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君の心に灯火を……  作者: 雪
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第481話 貴方の為に

後書きありです!楽しんできてください!

「うぅ……」


ユウはまた吐き気がぶり返してきたようで地べたに寝っ転がって唸っている。


「……ばっかじゃねぇのお前……」


俺が頭を撫でながらそういうとユウは涙目になりながら


「だっ、て……おいし……くて……」


とだけ言うと目を瞑る。

……寝ようとしてんのかな。吐きたくないから寝て治そうとしてる……?おいしいから吐きたくないって……馬鹿……


「……気持ち悪いなら吐いてきた方がいいと思うぞ。少なくとも俺は気にしない。」


涼はフォローを入れるようにそう言ったもののユウは嫌なようで目を瞑ったまま


「……僕は気にするんだよ…………」


とか細い声で呟く。そう言われては涼も何も言えなくなってしまったようではぁとため息をつくと諦めたようにすずと話し始める。

……あれ、涼がため息した瞬間ユウの体揺れた?……なんか、怖がって体震わせた……みたいな……どうしたんだろ……薬飲んでない時の俺みたい……認めたくないけど……

あまりのユウの怯えように俺が心配になっている間にもすずと涼はこちらに気づかずに楽しげに話し続けている。そんな2人を何となく眺めていると不意に


「…………だいっきらい……」


という寂しさと恨みを込めたようなか細い声が聞こえてくる。どうやら2人には聞こえなかったようでまだ話し続けているもののいつの間にか目を開けていたユウは2人を恨んでいるかのような鋭い目つきで眺めている。

……こっわ。なに?そんな……ユウが心の底から2人のこと嫌うなんてことないと思うんだけど……


「……ユウ?」


俺が名前を呼んでみるとユウはまたビクッとした後に怯えるような目で俺を見つめてくる。


「……なに……?どうかしたのかい……?」


「……や、気持ち悪いのどうなったかなって。」


本当は視線の意味を知りたかったものの何となく聞きずらかった俺は誤魔化すように別の話題を振る。ユウは暫く考えた後に


「……少しマシになったよ。」


とだけ返事をするとすず立ちから顔を背けるように背を向けて寝始める。

……寝た……?なんだこいつほんとに……また今度話した方がいい、かな……それともたださきさんが死んだ日が近くて変になってるだけ……?……ん?そういえば……


「……なぁ、2人とも。」


俺はあることを聞くために2人に話しかける。2人はほぼ同時にこちらへ振り向くと


「……なんだ?」


「どうかしたの?」


いつも通りどこか淡白に聞こえる返事を返してくる。


「……こいつ……ってさ。小屋で何した?」


「……飛び降りだな。何故かほとんど怪我はなかったが。」


「切り傷はあったけど……多分、その肩の傷が開いたみたいに前にやった自傷行為の分が開いたんだと思う。」


……切り傷?……それだけ?

あまりに少なすぎる怪我に俺はモヤッとする。

……おかしい、だって……あの時……


「……ネックレスから来た痛みは……そんなんじゃなかった……焼かれるみたいな……ジクジクした痛み方。そんなに怪我少ないなら……なんで……」


「……まぁ、出血量は多かったからな。そのせいじゃないか?」


「怜斗が治してくれてたし、大丈夫だと思うよ。」


2人はあまり気にしていないようで俺の言葉に返事をすると今度は明日のテストの話を始めてしまう。

…………あれ。そういえば……この2人が家来た時ぐらいまでが特にネックレス痛かったっけ……確か……俺が気づいた時がピークで……途中痛み方……?が変わって……そっから時間経つ事にマシになってた気が……でも……すずと涼が来たのはあれから20分ぐらい、だよな……


「……あ。」


……そういえば……

俺はふと自分のネックレスを見てみる。

……そういえばこのネックレス、その怪我に合わせて色の濁りとか光り方とか痛みの感覚とかが変わるんだよな。なら……


「……やけど……?」


「……?なんで火傷?颯太火傷でもしたの?」


「……違う。俺じゃない。多分……さきさん……?」


「……なんでさきさんなんだ?」


「……分かんない。分かんない、けど……ネックレスの痛み方がすごい火傷した時の感覚に似てて……でも、痛み感じてすぐはほんとに全身が痛くなるぐらいだった。」


「……それはさきさんの名前が出る理由にはならないと思うんだけど。」


訝しげにそう言ってくるすずに俺は説明のしにくさを感じながらも何とか上手く言葉を紡ごうとする。


「……や……なんて言うんだろ……もし、仮にさ。ユウが飛び降りた場所がすごく変わったところで……そこにいる霊とかの力あげちゃうような場所ならユウの守護霊みたいなことしてるさきさんでも怪我治せるんじゃないかな……って。」


「……確かにユウが起きたあと1回気配感じたとかで寂しそうにしてたが……」


「……あ。もしかして生きてるさきさん?あんまり気にしたこと無かったけど生きてる時と死んだ時の気配……っていうのかな。霊感の働き方ってちょっと変わるんだよね。生きてる状態だったからさきさんの気配に違和感を感じたし辛い記憶でもあるから思い出せなかったんじゃない?まぁ、可能性は低いと思うけど。」


「……まぁ、もし仮にそうだとしてただあの場所にいたというだけでそんなことできるのかっていう話だしな。さすがに難しいと思うんだが……ゾンビじゃあるまいし……」


やっぱりどこか否定的な2人ではあるものの何となく俺の中では点と点が結ばれるような感覚を覚え始め今度は別のことを聞いてみる。


「……ユウって、お墓どこ作ってたっけ。」


「……ん?……そういえば小屋の近くではなかったな。俺はその当時のユウの表情変化やさきさんの状況を見ているので精一杯だったが……」


「……でも、見晴らしがいいところではあったよね。静かそうで……心做しかリアンがいたあの場所に少し似てた気がする。」


2人は別のことも思い出してしまったのかどこか苦々しい顔をしながらもちゃんと教えてくれる。


「……しず、か……ユウが飛び降りた場所ってどんなとこ?」


「……木々が多い自然豊かな場所だったな。鳥のさえずりさえ聞こえなかったのは少し気味が悪い気もするが……」


「……でも、何となくその先の森は賑やかそうな感じだったよ。まぁ私の想像に近しい勘だから分からないけど。」


……もう2人に聞けることは無い……かな……起こすかぁ……


「……おいこらバカユウ起きろ。」


俺が強めにベチンとユウのおでこにデコピンをするとビクッとユウの体が動いてモゾモゾし始める。

……あーあ。本当は真相なんて知りたくないなぁ……きっと……俺の考えがあってたらユウはもう俺と……んーん。だからって素知らぬふりはだめ、だよな……

そう俺は俺を納得させてまだモゾモゾし続けるユウにもう1発デコピンをお見舞するのだった。



……何気にさきでたの初めてだよね。なんか特殊な状態だから。

「うん!シキ君は……いないの?」

あはは、いたら私はとっくのとうにはっ倒されてるね。それがユウ甘えん坊を発揮しすぎて偽カップルなるとか言ってから辞めてくんないんだよね〜……そのお仕置で……さ?

「そ、それで私なんだ……そいね……?だったっけ?私で効果あるのかなぁ?」

んー多分?涼が何とかしてくれると思う!

「ううん……それならいっか!絵本の読み聞かせしよっか?」

……さきならしてもらおっかな!それじゃあ先に締めよう!

「うん……!え、えっと……それじゃあみんなまた今度!」

また次回に〜!

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