表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代パチンコ奇譚 パチ屋の謎は、ニートの俺と異世界の魔女が解き明かす  作者: ムタムッタ
CASE.2 世界は回る、パチンコは回る、しかし当たりは回らない

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/63

Round 5 あなたも魔法を使わない?


 聞き取りだけで終わらせれば良かったのに、さらにそこから当たりを求めて追った結果、計2万円が財布から消えてしまった。グッバイ。


 今も目の前で高回転現象は起きているものの、魔力が漂っていると魔王が侵入を止めた。


「はぁ〜超高回転の謎はなんとなく知れたけど、ぶっちゃけこれ解けるのか?」

「今のとこは難しいね。取っ掛かりが少ないもん」

「打っていた客を追えば良いのではないか?」

「そっか、大事なこと忘れてた。今回は巻き込まれた人が明確にいたね」


 どっか抜けてんだよなぁ……ま、手がかりがないなら足で稼ぐしかないわな。


「よし、がんばってくれ」

「何を言っている。享楽も分担するのだぞ」

「えー、俺なんも能力ないし」

「労働を避けるためなら虫でも使うぞ我は。そら、3人立ったぞ」


 見れば、1人はらすべがすで電話をしていた青年だった。虚な目のまま離席し、店の外へ。他の2人の客は別の出口から消えて行った。


「んじゃ、俺あの人追うわ」

「合流は宿にしよう。忌々しくも夜の労働がある故な」

「その言い方いかがわしくない?」

「あんまりにも好評だから知られちゃったもんね、魔王様」

「我を褒めることは良いが、労働は悪! 今度のバイト代を軍資金に、パチンコで荒稼ぎして客として旅館に泊まってくれるわ!」


 …………多分無理なんじゃない?

 ツッコミは胸の中にしまって、退店した客をそれぞれで追うことに。単なる客だし、妙なことにならないとな思うけど。


 …………そういや魔力に侵されてるってなんだったんだろ?


「ぅ…………ぁ…………あぁ」


 てっきり車か原付で移動かと思ったが、まさかの徒歩。腕も振らない歩き方で、青年はひたすらに歩き続ける。


 …………近所なのかな?

 あ、やべ。ルナとミィ、スマホないから連絡できねーじゃーねーか。さっき同じこと考えてたのにやらかした。


「ぁ…………ぁあ」


 スマホ事情を公開していると、青年が足を止める。市内の緑地公園だった。遊具そこそこ、広い芝生もそこそこそして木々もそこそこ…………うん、特にパチンコとは関係ない。


「……負けたから腹いせに遊具で暴れるとか?」


 平日の昼間にやることではない。もっと言うと、平日の昼間にパチンコで負けた客を尾行するのも、普通やることではない。ニートの戯れと言えよう。


 公園の奥に進んでいくと、茂みの多いエリアに入り込んだ。木々で日差しが覆われて薄暗い中を、青年はよろよろと進んでいく。なんかヤバそうだなぁ。


 引き返そうか迷った瞬間、茂みの奥から誰かがぬるっと現れた。黒いローブで姿は見えないが、身長はルナと同じくらいの…………160センチくらいか?


「…………ご苦労様、はい回収」


 女の……ガキの声だ。青年の手を取ると、手と手が光り、女の方へ光が移動していく。なんか吸収してる…………?


 まずいな、これ俺だけじゃなんにもわからん。帰るか…………


「────隠れてないで出てきたら? バレてるわよ」


 ローブが陰になって見えないが、顔の向きがこちらに変わった。と同時に、光を吸収された青年は来た道を戻っていく。


「さすがにおかしいって思う人間もいるのね」

「そりゃあんだけの人数が虚無顔でパチンコしてれば変だろ」

「あたしがやらなくたってみんな最初から虚無顔してたわよ」


 それはきっと当たってなかったんだろうよ。

 ずいぶん明るい声だ。ハキハキしててルナやミィともタイプが違う。ゆっくりと近づいて来るローブ女は、まだ顔が見えない。


「あなたからあたしが仕込んだ魔力を感じるわね。あなたも打ったの?」

「お前がやったのかアレ…………」

「えぇ、()()()()()


 種明かしはナシか。ま、そんなかんたんにひけらかすほど馬鹿じゃねぇよな。

 

「…………なんともないの?」

「なんにも」

「ふぅ~ん………………」


 いきなり何を聞くのかと思えば、なにやら値踏みするように俺をじろじろ見てくる。数秒の後、女は頭に被っていたローブを外した。


「あなた面白いわね!」


 淡い赤色のショートカットにキラキラと輝く目が、薄暗い木々の中で光る。声色と同じ明るく自身に満ちた顔で、少女はこちらを見据えていた。


「どう、あなたも魔法を使ってみない?」


 唐突な誘いと、やはりというか『魔法』というワードが現れた。


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ