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1.金平糖
「幽霊が居そうな館、殺人が起きそうな館、綺麗な館、どれがいい?」
「そんな二択、綺麗な館ですよ。幽霊は何処にでも居ますから」
「面白くな〜い」
「なんかないの〜」と放つ彼女に、私は連絡魔の話をする。彼女は恋愛の話が大好物だから今回のも「へぇ、そうなの」と好評だ。
「連絡魔……君は放っておくと二週間も三週間も連絡しないからね」
飲んでいるコップを私の頭の上に置きたそうな恋人と目が合う。全くもってその通りだ。私が悪い。
「いつも感謝してるよ〜」と声を伸ばせば、「はいはい」と返ってくる。
カウンターの方にいる彼に目をやり、「あ、案外上手くいってないんですか」と藤沢さんに心配される。
「節穴ね〜楽斗くん」
「節穴です」
ああ、甘いものを期待されても困ると、手前にあった金平糖を口に運んだ。
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