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スーパーな人に転生したけど、地球かと思ったらファンタジーな異世界に転移させられた

作者: ジッタK

最期の記憶は思い出せない。

転生したと思ったら、カプセルに入れられていた。

保育器かな、と思っていたら小型の宇宙船だった、保育機能付きの。

これは例のパターンかなぁ?


そして射出。

さらば故郷の星よ!

さらば父母よ!

さらばその他諸々よ!


しばらく(4年くらい)すると青い惑星が見えてきた。

教育コンピュータいわく、僕はその星の人間よりずっと強いらしい。

やっぱりスーパーな人だったか。

陸地の形は既存もの。

目指せ日本! ……は無理かな?

着陸の衝撃に備えていたら、ちょうどその地点に穴が開いた。


「え?」


僕の乗る宇宙船は、その真っ黒な穴に吸い込まれるように落ちていった。


一拍遅れて、衝撃が宇宙船を襲う。

どうやら無事(?)、到着したようだ。



明らかに地球の植物相とは異なる森の中に宇宙船は不時着した。

教育コンピュータいわく、この森(大陸? 星?)には未知の素粒子が充満しているそうだ。

人体に悪影響がないか、いま調査中。

暇を持て余した僕は、心優しい老夫婦が迎えに来ないかな、などと考えていた。

ふと、宇宙船ののぞき窓に影が差す。

見上げるとそれは、ふたつの首を持つ巨大な……なんだ?

なんだか分からないが巨大な生物だった。

全長10メートルはありそうだ。

ギリギリ猿に似てるかもしれない。


「…………」

「…………」


僕とそいつは見つめ合った。

お互いに『なんだこいつは』と思った(たぶん)。


ツン。


猿が指で宇宙船を小突いた。


コロコロ。


球状の宇宙船はよく転がった。


コツン(指2本)。

コロコロコロ。

ゴツン(拳)。

コロコロコロコロ。

ドカン(蹴り)!

コロコロコロコロコロー!


猿、大喜び。

僕、大混乱。


「やめろぉー!」


猿は大はしゃぎで、やめてくれそうにない。

僕はコンピュータに宇宙船の扉を開けるよう頼んだ。

まだ分析が終わっていないのにと文句を言いつつも、コンピュータは素直に従ってくれた。



転がる宇宙船から這い出る。

猿の興味は宇宙船から僕に移ったようだ。

美味しそうな匂いでもしてるのかな?

猿のふたつの口から涎が垂れ始める。


僕は地面に落ちていた石ころを拾った。

硬そうな石だったが、握りしめると簡単に砕けた。

イケる。

僕は大地に立った。


猿が大口をあけて襲ってくる。

僕は全身全霊で迎え撃った。

襲ってきた右の頭は、僕のパンチで消し飛んだ。

残った左の頭は、混乱しているようだ。

僕は飛び蹴りを放った。



コンピュータ曰く、猿を斃した時、例の素粒子が大量に放出されたらしい。

そして、その素粒子を僕はかなりの量、吸収してしまったようだ。

それが良かったのか良くなかったのか。

僕は熱を出した。

一瞬だけ。

そしてなぜか体の中に、活力とでもいうべきものが漲ってくる。


もしかして:レベルアップ


みたいな?

なるほどなるほど、そっちのパターンでしたか。

つまり、タイトルを付けるなら。


『スーパーな人に転生したけど、地球かと思ったらファンタジーな異世界に転移させられた』


ってところか。

統一感ないな。



打ち上げたドローンが撮影したデータを参照したところ、この場所はどこまでも広がるジャングルの中心付近らしい。

ジャングルを抜け出すには、どの方向にも1000km以上進まなくてはならない。

僕はしばし、途方に暮れた。


まあ、宇宙船があるので衣食住に困ることはないだろうが、いつまでも人っ子一人いない場所で生活していたら、精神を病みそうだ。

人里があれば向かいたいとコンピュータに相談したら、ドローンを増産して飛ばすから、しばらく待つように言われた。


ドローンの部品になる石ころや、食べ物の材料になる葉っぱや木の実なんかを集めながら、襲いかかってくる魔物をついでに斃す。

魔物は肉が食べ物に、それ以外はドローンの素材になるのでお得だ。

ついでに僕のレベルも上がる。


齢よっつのスーパーな子供の、異世界サバイバル(難易度:低)が始まった。


タイトルを付けるならそう。


『スーパーな人に転生したけど、地球かと思ったらファンタジーな異世界に転移させられた。だけど僕はジャングルの王者になる!』


……混ぜすぎじゃね? 

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