第467話 無意識の手
後書きありです!楽しんできてください!
「……これはまたとんでもないことに巻き込まれたねぇ?」
「……うん。」
僕は自分達の手元に乗る大量の紙袋を眺めながらフゥとため息をつく。
……こんなタイミングよく色んなお店で福引やってるとは思わなかったな。とんでもない量当てちゃったよ……
「……とりあえず異空間にしまっておこうか。流石にこれじゃろくに買い物もできないからね。」
「……はい。多分これで全部。」
颯太も手が疲れていたようでグデっとしながら僕に渡してくる。
……よし、これでしまえたかな?にしてもすごい量だねぇ……?食べ物系もあったしすず君たちにもおすそ分けしないとな……
僕が考え込んでいるとソワソワしながら颯太が
「……ユウ、お揃いの服は?」
と聞いてくる。
……本当に楽しみにしてくれてたんだねぇ?嬉しいなぁ……
「……うん、そうだね。買いに行こうか。うーんと……こっちかな?」
僕が手を引くと颯太はちょこちょこと可愛らしい動作で僕についてくる。しばらく歩いたところで急に颯太が立ち止まる。
……?どうかしたのかな……
「……ッなぁ、ユウ。」
案の定名前を呼ばれた僕は振り返って優しく微笑む。
「どうかしたのかい?」
「……その……じつ、は……朝からそんな体調良くなくて……だからその……」
どこか怯えたようにそう伝えてくる颯太は確かに冷や汗をかいているのか寒そうにしている。
……これは嘘じゃないし、薬を抜いたわけでもなさそうだな。僕がちゃんと飲んでるところ見届けてるし。無茶はさせたくないし……軽食取るって名目で休憩かな。
「……あぁ、休憩したいんだね?なら先にどこかお店に入ろうか。」
「……!うん……ごめん……体調管理出来なくて……」
「気にしなくていいよ?颯太は病み上がりだし、怜斗君の親御さんのこともあるからね。ありがとう、倒れる前にちゃんと教えてくれて。」
僕が頭を撫でてやると颯太は目を潤ませながら
「……うん……」
と小さく返事をしてお店に向かう僕の手をしっかりと繋ぎ着いてくる。
……弱々しいなぁ?素がこれなのか体調が悪いからなのか……はたまた怜斗君の親に何かされたか。まぁ、1番いいのは素だったって答えなんだけれど。
「……ゆう……おこってる……?」
「……え?」
颯太の言葉に僕がパッと振り返ると颯太はボロボロ涙を零していて苦しそうにしている。
「……むし……やだ……ごめんなさい……ゆるして……」
「……え?……???ご、ごめんね……?えっと……話しかけてくれてた……のかな?」
「……腕いたいって……言ったのに……ゆっくりにしてって言ったのに……」
ボロボロと小さい子供のように泣きじゃくる颯太に僕は焦りを覚え始める。
……困ったな。そんなに僕ぼぅっとしてたのか……昨日のが残ってる、のかな……?腕……いつの間に掴んでたんだろう……本当に記憶にないから無意識でしちゃったんだろうな……
「……ごめんね。ぼぅっとしてたみたいだ。本当にごめんね……」
「……っ腕痛いぃ……」
「あ……その……そう、た……ごめ……」
あまりに泣きじゃくる颯太に僕は焦りを超えてパニックになり始めていると颯太は僕の様子に気がついたのかゴシゴシと目を擦って
「……怒ってない?」
と涙声で聞いてくる。勿論僕は即答で
「怒ってないよ?」
と応えると颯太は心底安心したように肩の力を抜いて
「……顔怖かった…………何考えてたんだよぉ……ばかゆう……あほ……彗に言いつけてやる……」
と言ってくる。
「それは……おふざけ交じりの説教を受けることになるから嫌だなぁ……その……颯太のことと昨日の僕のこととかを考えてたんだ。」
「……ユウも体調悪い?」
普通に返事をしたはずが唐突に颯太から疑いの目を向けられてしまい僕は困惑する。
「……え?……どうだろう……僕は普通……だと思うんだけど。」
あまりの唐突さに自分のことのはずがどこか曖昧に答えてしまい僕はしまったと後悔する。恐る恐る颯太の顔色を伺ったものの颯太はしばらく疑うような目で僕を見つめた後に
「……分かった。じゃあお店行こ。連れてって。」
とせがんでくる。
……少なくとも今は見逃して貰えた……のかな?良かった……
心底ほっとした僕は暗めの雰囲気をかき消すために
「……そうだね。急ごうか。そうだ、さっき聞き忘れたけれどどこのお店がいいとかあるかな?」
と要望を聞いてみる。颯太は暫く悩んだ後にパッとさっきとは見違えるほどの満面の笑みを浮かべて
「……ガッツリしたの食べたい!なんかそんな気分!」
とリクエストしてくれる。
ガッツリしたもの……か。外食のことを考えたらあやめておくべきなんだろうけど……まだ11時だからね。姉さん達は起きるのが遅くて10時くらいに食べてたし……このあともいっぱい動くし……そもそも颯太がこういうリクエストをしてくれるのは珍しいから……よし。
「珍しいねぇ?ならバーガー屋さんにでも行こうかな?確かあったはずだし、ここから近いしね。お金は僕が__」
僕は了承するのと仮にも長生きしている身としてお金を出す約束を取り付けようとすると颯太はガシッと僕の腕を掴んできて
「自分のは自分で払う!!!」
と強めに否定してくる。
……?まぁ、本人がここまで強く言うなら無理に出すのもよくないか……颯太自身誰かに何かを貰うの離れてないだろうし。まぁ……僕の威厳はなくなっちゃうけれど……
「……そっか、まぁ将来のことを考えたら娯楽を我慢したり計算したりするのも大事だからね。今日はそうしようか。」
「……これからもじゃだめ?」
「それはダメだよ?そういう時ぐらい大人ぶらせておくれ?」
「……天然純粋馬鹿って言うの自覚はしてたんだお前。それ自分で言ってて悲しくねぇの?」
僕の言葉に颯太は呆れた目で見つめてくる。返答するのが嫌だった僕は
「……うるさいよ……」
とだけ返してバーガー屋さんに颯太の手を繋ぎ横並びになって向かう。
……これならもしまた腕掴んじゃっても痛くなりにくい……よね?……僕、いっぱい食べれない方だけどちゃんと食べ切れるかなぁ?結構ボリューミーだって聞いたし………胃もたれしないといいんだけれど。
僕は値段よりも量の多さが心配になりながらあれからずっとからかってくる颯太を横目にふくれっ面をするのだった。
「……なんで作ったんだ???」
まだじゃん!アカウント登録しかしてないじゃん!
「……でももう残り2つだよな?それは間違いなく出すやつだよな?」
まぁそうだけど……いーじゃん別に!というか私が描いたのはリメイク後イメージだからこっちの涼は関係ないでしょ!!!
「だとしても協調性羞恥心で死にたくなるからやめてくれ。駄作者。」
久しぶりに作者呼びされるの悪くない!私はもう寝る!眠い!
「……俺も気が向いたら寝るか……」
……それ寝る気ないやつじゃん。すずに言ってこよーっと!
「分かった寝るから辞めてくれ……」
完全に権力負けてて笑う。それじゃ、また次回に〜!
「……また明日。」




