エピローグ
机の上に少し埃を被った本が置いてある。子供は、それを手に取って向かいにいる父親に尋ねた。
「おとーちゃん。これ何?」
「あぁ、これは…」
『僕のビックになるためのネタ帳!!』
僕は、しがない新聞記者だった。今日は、この国で盛大な催し?があるらしくとても人が混み合っている。
(よし!! 頑張って新聞のネタを探すぞ!! 今回こそ素晴らしい記事を書いてやるぞ!!)
とても息巻いていた。
「しかし、、今日は酷い天気だな…」
空は黒く、物々しい雰囲気。今にも雷や雨が来てもおかしくないそんな感じだった。
「何かいいネタないかな〜」
ぶらぶらと歩きながら、考え込んでいると目の前に大量の人が集まっているのが見えた。
そこには、沢山の人々が口々に何かを叫んでいた。
(おぉ何だ!? あれは!! もしかして、、何か物凄いことが起きているのでは!!)
「……これはビックなネタに違いない。すぐに向かうぞ!!」
僕は急いでそこに向かった。人をかき分けかき分けやっとの思いで騒ぎの中心近くまで行った。
そこには処刑台が置かれてあった。なぜこんな物があるのか僕は不思議に思い、近くにいた老人に話を聞いた。
「何だ。お前さん知らないのにこんなところへ来たのか!! 今日はな、ロベリア・ハーバウンド元公爵令嬢の処刑日だ。」
「処刑日?なぜ処刑されるんですか?」
「それはな……よくわっかんねぇんだよ。」
「わからない?何でですか処刑されるってことは、何かあったからなんじゃないんですか?」
「まぁあれじゃないか、誰かを虐めたとか国を手中に治めようと画策したとかそんなところだろ。まぁなんにせよ処刑されるだけの悪いことをしたってことだろうよ!!」
話していると綺麗な女性が連れられてやってきた。手には枷を足には鎖があり、服はボロボロの姿だった。
「あ!!きやがった!!悪女だ!!」
「このゴミクズめ!!」
「お高く止まりやがってお前のせいで俺たちの生活は厳しいだよ!!金を返せ!!」
彼女が現れた瞬間酷い罵声や怒号が飛び交った。しかし、彼女はとても毅然とした態度で穏やかに処刑台へと歩いてゆく。その姿はこの世の者とは思えないほど美しかった。彼女は処刑台につくと、口を開きこう言った。
「民に幸在らんことを!!」
そうして彼女の顔は地面に落ちた。
少しずつ更新するのでこれからよろしくお願いします。