表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代パチンコ奇譚 パチ屋の謎は、ニートの俺と異世界の魔女が解き明かす  作者: ムタムッタ
CASE.1 お座り1発現象の謎を追え!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/63

Round 27 異世界パチンカスは他にいる


 時間は戻り、魔王ミルドレッド(めんどいから以下、ミィ)としぐれが和解した直後のこと。


 なんでも現在進行形で怪奇現象が発生しているという。

 

「ほ、他にもいるぅ?」

「さっき店長さん達と話してたんだけどね? オスイチ現象の前から色々起きてるんだって」

「謎の予感! 例えば例えば⁉︎」


 事件が解決してホッとしている俺たちと違って、ルナだけが元気であった。


「詳しくは聞いてないけど、異常にハマる台とか…………」

「それは遠隔じゃん」

「スルーしていい?」

「せめて相手して♡」


 ハリセン頂きました。というか、俺もさっき1000回転ハマったぞ。


「あんただけならたまにあるわよ。でも島ひとつ2000ハマりよ?」

「よく暴動起きなかったな……」

「それが1万円で2000回回ったらしいのよ」

「は?」


 単純計算1000円200回転なんですが…………???


「謎だね!」

「ミルド……えぇぃ、面倒だわ。魔王様は何か知らないの?」

「魔法の使い手がいる、ということは知っている。そこの魔女ではなく別のだがな。だが我が縄張りにしたことで鳴りを潜めたのだろうよ」

「まぁ……時の魔法に比べたらなぁ」


 スケールが小さくなったと言うか。ルナの目的も魔王討伐だったし。


「匂う、匂う魔力のニオイ! ぜひ協力させてよ!」

「我は協力など……」

「出禁」

「くっ……なんと卑劣な…………ッ」

「要するにパチンコ屋の悪質魔法使いをなんとかしろってことだろ?」

「犯人がホントに魔法使いならね」


 信じるほかない。だって目の前に魔女と魔王がいるのだから。

 

「他にも報告はあるのよ! 考えてみればウチでも変なことはまだ起きてたんだからっ!」

「なんで気づかねぇんだよ」

「だって変なお客さんなんて日常茶飯事じゃない?」


 店長がそれ言っちゃう?

 まぁ俺も暇だし付き合うか。面白そうだし。


「仕方ない……遊技の楽しみ方を教えてもらった恩もある。だがこちらも条件がある」

「なにかしら?」

「3食寝床付きの場所を提供してもらいたい」

「享楽、頼んだわよ」

「ウチかよ」

「魔王も引っ張るならバイト代出すわ」

「なんなりとお申し付けください、しぐれ様」

「返事はやっ」

「貴様に矜持はないのか……」

「ぬぁいっ!」


 矜持などパチ屋のトイレに流してしまえ。俺に必要なのは、1000ハマりした分の補填なのだ。


 そうして、次なる謎を解き明かすべく魔王を我が家に引き入れたのである。金と暇つぶしと刺激を求めた男の決意と言えよう。


「じゃあ早速バイト代ちょーだい♡」

「働け」


 魔王討伐で得たもの。

 1000ハマりの苦い経験と、魔王本人である。



 ◇ ◇ ◇



 そして今、夜に至る。ルナの部屋にもう1人、魔王ミィが加わった。

 空間が崩壊していく様を見せられても、正直現実味が無さすぎたな。目の前でオセロに興じる魔女と魔王がそれをしていたとは思えん。


「つーかルナはいいのか? ミィを倒すのが目的だったろ?」

「無理やり駆り出されただけだし別にいいや。もっと時空魔法教えてほしいし」

「飯の種をそう簡単に教えるものか。そら、チェックメイトだ」


 あら見事に真っ黒な盤面。

 不満そうに頬を膨らませるルナに、ミィは満足げに高笑いをキメた。


「ハッハッハッハッハ! 追放されたもの同士、日銭を稼ごうではないか」

「お前も呑気だなぁ」

「労働せずに遊技に興じるだけで生活できる素敵環境! 手放してなるものか!」


 それは今日たまたまツイてただけでは…………? さてはこいつ、まだパチンコで負けたことないな?


「まぁ故郷への復讐のため、魔力集めは貴様等に協力してやる。大人気なくこの世界を壊しかけてしまった詫びも兼ねてな!」


 無事にいられたからこそ分かったことがある。魔王こいつはヤベぇ。だが利用価値はある……なにより、時空魔法とやらがバレることはないのだ。


 つまり…………利用しない手はない。


「ねぇねぇ魔王様〜?」

「なんだ気持ちの悪い声で」

「次に打つ時にさぁ…………ん?」


 不意に、机に置いていた俺のスマホが震える。画面を見るな、と全身が警告しているものの、出ないとそれはそれで危険だと鐘を鳴らしてもいる。


 『三京しぐれ』である。


「…………もしもし?」

「言い忘れてたけど、ルナちゃんと魔王様の魔法でパチンコ打ったらシバくわよ?」

「ひょっとしてお前も魔法使い?」


 一方的に電話は切れて、ルナとミィがこちらを見ている。


「抜け駆けは無理だぞ」

「いや…………パチンコで魔法はダメだよ! 正々堂々ッバンザーイッ!!」

「しぐれには前もって言われてたからねぇ〜。享楽ならやりかねないって」

「信頼してくれてありがとよぉっ!」


 せっかく異世界パチンカスどもを利用しようと思ったのに、俺の野望は潰えたのである。


 まぁいいさ、オスイチ魔法がなくたって。俺は自力で魔王に一撃浴びせたんだからな。


「よしお前ら、明日からまた謎探しすっぞ!」

「おぉ〜!」

「任された」


 時は進む、いつも通りに。

 1人で暇だった時とは違い、異世界の者たちと共に。


「あ、枕投げするなよ。うるさいから」

「えぇ〜」

「宿の醍醐味を知らぬ愚か者か」

「異世界に枕投げあんのかよ…………⁉︎」


 ホントに大丈夫かねこいつら…………




 

 CASE.1 お座り1発(オスイチ)現象の謎を追え!


 Case Closed




 ◇ ◇ ◇


 次話final round、ここまでの締めとなります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ