表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

テンプレ! +α(アフロ)してみたよ!

 俺は勇者、普通の高校生だったけど、通学途中に魔法陣みたいなのに乗っかったらいきなり中世風のお城に居た。何を言ってるのか分からないと思うが、こんなの当事者の俺もなんだかわからん。


「おお、まさか本当に勇者が現れるとは! 儂はこの国の国王である、少し話を聞いてくれんか?」


 なんだか恰幅の良いオッサンが話しかけてくるが、俺は今それどころじゃなかった。混乱してるのかって? 勿論混乱してる、だって……


「~~~ッッッ!! プッ……クックックッ……」


「むぅ、流石にいきなりの話で混乱してるのやも知れぬが、一先ず落ち着いてほしい」


 落ち着けるか! 偉そうな人の前だから笑いを堪えるので精いっぱいなんだよ……なんで……なんで王様だけじゃなくて広間に居る人達全員……


「な……なん……プッ……クゥゥ……なんで全員でかいアフロなんだよぉぉぉぉ!!」


 一番でかいのは王様で直径1メートルくらいある真っ赤なアフロだ! しかもその上にちょこんと王冠が乗ってるのがマジウケる! 広間に並んでる鎧着た人達なんて色とりどりのアフロだ! イケメンも、マッチョも、頭良さそうなのも全員でかいアフロだ!


 如何にも貴族と言った服を着た人もアフロだ、メイドさんすら小さいが(それでも地球基準だとデカいが)アフロだ、リボンが付いていてちょっと可愛い。そしてちょっと頭が重い気がして触ったら俺もアフロだった。しかも虹色に光ってた。


 どうも魔王とやらを倒さないと地球に帰れないらしいので魔王を倒す旅に出た。同行者は3人。魔法使い風優男の緑アフロと、イケメンマッチョ騎士青アフロ、そしてこの国のお姫様、金髪ショートボブヘア、ちょっとクセッ毛が超絶可愛い女の子だった。


 安心した、この世界全員がアフロなわけじゃなかったんだな。お姫様は性格も良いし旅の間、積極的に話しかけたら段々笑顔で話せるようになってくれた。こんな虹色アフロの俺に普通に接してくれるなんてこの子は天使だ。


 なんか緑アフロと青アフロが、ほっこりした感じで俺たちを眺めてるがどうしたんだろうか? まぁ可愛い子に頼られて嬉しいから頑張ったよ。


 そしてやっとの思いで到達した魔王城。城に入ると俺たちは一直線に魔王の間へと向かう、そして行く手を阻む魔王軍四天王。


「待っていたぞ、これ以上進ませるわけにはいかん。この魔王軍四天王の一人紫アフロがな!」


「紫アフロ! やっと決着を付ける時が来たな」


 紫アフロは炎と氷を操る結構なイケメンだった。旅の途中何度も俺たちを危機に陥れた魔王軍きっての謀将で青アフロの家族はこの男に奪われたのだ。


「勇者様、この男とは一対一でケリを付けます、どうか先に行ってください!」


 青アフロが紫アフロに斬りかかると同時に俺たちは紫アフロの背後の扉を突破した。死ぬなよ青アフロ!


 背後で響く剣戟の音を尻目に進む。そうして次の四天王の間に辿り着く。


「ふん、紫アフロめ、勇者を通すとは所詮四天王最弱か」


 そこで待っていたのは、身長5メートルはある巨人だった、この巨人アフロによる被害者は数知れず町や村ごと壊滅したのも片手では足りない。


「勇者よ、今は時間が惜しい。巨人アフロは私が抑えるから先に進むのだ」


 緑アフロは杖から光のワイヤーを無数に放ち巨人を拘束する。


「むっ! 猪口才な人間めこの程度で……ぐっ!」


「千切れまい、その光のワイヤーは貴様に殺された人々の髪を寄り合わせたものを媒体にしているのだ」


「気をつけろよ緑アフロ」


「きっと魔王は倒して見せますわ」


 巨人アフロを緑アフロに任せ俺たちはさらに進む。途中の四天王の間は無人だった、嫌な予感がするがここまで来て退けない、さらに進むと魔王の間へ到達した。


 そこにいたのは……真っ黒な超巨大アフロの魔王と、羊とアルパカだった。


「なっ羊にアルパカですって、全身に魔力が満ちた超生物を支配下にするなんて……それにあの漆黒の髪は禁呪に手を染めた証ですわ」


 なんだか良く分からんが羊とアルパカは物凄く強いようだ、そして魔王の強さはアフロのデカさでなんとなく分かった。だって10メートル以上あるんだもの。


 戦いは熾烈を極めた、俺の虹色アフロから放たれる光は魔王のアフロを段々と縮小させていき、余波で羊とアルパカは逃げた、だってあいつら部屋の隅で干し草食ってるだけなんだもの。


「ぬぉぉぉぉ! こんな、こんな筈では……」


「今ですわ、今こそ奪われた私の魔力で……」


 姫が何やら呪文を唱えると魔王のアフロは失われ……そこには無毛のオッサンがいるだけだった。そうして魔王との長く苦しい戦いは終わった。



   ~~~~~



 魔王を倒した功績で俺は姫と結婚することになった。元の世界に未練が無いわけでもないがこの世界で色々大事なものが出来たのだ、例えば姫様とかな。


 そして結婚式当日、色々準備とかで会っていなかった姫は……デカい金髪アフロだった。



読んでくれてありがとうアフロ

ちょっと掲示板の雑談からネタを拾っただけなんですアフロ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 羊とアルパカ、他にも色々と「こう来たか」と唸らされる物がありました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ