暫定副看板娘決定戦、D組決勝、小園 玲VS小桝沼本 晶綺良保
ここは暫定副看板娘決定戦、D組決勝の会場。
本来なら小沼さんと桝本さんによる暫定副看板娘決定戦D組2回戦の予定されていたのだが、俺は審判引分を宣告、急遽、暫定副看板娘決定戦、D組決勝が行われることに。
いよいよ最後の予選ブロックとなる暫定副看板娘決定戦のD組決勝戦が開始。
「暫定副看板娘決定戦、D組決勝戦出場選手は準備をお願いします」
「「「はい!」」」
俺の呼びかけに返事する玲ちゃんと小桝沼本さん。
小桝沼本さんを見て『誰だろう、もう一人は?』といった表情の林田さんと海崎さん。
「それでは暫定副看板娘決定戦の規則を説明します。暫定副看板娘決定戦の勝敗はカラオケ機種『L-Star's』限定採点ゲーム『精密録音採点』の得点で勝敗が決まります。『精密録音採点』は、歌・演舞・話歌といった披露の難易度を数値化した披露難易点と、披露の出来栄えを数値化した披露完成点を、それぞれ100点満点で評価して平均点を出し10点前後の追加点を加算した合計点で競ってもらいます」
俺が『L-Star's』限定採点ゲーム『精密録音採点』について説明する間、着々と準備を進める玲ちゃんと小桝沼本さん。
「それでは、2人?の披露申請難易度を確認していきます」
玲ちゃんと小桝沼本さんの披露申請難易度を確認する、林田さん。
設置した液晶画面に、玲ちゃんと小桝沼本さんが披露する曲の披露申請難易度が表示される。
「玲ちゃんが歌演舞両立・高難度舞申請で披露申請難易度4.0、小桝沼本さんが歌演舞両立・高難度舞申請で披露申請難易度は4.0、両者共に高難度申請ですね」
俺は玲ちゃんと小桝沼本さんの披露申請難易度を読み上げ
「暫定副看板娘決定戦D組2回戦が審判引分となったのは、桝本さんと小沼さんが『偶像結合』によって2人で1人のアイドルとなってしまったからです」
何で桝本さんと小沼さんの試合が審判引分となったか解説する。
「「そうだよ……私達、奇奇怪怪な大不思議アイドル、小桝沼本 晶綺良保です!」」
これは2人で相談して決めた自己紹介かな?
「そ、それでは準備が整ったでしょうか?」
林田さんの呼びかけに応じる
「「はい!」」
その返事から『最高の披露をするぞ!』という小桝沼本さんの想いが伝わる。
♪
『蒼月の接吻』の前奏がA 演奏に変化、音程が表示され採点開始される。
「「♪!」」
桝本さんが表現しようとしている『蒼月の接吻』の風景
(「あ、こんな解釈しているんだ桝本さん!」)
小沼さんが表現しようとしている『蒼月の接吻』の主人公の感情
(「あ、こんな解釈しているんだ小沼さん!」)
2人が『蒼月の接吻』から想像する感情と風景を融合して、それを歌声と演舞で表現……これが『偶像結合』アイドル、小桝沼本 晶綺良保にしか出来ない披露!
終奏が流れ披露終了、設置した液晶画面に私達の点数が表示される。
合計点数[105.985]
合計点数が百点以上、中々出ない超高得点だ。
「「疲れたー!」」
2人とも、お疲れ様!
そして次は玲ちゃんの番。
玲ちゃんが披露する曲は、小桝沼本さんが披露した曲と同じ、かつ披露申請難易度が同じだ。
「それでは準備は整ったでしょうか?」
林田さんの呼びかけに応じる
「はい、何時でも行けます!」
玲ちゃん、いったいどんな披露を観せてくれるのかな?
♪
前奏が流れると玲ちゃんの背中から蝶と蛾の羽が出現、そして玲ちゃんの髪の毛と瞳の色が右側だけ虹色に変化。
その姿は、暫定副看板娘決定戦のD組予選ブロック1回戦で観たときより輝いていて、まるで天女みたいだ!
『蒼月の接吻』の前奏がA 演奏に変化、音程が表示され採点開始される。
「♪!」
スゴい……暫定副看板娘決定戦 D組予選ブロック1回戦の時よりも高難度となった振付を歌いながら完璧に披露している!
終奏が流れ披露終了、設置した液晶画面に小園さんの点数が表示される。
披露完成点[100.000]
追加点[10.000]
合計点数[ All Perfect Score]
「All Perfect Score!」
合計点数の項目に表示された英語を流暢な発音で音読する海崎さん。
暫定副看板娘決定戦のD組予選ブロック1回戦と同様、All Perfect Scoreを記録する玲ちゃん!
「勝者、玲ちゃん!」
俺は暫定副看板娘決定戦、D組決勝戦の勝者を宣言する。
「!」
暫定副看板娘決定戦D組代表となり喜ぶ玲ちゃん。
あれ……いつの間にか小桝沼本さんがいなくなっている。
どこに行ったのかな?
(「あ、『S21』主看板娘兼任プロデューサーさん……私、無意識世界に転移しちゃった!」)
小沼さんが念話で居場所を伝える。
(「わかった、今から迎えくるね!」)
これもプロデューサーの仕事だからね。
仮完結まで、あと14日。




