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終焉の惡魔とかいう奴らがいきなり襲ってきた

この作品はプリンセスヒーローものです。


「この作品、好きだなあ」「気に入ったから応援したい!」「もっと読みたいから頑張れ!」とかちょっとでも好きだと思ったら、ブックマーク、いいね、評価、感想をお願いします。


作者のモチベーションになります。

スリッパを使って歩くと、歩くたびにパタパタと音が鳴って鬱陶しかったので、職員用のスリッパを勝手に拝借してそれを使って階段を登っていくと、さっきに比べて全く音が鳴らなくて快適だった。

あとで返せば平気でしょ。



「1つの直線を折り目にして、それから折ると折り目の両側がぴったり重なるよな?その図形は線対称って言います」


ふうの担任の先生は体育会系の教師で、ずいぶんと仕事熱心な印象を受けた。


しかし私は授業がうまいかどうかはあまり見ない。

小学6年生といえば大した勉強はしないわけだから、先生は授業よりも人間性の方が大事だ。


私自身、言葉で教えられたことはほぼ覚えていないけれど、先生の行動だったり先生にしてもらったことは覚えているからだ。


私が静かに教室の後ろから入っていくと、すぐ近くの生徒が私のことを見ながら口元を押さえて隣の生徒の肩をトントンと叩いて私のことを紹介した。


「えっ、可愛い!ピンクの髪の毛♡」


授業中だったので、その声は普通に教室中に鳴り響く。


すると、その輪が教室中に広まっていってちょっとした騒ぎになった。


「本当だ、鮮やかなピンク髪!めっちゃ可愛いー!」


「てか髪だけじゃなくて顔も可愛い!」


ザワザワザワ...。


「すいません。すいません。君たちもちゃんと授業受けなよ。すいません、邪魔しちゃって」


「あれ誰のお母さん?」


「お母さんじゃないでしょ、どう考えても。誰かのお姉ちゃんでしょ」


顔が真っ赤になる。そうだ、当たり前すぎて忘れてたけど、私は目立つ髪色をしているんだった。


「本当に来たのかよババア!」


教室の窓側の一番後ろに座ってるのが、うかの弟であるいたずらっ子のふうだ。


「誰がババアよ。まだ高校一年生。あんた他の子に同じようなこと言ってるんじゃないでしょうね?」


「同い年に言うわけないじゃん。同い年に言ったら俺まで自動的にジジイってことになるんだから」


そうすると、ふうはこのやりとりに飽きたような表情を見せて、自分の机の中をまさぐり始める。


そしてその中から適当なプリントを見つけて、それを無造作に丸め始めた。


すると、隣の席にいる親友のそらくんの机の上に向かって、丸めたプリントを投げた。


そうするとそれに応戦して、そら君まで同じことをし始めた。


「やめなよ。先生に怒られるよ?」


「新しい遊びにはまってるんだよ。邪魔すんな!」


「何よ、新しい遊びって?」


「筆記用具落とし」


「はあ?怒られるの怖くないの?」


「違うよ、正義先生に怒られるかもしれないっていう、そのスリルがいいんじゃん」


パンッ!!


私と喋っていたからか、ふうは手元が来るって丸めたプリントをそら君の顔面に当てた。


そしてそら君もどうやらふうと似たような性格をしていたようで、お返しとばかりに丸めたプリントをふうに投げ返した。


「コラ、そこ何やってる!!!!!」


一気に教室が静まり返った。


他にも教室のうしろに親御さんはたくさんいたのだけど、正義先生はそういったことを一切構うことなく、私の弟とその親友を叱責した。


私はこの態度を見て、この先生はなかなか信頼できるなと感心していた。


他の親御さんたちの中からそれに対して何か文句を言う人が現れるんじゃないかと少しヒヤヒヤしたけれど、そういったやり取りを邪魔することなくただ見守るだけだった。


「全く、昭和の時代だったら廊下に立たせていたところだぞ」


正義先生は重いため息をつきながら腰に手を当てている。ズボンのポケットの口元がチョークの粉で汚れているので、こういったやりとりが日常茶飯事なのが察せられて、正義先生の苦労を思うのと同時にちょっと申し訳ない気持ちになった。


そう言ってまた授業を再開した。


「だから言ったじゃん」


ふうもそら君も一瞬だけ反省したそぶりを見せたけれど、また二人でクスクス笑い始めて、説教されたのもなんだか楽しんでいる様子だったので呆れた。


すると次の瞬間、私は驚愕した。


みんな授業に集中していたから気づかなかったようだけれど、私はふと窓越しに空を見上げた。


そうすると、異様に近かったあの白昼の満月が真っ赤に染まっていて、充血した瞳のように空に浮かんでいたのだった。


「え、何あれ?」


そして白昼の満月と福村第二小学校の間に、黒い点が何か染みのように浮かんでいることに気づいた。


私の今の独り言はこの教室の誰にも気づかれず、私自身しか聞こえていなかったようだ。


けれど、私の様子がどこかおかしいと気づいた弟が、私の顔を覗き込もうとしていた。


「どうしたの、ババア?」


「ババアじゃないけどね。なんか白昼の満月が赤いんだけど。ほら」


弟に対して指でそれを示したら、また正義先生に怒られるのも構わず机から体を投げ出してぐっと窓際に体を寄せると、弟は空を見上げた」。


「本当だ。てか変なことを言うようだけどさ、空になんかいない?鳥じゃない何かが動いているような気がする」


「コラッッ!!!またか、神楽坂ァ!!何度言ったらわかるんだ」


「いや、筆記用具落としはもう飽きたよ。それよりも空に何かいる」



「何を言ってるんだ、お前は。宇宙人でもいるって言うのか」



正義先生が呆れるのも分かるけど、弟の言う通り本当に空に何かがいた」


「何か空からギャーギャー聞こえない?揉めてるような声っていうか、お祭り騒ぎをしている声っていうか。あれは何だろう?」




「どけよお前!!空を飛びにくいだろ!!」


「お前こそどけよ。飛びにくいのはこっちだよ!!」


「まず、あそこに行こうか。どれくらい人間を狩れるか勝負だ」


「へっ、お前が負けたら火あぶりの罰ゲームな」




真っ赤な満月がある方角には、地獄のような光景が広がっていた。


真っ赤に染まった白昼の満月が放つ月光に乗りながら、羽根が生えたそいつらはうか達のいる教室に少しずつ近づいてくる。


そして思ったよりも早く、羽根が生えたそいつらは福村第二小学校の校舎に到達したのだった。


ヒューーーーーーーン・・・・・


「オラオラオラオラァ!!アンノウン・サクリファイス様と終焉の惡魔たちが昇天〜〜ッッッ!!!」


ガシャーンッッッ!!!!!!


「「「うわぁぁぁぁぁぁあーーーーー!!!」」」


「「キャーーーッッッ!!!!」」


大量にいる終焉の惡魔たちが静まり返った教室に、物凄い勢いと共になだれ込んできて、窓ガラスは粉々に砕け暴風とともに襲いかかってきた。

この作品はプリンセスヒーローものです。


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