは聞いた。

「うん。多分いたと思う。でも、時間の感覚的には行ってないような気がする。不思議な体験だったね。少し怖かったけど。」ひろしは答えた。

「わたしは大分怖かった。もう二度と行きたくないくらい。」

そう話すと、2人は自分の家にすぐさまに帰って行った。



 おばけの世界の整理

 ・おばけも家族という概念を持ち、生殖方法としては、好意を持った雄と雌のおばけが一緒にいるだけで、新たなおばけが生まれる。

 ・おばけも人間と十分に会話できるくらいの言語や知識などを持っている。

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