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番外編⑤ バレンタイン~愛華編~

和也編に続き、愛華編です。

セリフなどがかぶってるところもありますが、違う目線で見ているので、そこを楽しんでもらえたらなと思ってます。

 2月14日…女の子が男の子にチョコをあげる日。通称、バレンタインデー。


「あーあ、何でバレンタインなんてあるのかな…?」


 バレンタイン前日、私は奈央と由美とチョコを作っていた。


「奈央、手を動かさないとチョコ固まるよ?」


 私がそう言うと奈央は慌てて手を動かす。


「だいたい、愛華や由美はいいのよ。彼氏がいるんだから。私にどうしろって…」


 奈央は、ずっとバレンタインの否定をする。そんなに嫌なら作らなければいいのに…


「奈央は好きな人とかいないの?」


 そんな奈央に対して、由美が聞く。確かに私も気になってたんだよね。


「べ…別にいないけど?」


 強がって奈央は言ったが…完全に声が裏返ってるし、あの反応はいるな。


「じゃあさ、明日、チョコ渡して告っちゃいなよ」

「ええ!?」

「私も賛成」


 珍しく奈央が追いつめられている。


「ほら、私のことはいいから。手を動かさないとチョコ固まるよ?」


 奈央は恥ずかしいのか話を変えた。そんな話をしながら、2時間かけて私たちはチョコを完成させた。












 バレンタインデー当日。私は和也に先に行くと言っておいた。なぜなら…和也が他の女の子からチョコを貰っている姿を見たくなかったから。


「愛華、大丈夫だよ」


 そんな私を気にしたのか、奈央が声をかけてくれた。


「うん…ありがとう」


 1日中すごく不安だった。休み時間とかに和也と話したけど、チョコを貰っている感じではなかった。学校は授業が終わり、放課後になった。今日は私が和也を迎えに行く約束をしている。


「大丈夫。きっと和也は大丈夫」


 私は自分にそう言い聞かせながら、和也のいる教室に入った。


「和也、帰ろー」


 私が教室に入ると和也は何やら友達と話していた。その様子を見てホッとする。そして私は和也と学校を出た。











 帰り道、私は、いつも以上に緊張していた。いつ、あげようかと考えてばかりで、そのことを隠そうと自分でもビックリするくらいずっと話していた。


「和也、聞いてる?」


 和也は、さっきから私の話を聞いているんだかわからない反応をする。いつもと違う気がした。そして、それは自分も同じだ。


「聞いてるよ」


 和也は、そう言ったけど…私は、どんどん不安になった。そして、あっという間に家の前に着いてしまった。


「和也」

「ん? 何?」


 私は気持ちを決めて、カバンから小さな小包を取り出す。


「はい。これ」

「これは…?」

「今日はバレンタインデーでしょ?」

「愛華…ありがとう!」


 チョコをあげると和也は、すごく喜んでくれた。よかった。


「そういえば何で先に行くって言ったの?」


 喜んだのもつかの間、和也から一番されたくない質問をされる。


「えっ? あーえと…内緒」


 ここで和也に他の女の子からチョコを貰っている姿を見たくなかったから、とは言えない。


「内緒? もしかして他にあげる人とかいたの?」


 私が本当の理由を隠したため、状況は悪化。和也は顔には出てないけど、きっと怒ってるんだろうな…


「そんなわけないでしょ。私は和也にしかあげないって決めてるもん」


 『本当の事は言えないんだ。和也、ゴメン』私は心の中で、そう言った。


「よかった~」


 和也は、そう言って笑顔で私を見る。和也の笑顔があまりにも眩しくて、すごく恥ずかしくなった。


「じゃあ、また明日ね。明日は迎えに来て」


 私は、まだ和也と一緒にいたいと言う気持ちと恥ずかしくて早く帰りたいという矛盾した気持ちになっていた。


「おう。チョコ、ありがとな」


 笑顔で和也が言う。うわ…やっぱりダメだ。恥ずかしい…。私は和也に『バイバイ』と言って、家に入った。


「ただいまー」


 私は、すぐに自分の部屋へと向かう。部屋に入った私はベッドに横になって、今日のことを考えていた。無事チョコを渡せたし、和也もあんなに喜んでくれて…本当によかった。


『愛華さん、どうでした?』


 思い出している私に恋の神が話しかける。


「無事、渡せました」

『和也さんの反応は?』

「すごく喜んでくれました」

『それは良かったですね。愛華さん、頑張ってましたもんね』

「はい!」


 私は恋の神に今日のことを話し、疲れていたので寝ようと思った。その時、携帯が鳴った。誰かからメールだ。メールは和也からだ。


『愛華、今日は本当にありがとな。

俺、めちゃくちゃ嬉しかった。チョコ美味しかったよ。

じゃあまた明日』


 わざわざメールを送ってくれるなんて…和也ったら…


『和也さんからですか?』

「はい」

『愛華さん、幸せそうですね』

「今日は最高の1日です」


 和也にメールを返して、私はゆっくり目を閉じる。『和也、ありがとう』そう心の中で呟き、私のバレンタインデーは終わった。

読んでくださってありがとうございます!


本当は恋の神編も書く予定だったんですが…今日中には完成しなさそうなので、今回はカットさせてもらおうかと…恋の神さん、ごめんなさい!


また番外編、書きますので、よろしくお願いします!

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