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私の父の言葉で納得したのか、迫力が怖かったのか、あの子達の親も呼び出された。

場所は職員室から変わらない。

何事が起きたのか、ごく一部の生徒達が覗き見するが、手の空いている先生達が追い出していく。

双方の言い分を説明したが、女子生徒達は集団だからか、強気でまくし立てる。

その親達も娘達の話を信じ、謝罪要求や聞くに堪えないことも言ってくる。

私の親はそれを黙って聞いている。

「逢坂さん、悪いことをしたら謝りましょう。」

担任はやさしく、諭すように言うが眼は睨んでいた。

校長や教頭は傍観を決め込んで、黙って成り行きを見ている。

「ゆみこ、お前は悪いことをしたのい?」

そんな中、父親が口を開く。

父親のその言葉を聞き、担任、女子生徒の親達の怒鳴り声が響く。

「私は嘘を言っていない。」

親達からは証拠がないと、こっちは娘達が殴られ泣いているんだと、ここまでされているのに娘達が嘘を言っていると言うのかと怒鳴る。

証拠・・・そうだ!ボイスレコーダー!

何かのためにと、用意していたじゃないか。

「あのね。これ。」

私は自分の父親に差し出す。

「これは?どうしたんだい?」

「フォルダに入ってる。一つしか録音されてないの。」

父親はボイスレコーダーをいじり、音量を大きくして再生する。

あの時のことが再現された。

再生が終わっても、誰も口を開かない。

「これは証拠になるのでは?これを聞く限りでは、娘は謝る必要がないかと思いますが、いかがでしょう?先程、聞くに堪えない言葉はそっくりあなた方に返ると思いますが、どう思われますか?」

誰しも口ごもる中、担任が口を開く。

「でも、この子達は殴られて泣かされたんですよ。逢坂さんはやりすぎではないでしょうか?」

「やりすぎ?一人の対し大勢で寄ってたかって暴力をふるってきたんですよ?ヤメロとの警告もしました。それでも止めず身の危険を感じ、自身で対処したまでです。たまたま、この子が身を守るすべがあったからよかったが・・・それとも、だまって集団に暴行されろと言うんですか?先生は正当防衛って言葉をご存知でしょうか?納得できなければ警察にお願いしましょう。」

父親は担任にそう言い、最後はみんなを見て言う。

「警察までは・・・みなさん穏便にですね、落ち着きましょう。」

教頭が汗を拭きつつ言う。

「何故です?担任の先生は納得されてませんよ。しかも、先生は、私どもになんと言いましたか?『子供さんに何が悪いのかちゃんと理解させ、反省をするよう親御さんからも言ってっください。もちろん、私ども教師も今後この様なことがおこらないよう指導していくつもりですが、ご家庭でのありかたもご家族と話し合ってもらえますでしょうか?』とおっしゃいましたね。その前にも謝れと。それも、ここ職員室でさらし者みたいにして。で、私どもには言えたのに、こちらの親御さん達には言いましたか?指導される先生として、『悪いことをしたら謝りましょう。』を実践してもらいたいものですね。」


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