13.train train6
慎太郎は、殴られて気絶しているフレンを躊躇なく窓の外に放った。
だが、放ったはずのフレンが窓の外から中に入ってきた。
「なぁ、葵。」
「なに?」
「人を即死させる毒なんかって作れたりするのか?」
「え、即死?…いや、即死はないと思うよ。」
「なら、動けなるなるような毒とかないの?」
「…ボツリヌス毒素とか?重症だと呼吸困難で死にもするよ。」
「じゃあ、それをこの女の口から直接流し込んでくれ。」
葵は、フレンの口から毒素を流し込んだ。
「よし、いくか。」
慎太郎と葵が次の号車に進もうとしたとき、信長が言った。
「ちょっと待ってくれ。俺、まだ動けないんだが、こいつ本当に気絶しているのか?」
「…いや、気絶しているはずだぞ。なんなら死んでいてもおかしくない。」
「な、ならば、なぜ動けないのだ?」
「もしかして、おっさん、神経までやられちまったんじゃあねぇのか?」
そのとき、突然、空間が歪み出した。
気がつくと、味方全員と、気絶しているフレンと知らない女性が捕まっていた。
慎太郎が五右衛門になにが起こっていたのか聞くと、五右衛門が、「お前ら三人と、そこの女が倒れていてこの女が独り言をぶつぶつと喋っていたから捕らえたら、お前たちが起きたんだ。」と答えた。
「今、なにをしていたのかを聞いているんだ。」
すると、捕らえられている女が喋り出した。
「私の能力は、『別の世界を創り出し、そこに、五人まで魂を送り込み、その世界で12時間、現実世界で3時間が経つと、創り出した世界から二度と戻れなくなる』って能力なんだ。私はここで足止めを任されたのさ。」
そこで、慎太郎が聞いた。
「別世界からの脱出方法ってなんだったんだ?」
「…あっちの世界で死ぬことよ。」
「俺たちの死因ってわかるか?」
「毒による死でしょ?わかってやってたんじゃないの?」
そこで、葵が言った。
「私の能力のせいでみんな死んじゃったみたい。」
「じゃあ、おっさんが動けなくなったのって、」
「うん、たぶん私のせい。」
ため息を吐きながら、フレンと女を窓の外に放った。




