第七話 友人(雫視点)
「じゃあさようなら。また明日」
藤堂先生がそう言ってホームルームを終える。
今日はこれで終わりだ。
明日から本格的な授業である。
「河村さん?」
「はい。なんですか?」
「えっと。さっきも自己紹介したけど出雲薫だよ。よろしくね」
「よろしくお願いします。出雲さん。私は河村雫です。気軽に雫と呼んでください」
「よろしくね。なら私のことも薫と呼んでね」
声を掛けてきたのは隣りに座る出雲薫だった。
自己紹介のとき私と同じくらい噂されていた子だ。
「突然だけど、雫ちゃんのお母さんって河村雪さんかな?」
「えっ、そうだけど何で知ってるの?」
「やっぱりね。えーと驚かないで聞いてほしいんだけど私のお母さんの名前は出雲澪って言うんだけどね。私のお母さんは元モデルで今は芸能事務所の社長をしているんだけど、そこで働いている副社長が元モデルであなたのお母さんの河村雪さんというわけなの。だからそこ繋がりで聞いていて名前を聞いてもしかしたらで聞いたの。」
「えっ、そうなの」
驚いた。
私のお母さんは元モデルで今は芸能事務所で働いているのは知っていたが、まさかその会社の社長の娘に出会うとは。
聞けば薫ちゃんのお母さんの出雲澪さんと私のお母さんの河村雪は昔、小松澪と長岡雪としてモデルをしていたらしく、同じ事務所で年齢も同じで仲が良かったそう。そこでモデルを引退するときに一緒に事務所を作って働いているらしい。
「話には聞いていたけど、雫ちゃんってキレイだね。身長は私と同じくらいだけど、顔はとても整ってキレイだし目は少し茶色みがかった黒でキレイ。髪も黒でキレイだし、スラリとした体型でも起伏はあるし・・・うん要するにすんごいキレイだよ」
「あっ、ありがとう」
なぜかすごく褒められた。
確かに同世代の女子よりルックスは母親譲りでキレイかなと思うけど、ここまでキレイと褒められたことはなかった。
「後もう一つ聞いて良い?」
「いいよ」
「多分周りに聞かれてほしくない内容だから耳貸して」
「わかった」
そうやって薫ちゃんに耳を近づける。
するととんでもない一言が飛んできた。
「雫ちゃんて奏汰君の幼馴染でしょ?」
「え?」
何で薫ちゃんがこのことを知っているのか。
母親繋がりで聞いた?
いやそんな事にはならないはずだ。
とりあえずさっき奏汰君と話したことがあったので奏汰君にも言っていいか話さないと。
「ちょっとまってて」
「うん」
そう言って奏汰君のもとによる。
どうやら奏汰君も何かあったのかよってきたので話をする。
「あのさ。隣の小野に幼馴染じゃないかって言われたけど言っていいかな?」
奏汰君がそう言ったので
「私も隣の出雲ちゃんにそう言われた。」
と返す。
「マジか。どうする?」
「うーん。言っても良いんじゃないかな?別にバラそうとかという感じには見えないし」
と自分の考えを伝える。
「オッケー」
そう言って奏汰君は小野君のもとに戻っていったので、私も薫ちゃんのもとに戻る。
「おまたせ。そうだよ。でも何でわかったの。薫ちゃんのお母さんから聞いたの?」
「いいや。これは自分で考えた。なんか雫ちゃんと奏汰君って話してるときの雰囲気が似てたりするし、友達や親友以上に仲が良いみたいな感じだったからそうかなって」
「なるほどね」
「最後にもう一つだけ。これも耳貸して」
「うん」
「雫ちゃんは奏汰君のことが好きでしょ?」
「なっ。何でそれを薫ちゃんが知ってるの」
「やっぱりね。さっき言ったでしょ友達や親友以上に仲が良い感じだったからって。それに奏汰君と話しているときの顔がやけに幸せそうだもん」
「嘘。顔に出てる?」
「いや。奏汰君にはバレないと思うけど、ぐらいでかな。あっ私は奏汰君を取ったりはしないよ。私は遥斗君って幼馴染の彼氏がいるし」
「えっ、そうなんだ。ってそっちも幼馴染だったの」
「うんそうだよ。そういうところも含めて雫ちゃんのこと助けてあげるね〜」
「えっ、ありがとう。そうだこの事含め他の人には知られたくないから内緒でね」
「了解。絶対誰にも言わないよ」
良かった。そういうところは大丈夫だ。私が思ったとおり。
「薫帰ろ」
「うん。あ、雫ちゃん。帰るからまた明日ね」
「うん。また明日」
そういって薫ちゃんは小野君と教室を出ていった。
まさかお母さんの職場の人の子に会うなんて。
でもなんだかんだでいい友達になれそうだ。
薫ちゃんも帰ったので私も帰る準備をしていると、
「雫一緒に帰るか?」
と奏汰君が声を掛けてきた。
もちろん構わないので
「うん」
と返す。すると、
「オッケー。じゃあ行こうか」
そう返ってきたので無言で頷き二人で並んで家に向かって歩き始めた。
6話友人(奏汰支点)の雫視点を書いてみました。
少し内容が被るところもありますが楽しんでいただけたら良いです。
今後の展開もお楽しみに!




