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第4話 2人の気持ち

恋の神の忠告を守らず、和也とケンカしてしまった愛華。

そこに和也がやってきて…


第4話です。最後まで読んでもらえると嬉しいです。

 「愛華、ありがとう」


 和也が来てから約20分。ようやく和也は落ち着いたのか、そう言った。


「どういたしまして」


 私は笑顔で答えた。そしたら、和也も笑ってくれた。『私たち、元に戻れる』と心から思う。だけど…私には和也に聞かなければならないことがある。


「和也、落ち着いた? さっきのこと説明してくれる?」

「うん…。俺、相談に乗ってたんだ。その人が結構、苦しんでてさ…だから最初は相談に乗ってあげる。ただ、それだけだった。けど…」

「けど?」

「相談に乗るにつれて、どんどん距離を近づけてきたんだ。予想以上に相談が長くなった。俺は、そろそろ愛華が来る時だと思った。でも、俺は相談の途中で断ることができなかった。そして、ちょうど愛華が来た時に…」


 そこまで言って、和也は下を向いてしまった。もしかしたら、また泣いているのかもしれない。


「和也…わかった。浮気、してないよね?」

「浮気なんてしないよ! 俺には愛華以外、考えられない!」


 和也は、いつも私に嬉しい言葉をたくさん掛けてくれる。何度も思うけど、和也は…ずるい。その言葉を聞いて、私は思わず泣いてしまった。


「愛華! どうしたの? 俺、また何か悪いことした?」

「ううん。和也は悪いことしてないよ」

「じゃあ何で泣いてるの?」

「和也は優しすぎだな~ってね」

「え?」


 和也は訳がわからず困惑していた。『もう少し私のことを考えてよ』って言おうと思ったけど、今は和也がいるだけでいいや。私は和也と反対の方を向いた。


「愛華」

「何?」


 私は名前を呼ばれて、振り返った。


「えっ?」


 和也の唇が私の唇に優しく触れる。私は予想していなかったので、すごくビックリした。


「機嫌、直った?」


 和也が笑いながら、そう言う。


「もう、和也ってば。機嫌が直るどころじゃないよ。ありがとう」

「よかった。やっと心から笑ってくれた」


 あっ…こんな状態なのに和也は私のことを気にしてくれてたんだ。私は急に恥ずかしくなった。私、バカだな~


「愛華? どうかした?」

「な…何でもないよ!」


 ダメだ…ドキドキしちゃって和也を見ることができない…


「まあ愛華が元気になってくれたなら、いいけどさ」

「和也、ありがとね」

「じゃあ、そろそろ帰るか」

「うん!」


 気がつけばいつの間にか空の色が青から夕焼けに変わっていた。













 家に帰ってきた私は、食事などを済まして、自分の部屋に向かった。そして、今日の出来事を振り返っていた。今日は、いろんなことがあったな…久しぶりの学校で楽しかったのに放課後は本当に辛かった。でも…仲直りできて良かった。


『仲直りできて良かったですね。私も予想外でした』


 私に話しかけないはずの恋の神が話しかけてきた。


「恋の神さん、あなたの予言は確かに当たりました。でも…恋ってそれだけじゃ成功しないと思いますよ?」


 私は、ちょっと勝った気分になっていた。


『そうですね…あなたの言う通りです。私もまだまだ未熟でした。予言が当たって、あなた方の関係は崩れると私は勝手に思ってました。ですが…あなた方は強かった』


 私は今日、1つ決めていたことがある。


「恋の神さん、ちゃんと私と和也を成功に導いてくださいね」

『えっ?』


 珍しく恋の神が驚いたような声を出した。私は思わず笑ってしまった。


「だから、成功に導いてくださいねって」

『それは…もしかして私を信じてくれたということですか?』

「信じるも何も…確かに予言は当たってますからね。それに…この前みたいに交通事故とかあったら困りますし。あっ…そうそう、これから私のことは『愛華』って呼んで。ちゃんと名前があるんだから。和也のこともだよ?」

『愛華さん…わかりました。まだまだ未熟かもしれませんが、全力でサポートさせていただきます』


 その言葉を聞いた私は疲れていたせいか、いつの間にか寝てしまっていた。


『愛華、明日は学校に来ない方がいい』


 和也からこんなメールが来てることに気づくことは、なかった…。












 翌朝、私は恋の神の声に起こされた。


『愛華さん! 大変です!』

「朝っぱらから、何かあったの?」

『今日は早く学校に行ってください! それじゃないと和也さんが…』

「和也に何かあったの!?」

『愛華さんも危ない目に会うかもしれません。とにかくなるべく早く学校へ!』

「わ…わかった!」


 私は、すぐに準備をして学校へと向かう。恋の神は『ごめんなさい。私がもう少し早く気づいていれば…』と何度も言った。学校に着いた私は和也のクラスへ。学校には、まだかなり登校時間が早いために誰もいなかった。教室のドアの前に立つと中から叫び声がした。私は意を決して教室に入った。そこで私が見たのは…


「和也!」


 私の想像を絶する光景だった…。

読んでくださってありがとうございます!

第5話は、今のところシリアスな展開にしようかなって思ってます。

頑張って書きますので、よろしくお願いします!

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