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シマピシエルは長いから"僕ちゃん"って呼ぶことにする

この作品はプリンセスヒーローものです。


「この作品、好きだなあ」「気に入ったから応援したい!」「もっと読みたいから頑張れ!」とかちょっとでも好きだと思ったら、ブックマーク、いいね、評価、感想お願いします。


作者のモチベーションになります。

そら君の声に、一致団結した子供たちの声が聞こえてくる。


「ふうのお姉ちゃん逃げて!!あいつは俺たちがやっつけるから!!」


気持ちは嬉しいんだけど、やめた方がいいんじゃないだろうか?


そんな子供騙しが通用する相手だとは思えないし、シマエナガを躊躇なく丸呑みしようとする相手を刺激しない方がいい。


そしてそこに、ビームフリーズまで顔を出した。


「子供、下に向かって何をやっている?まさかサクリファイス様に向かって、無礼なことをしているんじゃないだろうな?」


ビームフリーズは窓から身を乗り出して、外にいるうか達に目を向けた。


当然サクリファイスの周りには丸めたプリントが散らばってある。


それを見た瞬間にビームフリーズは色々なことを察したのか、こめかみに青筋を立てた。


「女、子供…どこまで高貴なる終焉の惡魔をおちょくれば気が済む…?あろうことかサクリファイス様にまでふざけたことをするとは…ウォーカーごときが…ッ!!」


ビームフリーズ特有の、人の背筋を凍らせるような目は、静かに燃えていた。


それは例えるなら青い炎だ。

ちょっとしたきっかけがあれば、すぐさま爆発するような危うさを孕んでいる、そんな目だ。


にもかかわらず子供たちの中に無鉄砲な子がいて、ビームフリーズが青筋を立てているにも関わらず、うかのことを助けたい一心で「お姉ちゃんから離れろ!!」とプリントを投げるのをやめない子がいた。


「馬鹿野郎ッ!!サクリファイス様に当たったらどうするつもりだァァ!!この俺は決めたぞッ!!ウォーカー(人間)狩りで最下位だった奴は火炙りの罰ゲームという話だったが、その火炙りをウォーカー共にやってやるッ!!!!」


ビームフリーズがそう言うと次の瞬間、身の毛もよだつような叫び声が子供たちの方から聞こえてきた。




「「ぎゃああああああああああ!!!!!!!」」



その子供たちの叫び声は、聞いているだけで恐怖心を湧き上がらせる。


「ちょっとシマエナガ、そのピースウォーカーっていうのはどうすればなれるの?」


うかはパッと振り向いてシマエナガに言った。


「やっとピースウォーカーになろうとしてくれたか、うーかー!!あ、言うの忘れてたけど、ピースウォーカーになったら大事な記憶が一つ消えるからな。うーかーの場合だったら多分、家族の記憶が消えると思うぜ」


「それを早く言いなさいよ!!ピースウォーカーになるのは、うかなんだから、うか中心に物事を考えてよ。それよりどうしよう?ピースウォーカーになったら家族の記憶が消えるけれど、ピースウォーカーにならなければあの子たちが大変な目に遭う。うかの事を助けたせいで」


こんなの誰だって迷う。全くシマエナガ

は、もっと人のことを気遣えないものかね?



「姉ちゃん助けて!!!」


「ふう!!」


パッと振り返ってみると、サクリファイスに弟が襲われていた。


サクリファイスの悪意に満ちた手が、弟に伸びていたのだ。


「しょうがない!!もうそうするしかないわ!!みんなを救うためだもの!!」



うかは1日1回、折り紙で鶴を折るようにしている。


それは何を隠そう、家族の為だ。


うかは小さな頃から、いじめられている人をたくさん見てきた。


もしこの世界が今よりもっと平和になれば、この先うかの家族が嫌な目に遭うことも少なくなるんじゃないか?


そう思ってずっと鶴を折ってきた。


今だってほら、うかが自分で折った小さな鶴がポッケの中に入っている。


シマエナガがうかの元にやってきたのは、きっと家にある千羽鶴が実を結んだからなんだ。


「シマエナガ!うか、ピースウォーカーになる!!」


「よっしゃ!!」


その瞬間、シマエナガは猛烈な勢いで羽根を動かしながら、うかに突進してきた。


「ちょっとちょっと、どうすればなれるのよ?なり方なんて知らないんだから詳しく教えてくれないと!」


「大丈夫大丈夫。ただ威光を発揮すればいいんだ。威光ってのは、そいつにとっての正義感とか信念が強くなった時に勝手に出る。その威光が僕ちゃんに触れて反応すれば勝手に変身するぜ!!」


「そんなこと言われてもわかんないわよ。正義感とか信念?」


よく分かんないけれど、平和のことを考えながら祈るように手を組んでみた。


「平和あれ!!!!!!」


ピカッッッッッッ!!!!!!


その瞬間、祈るように組んでいた手が急に光り輝いて、その威光がシマエナガに触れた。


そして、あたりは光に包まれた。




光で目がくらんだけど、しばらく経つと見えるようになった。


「えっ、何これ?うかに何をしたのよ!!ってか、シマエナガはどこに行ったのよ?何が何だか分かんない!!」


うかの自慢のピンク髪がいつのまにか三つ編みになっていて、天使の輪っかみたいにブルーの花冠が頭に乗っていた。そして背中には羽根がある。


「僕ちゃんはうーかーの背中にいる。そしてそれがピースウォーカーの姿だ。それより、さっきから僕ちゃんをシマエナガって呼んでるけど、僕ちゃんにはシマピシエルっていう名前がある。僕ちゃんだって、うーかーのことをウォーカーって呼んだりしないだろ?だから、僕ちゃんのことはちゃんと名前で呼べ!!」


「長いわよ。面倒だから僕ちゃんで」


まさかあんなに小さかった僕ちゃんが、うかの羽根となって背中から生えるとは…。

この作品はプリンセスヒーローものです。


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