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現代パチンコ奇譚 パチ屋の謎は、ニートの俺と異世界の魔女が解き明かす  作者: ムタムッタ
CASE.1 お座り1発現象の謎を追え!

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21/63

Round 21 確率変動・魔法解析・時空干渉


 加速した世界は割れて、元の流れの世界が訪れた。パチンコ屋特有の騒々しさが懐かしいくらい。


「コントロールから外れちゃったね。すごいよ享楽」

「俺、なんかやっちゃいました?」


 パチンコ打ってるだけで魔王の魔法を打ち砕いてしまった。これでいいのかファンタジー…………


「我が加速世界の領域を超えて当てる…………? バカな、そんなことありえるわけがない!」

「いや当たってるし」


 時に魔法を超える偶然もある。というか、オスイチが終わった時点で目の前のパチンコ台は『必ずオスイチが発生する台でオスイチした台』でしかない。


 再加速が出来るのなら、とっくにやっているであろう。


「魔法は便利なように見えても何かを操作するならイメージが大事なんだ。つまり魔王は……確変を引いたことがないっ!」

「ぐはぁっ⁉︎」


 3撃目、効果はばつぐんだ。

 

「おのれ凡人どもがこの我を愚弄しおって…………!」

「愚弄っつうか、隣で当てただけだし……あ」


 適当に魔王の相手をしていたら、いつのまにか確変は終わってしまった。いわゆる《《駆け抜け》》というやつである。当然出玉は増えない、パチンコとは優しさと厳しさを教えてくれる。


 ……厳しさは教えてくれなくてもいい。


「もう当たりなどどうでもいい! 元より裏切られて飛ばされた別世界、こんな世界など加速世界を暴走させて吹き飛ばしてくれるゥッ!!」

「なんだッ⁉︎」


 魔王の髪が逆立ち、目は赤く輝く。

 パチンコが、客が、世界が、魔王の叫びと共に止まっていく。いや、奴がまた加速しているのか…………⁉︎


 冗談じゃない、パチンコ打ってただけで世界崩壊かよ!!

 世界を置き去りに加速するパチンコ屋は、やがて店内を歪めていく。オスイチ魔法使いは、本当に魔王だったんだッ!


「────オスイチはあくまで日付を指定した加速魔法。その先にあるのは、異常加速させて空間を崩壊させる時空魔法だったわけだね!」


 歪なパチ屋の中でひとりだけ、知的好奇心を全開にして笑う魔女がいた。


「加速の魔法の真実、ここに見たり! 謎は解けたぁっ!!!」


 ルナが天井そらを見上げると、そこには光が一粒浮いていた。

 天井から一雫の光がこぼれた。歪曲した空間など関係なく、孤光の魔女のもとへ滴り落ちる。


「来た…………解き明かした謎の正体、魔力の塊!」

「それで何ができるんだよ」

「なんでも!」


 ルナが求めていた謎の正体が、ようやく姿を現した。

 が、世界の歪みが収まることはない。


「謎解いてもなんも解決してねぇじゃねぇか⁉」

「そりゃあねぇ。謎を解いただけで魔法を無力化したわけじゃないし」

「バッカ、お前…………どうすんだよ⁉ 俺達おしまいだぞ⁉」

「う~ん、まさか暴走させるとは思わなかったよねぇ~。ありゃ、さっきの1500発なくなっちゃった」

「なんで呑気なんだよ!」

「私も確変引きた~い」


 バキッ、と景色が割れているのに魔女様はまっっっっっったく動じていない。なにこれ、異世界ギャップ的な奴なのか⁉


「確変の引き方なら教えてやるからなんとかしろーっ!」

「しょうがないなぁ~。ホントは元の世界に帰るための魔力だけど、今回は特別だからね?」


 ルナが光の雫を握りしめると、簡単に砕け散る。四散した光は魔女の周りを漂いながら光を放つ。


「まぶしっ」

「じゃあ加速した分、戻ろうか享楽」

「…………は?」


 意識が追いつかない。

 笑顔で手を振るルナが遠のいていく。


 映像を巻き戻すようにすべての出来事が逆行していき…………気づいた時には――――――

 






「もうすぐ開店ね、頼んだわよ2人とも」


 開店前の『らすべがす』にいた。

 

 

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