第474話 崖の下
長めの後書きありです!楽しんできてください!
「……ユウ?」
着いて早々広がっていたのは色んなところから血が出ているユウで私は愕然とする。
……近くに崖……ここから飛び降りた?……結構高い……でも……
「……なんで手足はまっすぐなの?こういうのってどこかしらは折れてるものなんじゃ……」
思っていたよりも負傷が少なそうなユウに私は首を傾げていると涼も不自然に思ったようで
「……そのはずだ。怪我はしまくってるが骨折はパッと見見当たらない……まぁ、肺とかやられてるならそれこそ俺達に出来ることは無いんだが。」
とだけ言うと仰向けになっているユウのおでこに手を当てる。
……そもそも高さの割に服を汚れてないよね。顔は泣いてたのか涙のあととかあるけど……誰かが拭いたみたいだな。
やっぱり冷静に見ても小綺麗なユウにとりあえず私は写真だけ撮っておく。そんな私達を見た怜斗はびっくりしたように目を見開いたあとあはっといつも通り腑抜けた笑みを浮かべる。
「……ま、そもそもこんなに血が出てたら出血多量で死んじゃうかもねー……死んでる俺はともかく2人が冷静でびっくりしてるよぉ?」
「……だって、ところどころ見えてる傷跡がどう考えても切り傷だし。服が汚れてるから……飛び降りはしたんだろうけど……」
「……さっき口元に耳を近づけたが普通に息してたぞ。寝息にそっくりだし……どちらかと言うと誰がここまでしたのかが気になる。普通ならもっと髪も乱れるし、そもそも服だって崖からとはいえここからだと木々も飛び出てる。多少破れててもおかしくないはずだ。」
私達が口々にそういうと怜斗はなんとなく納得したようで「そっかぁ!」と軽く流したあと警戒するように周りを確認し出す。
……怜斗、すごい顔が険しいけど何かあるのかな。そもそもなんでここには何もいないんだろう……鳥のさえずりさえも聞こえないし、動物に好かれやすいユウがこんなところにいたら何かしらはよってきそうなのに。
「……誰かが意図的に何かしてないとおかしいよね。」
ぽつりと私が呟くと見回りをし終えたのか怜斗がユウの傍に座って苦笑する。
「……ま、とりあえず俺が治癒してみるから離れなよ。うわぁー結構酷そう……とりあえず腕だけにしてみよっかなぁ?別に体力削んなくてもいいんだけど……わざと削られるようにして減り具合見よ。」
怜斗は早速治癒し始めたのか時々欠伸をしながらユウの色んなところに手をかざす。
……ユウはこういうのが多いな。涼は中学生だし元々が幽霊見えてた訳でもない普通の思考回路……?をした人だけどユウは違うもんね。ユウの場合は本気で死にに行くどころかバレないようにしてくるからタチが悪いな……これ、怜斗が居なかったらどうなってたんだろう。
そんなことをモヤモヤと考え続けながら私はじっとユウと怜斗のことを見つめ続ける涼に声をかける。
「…………ねぇ、涼。」
「……なんだ?」
私の声に涼は私が寂しくなったとでも思ったのか手を繋いできて聞き返す。
……手を繋ぎたいだなんて1ミリも思ってないんだけど。まぁいいか。
「……もし本当に飛び降りてたのならなんで飛び降りたと思う?」
「……生きたくなくなったから……じゃないか?」
私の質問に当たり前の返答を返してくる涼に私はムッとする。
「それはそうだけど……」
「……冗談だ。まぁ、間違いなく俺達は関係してるだろうな……いや、ユウの事なら俺たちよりも前に会った人たちも含まれてるかもしれない。」
「……相変わらず死にたがりだね。これならリスカされた方がマシ。」
今度はちゃんと返ってきたまともな返答に私がふんっと鼻を鳴らしてそう言うと涼は何かを考えるように黙り込む。
「…………」
十数秒たっても黙り続ける涼に私はなんとなく何を考えているのかが分かってしまい大きなため息をつく。
……なんで私の周りはこんなに死にたがりが多いのかな……付き合う相手と救われる相手間違えたかもしれない。
「……涼はダメだからね?」
一応私が釘を指しておくとやっぱり図星だったようで涼は残念そうな顔になる。
「……まぁ、そうなるよな…………」
その後は特に話す話題もなく黙って怜斗が治癒し終わるのを待っているとようやく治癒し終えたようで怜斗がこちらに顔を向けて
「……2人ともぉ!多分治癒できたよぉ!」
と教えてくれる。
……うん、確かに見えてた切り傷とかは消えてるな。血が出ている箇所もなさそうだし本当に直してくれたんだ……これ、ほんとに寝てるのかな。なんとなくだけど起きてる気がするな……
私はユウが本当は起きているのではないかと疑い始めつつも怜斗の治癒能力に感心して
「……ほんとだ。傷消えてる。怜斗ありがとう。」
と感謝を伝える。
「べっつにぃ?こーしとかないと颯太がギャン泣きしちゃうし!クミも怒るだろうからねぇ!」
怜斗は特に疲れを感じていないようでいつもの調子で楽しげに話す。それを見た涼は二重の意味で安心したのかほんの少しだけ頬を緩ませるとユウの頭を撫でて
「骨折とかはありそうか?」
と怜斗に聞く。すると怜斗は困ったような顔になって
「ん〜?いや、多分ないと思うよぉ?見た目通りの取られ方したしぃ……」
と呟く。
……じゃあなんで寝てたんだろう。気絶……?とかなら分かるけど……それならそもそももっと怪我してるよね……
怜斗の言葉により一層私が怪しんでいると涼は元から知っていたかのように
「……そうか。おいバカユウ。起きろ。」
とユウの頬をむにむにしながら呼びかける。
……涼も疑ってたんだ。じゃあ私ものってみようかな。
「ユウ、ピーマン突っ込むよ。」
私がそう脅してみるとユウがガバッと起き上がり
「それは辞めてね!?…………あ。」
と明らかやってしまったという顔になる。
……なんでユウはこんなに馬鹿なのかな……はぁ……
起きて早々ドジっ子をかますユウに大きな溜息をつきながらも私はユウの腕を掴んで逃げられないようにするのだった。
……まぁ、言いたいことはわかります。罰ゲームだよね?
「達成してなかったからな。」
……はぁ…………
「それで罰ゲームなんだが雪、まだ偽カップル続けてるよな?」
……そうですけど……皮肉なことに……
「ここ最近ずっと眠い眠いってうるさいよな?」
……そうですけど……
「……なら、ユウにバレずにすず達でも誰でもいいから1週間毎日添い寝だな。」
ごめんその流れはよく分からないよ?え、そこは普通何時から何時までに寝ろ〜とかそんなんじゃないの?
「それだと面白くないしそろそろユウに解消させたいからな。」
面白さ求めないで……?私をなんだと思ってるの……?
「育てるのに手間がかかる都合のいい駄作者だな。」
酷い言い様……まぁ初期だともっと酷い罰ゲームにされてたんだろうなぁ…………怜斗は呼ぶのなしでいい?
「怜斗と颯太は絶対だな。怜斗に関しては華に話つけとくから安心してくれ。」
なんにも安心できない……というかなんで颯太……?
「非リアだから……?」
それ今の颯太だからあんま怒んないけど彗とかなら絶対怒るからね……?
「あ、彗も一応後書き出てるのか。なら彗も。」
鬼かお前は……あと4人どうしよっかなぁ……
「……ユウに大打撃与えるって意味で特別にさきさんだしたらどうだ?」
よし、呼ぼう。あとの3人はその日の話次第だね。罰ゲームのはずが楽しくなってきた。
「それならまた別日にガチのやつ用意してるから安心してくれ。」
……ん???それは聞いてn
「それじゃあまた次回に。」




