第468話 不安定な体
後書きありです!楽しんできてください!
「……颯太、僕ちょっとお手洗い行ってくるね?」
僕が立ち上がると颯太はほぼ完全に体調が元に戻ったようで僕が残してしまったポテトをもぐもぐしながら
「ん。ポテト食べて待っとく……」
とだけ返事をする。
……気持ち悪い……胃もたれ……なのかな。吐くなこれ……まぁ仕方ないか。
僕は足早にトイレの個室に入りお腹を抑える。
「……颯太にはバレないよう……に……」
独り言を呟こうとした途端猛烈な吐き気に襲われて僕は口元を抑える。
……そんなに食べたかな、僕。胃的には食べすぎた感はないんだけれど……
そんなことを考えながら結局耐えられなかった僕はもどしてしまう。
……はぁ。これ、外食行けるのかな……まぁ行くしかないんだけれど。とりあえず香水だけ振って……
吐き終えた僕は水を流し自分の香水を降ったところで何となく僕はスマホの画面を開く。
「……あれ?涼君から?」
スマホには涼君からの着信履歴が表示されていて僕は首を傾げる。
……せっかくだし今かけ直そうかな?
そう考えた僕は涼君に電話をかけてみる。するとすぐに涼君が出たかと思えば
『……体調は大丈夫か?』
ととんでもなくタイムリーな質問をしてくる。
……え?なんでバレ……い、いや流石に偶然だよね?僕今日直接顔合わせてないし……
『……っ大丈夫だよ?なんでだい?』
とりあえず僕は嘘をついて乗り切ろうとしてみる。でも僅かな声色の差で涼君には嘘だとバレてしまったようで
『……どこが悪いんだ?』
といつもの淡々とした声で聞いてくる。
……誤魔化させてくれないのが酷いなぁ?まぁ、ここは無理やりにでも大丈夫で通させてもらうけどね。
『……何も無いよ。本当に。』
『……嘘ついても無駄だ。』
『嘘じゃないよ?僕、今トイレだから颯太のところに戻らないと。切るよ?』
拉致のあかなさそうな会話に僕が痺れを切らしてそう言うと涼君ははぁとため息をついて
『……痛い目見ても知らないからな。俺は。』
とだけ言うと向こうから切られてしまう。
……嫌われた、のかな?それとも呆れ?……まぁ、きっと涼君なら僕のこと嫌いになんてならない……よね……?
内心僕はバクバクさせながらも歯磨きをして颯太のところに戻る。流石に颯太はもう食べ終わっていたようでソワソワと僕を探すようにキョロキョロしている。
「……颯太!」
「……!遅い!変なのに捕まってるのかと思っただろ!馬鹿ユウ!」
どうやら今の颯太は絶好調なようで会ってすぐの頃と同じような乱暴気味な言葉遣いをする。
「ご、ごめんね……?いっぱい食べたねぇ颯太……ごめんね、僕の残した分まで……」
「それは……まぁ……残しそうだなぁとは思ってたし……?」
どうやら颯太はとっくのとうに予想がついていたようでははっと苦笑いをして僕の頭を撫でてくる。
……頭撫でられるの気持ちいいな……なんとなくだけれどいつもより嬉しい気がする……
頭を撫でられて嬉しくなった僕は颯太の隣に座って撫でてくれた手に頭を押し付けていると颯太はびっくりしたような顔をする。
「……めずらし。そこまですること少ないのに。そんなに撫でられてーの?」
「うん、今日はそんな気分なんだ。」
「……じゃあ先店でよ。迷惑なるから。ほら、会計行くぞ〜。」
「うん。」
颯太に先導されて僕らは支払いを済ましお店を出る。
「……あ、ベンチ……あそこ座る?」
「特に座りそうな人も居ないし……それでいいんじゃないかい?」
「……ん。じゃあはい。」
颯太は先に座るとポンポンと自分の膝を叩いて僕に座るよう遠回しに伝えてくる。一瞬僕は人目が気になって迷ったものの誘惑に負けてしまいゆっくりと颯太の上に座る。
「……恥ずかしいな……」
「知ってる。お前のガチの照れ顔最近見てないからそろそろ補給しようと思って……これでいい?」
颯太は悪戯っぽく笑いながらも僕の頭を撫でてくれる。
……嬉しいなぁ。あったかい……少し前までの僕はこんなの知らなかったのに。忘れちゃってたのに。さきに……サチに会いたいなぁ……
「……颯太、僕って生きてていいのかな。」
ぼ〜っとしながら僕はなんとなく颯太に聞いてみる。颯太は一瞬撫でる手を止めたものの今までよりも強く僕を抱きしめて
「……いいに決まってんじゃん。馬鹿。」
と言ってくる。
……まぁ、颯太ならそう言ってくれるよねぇ?……今日は涼君のお家行こうかな……
「……そっか。ありがとう。うーん……お揃いのチョーカーでも買いに行くかい?」
暗い気持ちを振り払うように僕はそう聞いてみる。颯太はしばらく悩んだ後に
「……それ、お前が欲しいの?」
と質問に質問で返してくる。
……僕が欲しいのか……かぁ?さっきいっぱいお店回った時に自然とお揃いができちゃったからな……それに……
「……首を絞められるような感覚は……あまり好きじゃないね……」
「……そ。ならやめとこ。他にお揃いにできるの……ゆうてもういっぱいあるし……あ。」
颯太は何かいいことを思いついたのかいそいそと掲示板を見ながらお店を探し始める。しばらく探した後に颯太は何かいい場所を見つけたようで
「……ここ!ここでなんか買お!ユウ!」
と僕を引っ張ってお目当てのお店を指さす。
「……?ここは……ネックレスやブレスレットが売ってるような場所だよね?パワーストーンを使ってる割には確かに値段もお手ごろではあると思うけど……僕らはスターレ君達に貰ったものがあるだろう?」
既に同系統のおそろいをしていた僕は首を傾げてそう聞き返す。すると颯太は首を振って
「これだって!ほら!キーホルダー!これならみんなの分も買えるんじゃね!?」
と興奮気味に話す。
……キーホルダーか。確かにみんなとお揃いって言うのは楽しそうだな……ティール君だけはかなり小さいものかイヤリングに似た何かにしないといけないだろうけれど……
「……そうだね。きっとみんなも喜ぶよ。ツンデレな涼君でも嬉しそうにするんじゃないかな?」
「うん!そうと決まったら早く行くぞ!」
颯太は既に楽しくなっているようで僕の手を引き嬉しそうにする。
……ま、とりあえず体の不調は無視してお土産選びを楽しもうかな?
僕は楽しげな颯太に釣られるように笑いながら目当ての店へと急ぐのだった。
……なにこれ。
「あら、最近ずっと雪ちゃん眠いって言ってたでしょう?私達なりの配慮よ?」
……だとしても大人2人に見守られながらベッドインはキツイんだけど。
「いいから黙って寝てくださぁい!めんどいんですけどぉ!」
クミ?お酒飲みながら隣いないで?……あと私は悪くないからね?
「……まさかあの人、またやらかしましt」
えーそれではおやすみなさい!また次回に!




