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現代パチンコ奇譚 パチ屋の謎は、ニートの俺と異世界の魔女が解き明かす  作者: ムタムッタ
CASE.1 お座り1発現象の謎を追え!

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18/63

Round 18 ヒキ弱魔王、ご来店②


「我の見ていない世界だと? 笑わせる」

「ほんと、笑っちゃうけどねぇ」


 わざわざ異世界から現代までご苦労なこって…………ヒキ弱な魔王様に格の違いってのを見せねぇと。


「所詮は凡人、我の世界に追いつくことはできぬぅ!」


 10発も打たない内に玉が始動口へ吸い込まれていくと、「ポキューン」と我々が欲してやまない音が鳴る。よくあるパチンコのカスタマイズである。


 …………なんでオスイチするのにカスタムすんだよ。


「ハッハッハッハッハ! 見ろ、貴様より先に入ったぞ!」

「そりゃ入る時は入るだろ……」

「よぉし、私も入ったぁ!」


 問題は確変かどうかって話。

 遅れて俺も入賞。初っ端から画面は赤く染まり、ちょっと目に悪い。リーチは2。


 見慣れた演出が進み、サクッとストーリーに沿ったリーチへ発展していく。どう見積もっても当たる演出ではない。ないのだが…………


 大当たりの当否を左右する最終ボタン。

 平静なまま押してみれば手応えあり、盤面の役物が展開されド派手に輝いた。


 ……き、気持ちいぃ〜


 正直オスイチパラダイスな今を流すのはひっっっじょうにもったいない。脳汁の供給が足りる日が来るなど想像できようか。


「享楽?」

「おっと、確変確変……」


 偶数は出玉を吐き出してから確変かどうかわかるもんだ。サクッと1500発をもらっていこう。


「ハッハッハッハッハ、遅い遅い! 所詮凡人では我に追いつけぬぅ!」


 と言いつつ魔王は通常当たりだったようで、1回目のオスイチは幕を閉じた。


「あ、ハズレた」

「くそぉー! 55%で入るなんて嘘だ!」


 1/2なら何度でもハズすものである。

 出玉の収束を待ちつつ、次の台を先に読む。


「ではな凡人ども」

 

 先に回収を終えた魔王は席を立つ。周囲はまだ1秒も経っていないようだ。走り迫るパチンカスがまだ辿り着いていない。なんて素敵な空間だろう。


 まだ開店直後、ライト系へ行くとは考えにくい。島を出たなら別のミドル────スマパチだ!


 ────スマートパチンコ、略してスマパチ。

 ※上皿、下皿もなく遊技者が玉に一切触れることのないパチンコ。玉の雑音がない、ゴト対策などのメリットがある(今回はゴトじみた魔法が使われているが)。


 なにより、荒くて玉に期待できる。


「急げルナ、スマパチに走れ!」

「ちょちょ、待ってよぉ!」

 

 流れ的に同じタイトルの2代目か────台数も多いしなぁ!


 加速した世界でも走る速度は変わらない。パチ屋を全力疾走するなんて今後もないだろうな。


 大手パチンコ屋のスタッフたちは未だ台に座れていない。せっかくの作戦も魔法の前には魔力かよ!


 そしてスマパチコーナーへ回り込み、狙い台へ座してカード投入。獲得していた出玉を武器に第2戦。どうやら魔王様は俺たちより優雅に歩いていたようで、ようやくご到着だ。


「む。また貴様らか」

「お隣どうぞ〜?」

「凡人より遅かったな」

「くっ……まぁいい、我が世界に綻びなし。貴様の言う世界など周回遅れにしてやるわ!」


 さて……今日のスマパチの釘にそこまで言えるかな?


 あの『鬼釘店長』と呼ばれる(俺のみ呼称)しぐれが、他店の協力だけで終わらせてると思うなよ?



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