第3話 思い出
第3話が完成しました。昨日からの勢いで書きました!
最後まで読んでもらえると嬉しいです!
逃げ出した私は屋上にいた。逃げ出した時から涙が止まらなっかった。まさか、和也が…私は受け入れることなんてできるわけがなかった。
「和也…」
私は、どうすることもできず、ただ泣き続けた。
『だから迎えに行っては、いけないと言ったでしょ』
どこからか見覚えのある声がする。
「…………」
私は無視しようと思った。こんな時に恋の神に構っている暇なんてない。
『信じるか信じないかは確かにあなたの勝手です。でも、これでわかったでしょう』
「私に話しかけないでよ!」
『……わかりました』
恋の神がやってきてから私と和也に嫌なことばかり起きている。何が恋を成功させる神だって? 失敗に導くばかりじゃない!
「もう…どうでもいいや…」
そんなことを考えながら、私は和也と出会った頃のことを思い出していた。和也と初めて出会ったのは3年前のクリスマス。中学3年の時だった。その日はクリスマスパーティーをやることになっていた。クリスマスパーティーでは自己紹介をすることになっていて…
『俺は竹中和也。初めての人もいると思うけど、和也って呼んでくれ』
先に自己紹介をしたのは和也で、その次が私だった。
『私は倉持愛華です。初めての人が多くて緊張しています。今日はよろしくお願いします』
今になって思うけど…ずいぶんと堅い自己紹介だなあ…
『愛華、和也くんのこと気になってるの?』
私は奈央のこの言葉で急にドキドキした。
『ち…違うよ! そんなことないってば!』
『ふ~ん、愛華の顔、真っ赤だけどな~』
後から聞いた話だと、かなり赤くなっていたらしい…恥ずかしいな~
『何か面白そうだね。何してるの?』
騒ぎを聞いたのか和也がやってきた。
『噂をすれば和也くんだね。じゃあ2人でごゆっくり~』
奈央は、そう言って由美の方へ行ってしまった。
『『…………』』
残された私と和也は緊張で何を話していいのかわからず、お互い黙ってしまった。
『『あの!』』
お互い話しかけようとした時、声が重なった。何か面白くて私は笑ってしまった。和也も笑っていた。まあ、結果的にそのことが私と和也が打ち解けるきっかけになった。そしてクリスマスパーティーもそろそろ終わりという頃…
『倉持さん、携帯番号とメルアド教えてくれない?』
『いいですよ』
確か…私は緊張しちゃって、携帯を落とした気がする。それで和也に笑われて…
『やっぱり倉持さんは面白いな。何か俺、素で話せる相手かも』
和也は、こんなに嬉しい言葉を言ってくれた。その日のクリスマスパーティーは、これで終わり。その後は何度か連絡を取り合ったけど、会うことは無かった。それから約4ヶ月後、私は高校で和也と同じクラスになった。『最近、連絡取ってなかったし、きっと覚えてくれてない』と思いながら私は教室へと向かった。その途中で…
『倉持さん!』
私は後ろを振り返った。そこには和也がいた。
『か…和也くん』
久しぶりに会ったせいか、かなり緊張した。
『倉持さんって確か、俺と同じクラスだよね? すごく嬉しいな~』
やっぱり和也は私にこんなにも嬉しい言葉を言ってくれていた。それから私と和也は、よく話すようになった。そして高校入学から約3ヶ月、私は和也から1通のメールを受け取った。
『明日の放課後、話があるんだけど…時間ある?』
翌日、私が放課後、教室に残っていると和也がやってきた。
『俺さ…ずっと倉持さんのことが好きだったんだ』
突然、そう言われた私は緊張から何も言えなかった。まさか和也から告白されるなんて…
『俺と…付き合ってください』
『…はい。喜んで』
私は嬉しさから泣いていたかもしれない。
和也と出会ってから告白されるまで、全てを振り返った私は、ますます涙が止まらなくなった。何でこんなことになっちゃったんだろう…私は今日という日を悔やんでも悔やみきれなかった。その時、
「愛華!」
私はすぐに振り返った。そこには息を切らしながら私の名前を叫んだ、和也がいた。
「和也…」
和也は息が切れているのにこっちに走ってやってきた。そして私に抱きついた。
「ちょっと、和也!」
私は驚きから、そう言ってしまった。でも内心、嬉しかった。和也が帰ってきてくれたんだって。
「愛華…ごめん。ほんとごめん。ごめん…」
和也は泣きながら私に何度も『ごめん』と繰り返していた。私は、そっと和也の頭を撫でていた。
「和也…来てくれてありがとね。後で落ち着いたらでいいから、ちゃんと説明して」
「愛華…」
私の目からは、いつの間にか涙は消えていた。
読んでくださってありがとうございます!
愛華と和也は、仲直りできるんでしょうか…?
第4話以降も頑張りますので、よろしくお願いします!