10.train train3
突然、土方が、内ポケットから銃を出した。
「なぁ、局長、俺が今から撃つ銃弾が、六発中全弾命中か、全弾外れるか、どっちに賭ける?」
「そうだなぁ、全弾命中に賭けよう。」
そう言い、近藤は、胸ポケットからコインを取り出し、上に弾いた。
「俺が与えられた能力は、『二つの選択肢のうち、片方に賭けてから、コイントスをして、表の場合、賭けた方に未来が動き、裏の場合、逆の方に未来が動く。』という能力だ。」
落ちてきたコインを近藤が手の裏でキャッチした。
近藤は、そのコインを見て土方に言った。
「トシ、表だ。」
土方は、それを聞き、銃を六発連続で発泡した。
一発目は、五右衛門の左腕に当たった。
それを見て、まずいと思った鼠小僧は、五右衛門を蹴り、座席の間に身を隠させた。
二、三発目は、鼠小僧の左肩と右腕に当たった。
鼠小僧は、「役者!」と、叫んだ。
その瞬間、鼠小僧の前に五右衛門に背格好がよく似ている人形が現れた。
四、五発目は人形で防ぐことはできたが、人形の隙間から、六発目が鼠小僧の腹部に命中した。
土方は、銃のリロードをしながら言った。
「片方は腹部に命中したから、放っておけば死ぬだろう。」
「ならば、トシ、あとはあの裏に隠れているやつを殺せば終わりだな。」
土方は、五右衛門が隠れている場所へと、ジリジリと向かった。
土方が五右衛門が隠れている座席の近くまで来たとき、座席の影から五右衛門が飛び出してきた。
「なに!?」
それに驚いた土方は、五右衛門を蹴り、近くの窓を破りながら窓の外に出した。
だが、五右衛門は、窓の枠を掴むことで、なんとか耐えた。
土方は、窓枠を掴んでいる五右衛門の手を蹴った。
「おら!さっさと落ちろ!時速150キロの地獄に!」
すると窓枠を掴んでいる五右衛門が言った。
「落ちるぅ?誰がぁ?」
そう言って覗かせた顔は五右衛門の顔ではなく、先程鼠小僧が出した人形だった。
「お…俺の能力は、『一度に一つ、近くのものとそっくりの人形を出し、操作できる。』能力だ。」
人形は、土方の足を掴み、窓の外へと引き摺り込もうとした。
「クソッ!人形のくせにッ!なんて力だッ!」
鼠小僧は、苦しみながら立ち上がった。
「…時速150キロの…地獄に落ちるのはお前だったようだなぁ…。」
「局長!この二人に!あんたが勝つか負けるか!どっちに賭ける!」
近藤は、それを聞き、コイントスをした。
「俺が勝つにィ!賭けるぞぉお!トシィィイ!」
コインをキャッチした近藤は、見ようか、見まいか迷っていた。もし、開けて裏だったらどうする?負けてしまうのか?と、考えていた。
そんな近藤を見て、鼠小僧は言った。
「…開けて確認してみな。その…中は、裏だからよ。」
「はぁ…はぁ…そんなわけ…ない。この中は、表だ!」
「その確証は…あるのかよ?…早く開けて…確かめてみろよ。」
近藤は、手を開けた。
「あっ!」
「裏…だったようだなぁ。…俺の言った通り。…あとは五右衛門…頼んだぞ。」
すると、天井に切れ目ができて、その中から五右衛門が出てきた。
「冥土の土産にこの五右衛門の能力を教えておいてやろう。俺の能力は、『触れたところの空間を切る。』能力らしい。俺も最初はわからなかったが、テレビなどで見る人間の胴体を切断するショーを仕掛けなしでできる的な感じだ。よくわからないだろうが、今からお前は、その身体に直々に受けるから安心しな。」
五右衛門は、近藤の右肩を殴った。
すると、近藤の右肩が外れ、その切断面は、人間の切断面ではなかった。
「どうやら血があんまり出ないようにそこら辺は考慮しているらしいぞ。」
その後、五右衛門は、近藤を何発か殴ったあと、窓から外に捨てた。




