18.盗賊ポーカー
ゲームが開始と同時にタイマーが動き出し、プレイヤーの目の前にカードが五枚現れた。
慎太郎の手札は、スペードの2、ハートのA、ハートのJ、クローバーのJ、ダイヤのAだった。
「さぁ、ゲームを楽しんでくれたまえ。」
ピットがそう言った瞬間、ピットの体はいきなり現れた煙にまとわれ、煙が消えた頃にはピットの姿はなかった。
少しして、一人の男性が喋り出した。
「それじゃあ、自己紹介をしようか。僕の名前は天空寺 清隆だ。そして、僕の隣にいる女の子は、天空寺 舞だ。彼女は内気でね、あまり喋らないんだ。じゃあ次は、舞の隣の人、お願いね。」
舞の隣は慎太郎だったので、慎太郎は自己紹介をし、その隣にいた葵、次に隣にいた信長へと進み、そして、最後の女性へと進んだ。
「私の名前はエリナ、私は誰も信用しない。あなたたちがどんな人で、どんなにすごい功績を残していたとしても、私はあなたたちを信じない。」
慎太郎は、葵と信長に声を掛けて、三人でその場を離れた。
「どうしたんだ?小僧。突然外に出ろって。」
「ちょっと試したいことがあってな。」
「試したいことだと?」
「ああ、所有権を失ったカードは消えるのか、それともそのまま存在するのか。」
慎太郎はそう言いながら、スペードの2を床に置いて、その場から後ろに二歩下がった。
すると、慎太郎は新たに、スペードの3を手に入れた。
だが、床に置いたカードはそのまま残っていた。
「残った…のか?」
「いや、時間経過で消える可能性がある、ちょっと待ってみよう。
五分ほど経った頃、床に置いたカードは消えてしまった。
「だいたい五分程度で消えるのか、これは何かで使えるかもな。」
慎太郎は手札を見て、二人に聞いた。
「そういえば、お前たち、手札はなんだったんだ?」
最初に信長が答えた。
「スペードの9、ハートの3、クローバーの5、ダイヤの3、ダイヤの6だ。」
そして、次に葵が答えた。
「私のは、スペードの5、スペードの6、ハートの7、クローバーの8、クローバーのKだよ。」
そして最後に慎太郎が答えた。
少し考えた後、慎太郎が言った。
「信長のスペードの9と、葵のクローバーのKを交換してくれ。そうすれば葵のカードがストレートになる。ストレートなら、おそらくだが、負けることはないだろう。このゲームで大切なのは最初のうちに点をとっておくことだろう。」
「だから一番点がとりにくそうな葵に、最初に点を取らせるわけか。いいだろう。葵、ほら、カードだ。」
「…うん、ありがとう。…はいこれ。」
信長と葵は、カードの交換を行った。




