暫定副看板娘決定戦、D組決勝、私達VS小園 玲(視点：『S21』メンバー、桝本 綺良)
ここは暫定副看板娘決定戦、D組決勝の会場。
本来なら私と小沼さんによる暫定副看板娘決定戦D組2回戦が開始される予定でしたが、『S21』主看板娘兼任プロデューサーによる審判引分が宣告され急遽、暫定副看板娘決定戦、D組決勝が行われることになりました。
最後の予選ブロックとなる暫定副看板娘決定戦のD組決勝戦が開始。
「暫定副看板娘決定戦、D組決勝戦出場選手は準備をお願いします」
「「「はい！」」」
『S21』主看板娘兼任プロデューサーの呼びかけに返事する小園さんと私達。
私達を見て『誰だろう、もう一人は？』といった表情の林田さんと海崎さん。
「それでは暫定副看板娘決定戦の規則を説明します。暫定副看板娘決定戦の勝敗はカラオケ機種『L-Star's』限定採点ゲーム『精密録音採点』の得点で勝敗が決まります。『精密録音採点』は、歌・演舞・話歌といった披露の難易度を数値化した披露難易点と、披露の出来栄えを数値化した披露完成点を、それぞれ100点満点で評価して平均点を出し10点前後の追加点を加算した合計点で競ってもらいます」
『S21』主看板娘兼任プロデューサーが『L-Star's』限定採点ゲーム『精密録音採点』について説明する間、小園さんと私達は着々と準備を進めます。
「それでは、2人？の披露申請難易度を確認していきます」
小園さんと私達の披露申請難易度を確認する、林田さん。
設置した液晶画面に、小園さんと私達が披露する曲の披露申請難易度が表示されます。
「玲ちゃんが歌演舞両立・高難度舞申請で披露申請難易度4.0、小桝沼本さんが歌演舞両立・高難度舞申請で披露申請難易度は4.0、両者共に高難度申請ですね」
小園さんと私達の披露申請難易度を読み上げる『S21』主看板娘兼任プロデューサー。
「暫定副看板娘決定戦D組2回戦が審判引分となったのは、桝本さんと小沼さんが『アイドリンク』によって2人で1人のアイドルとなってしまったからです」
解説する『S21』主看板娘兼任プロデューサー。
「「そうだよ……私達、奇奇怪怪な大不思議アイドル、小桝沼本 晶綺良保です！」」
2人で相談して決めた自己紹介をする私達。
「そ、それでは準備が整ったでしょうか?」
林田さんの呼びかけに応じる
「「はい！」」
先攻の私達、最高の披露をするぞ！
♪
『蒼月の接吻』の前奏がA 演奏に変化、音程が表示され採点開始です！
「「♪！」」
私の脳裏に小沼さんが表現しようとしている『蒼月の接吻』の主人公の感情が流れ込む。
（「あ、こんな解釈しているんだ小沼さん！」）
そして私が表現しようとしている『蒼月の接吻』の風景を小沼さんに伝える。
（「ステキな風景ありがとう！」）
感情と風景を融合して、それを歌声と演舞で表現……これが私達の披露！
終奏が流れ披露終了、設置した液晶画面に私達の点数が表示される。
合計点数[105.985]
やった、百点越えだ！
「「疲れたー！」」
小沼さん、お疲れ様です！
そして次は小園さんの番。
小園さんが披露する曲は、私達が披露した曲と同じ、かつ披露申請難易度が同じです。
「それでは準備は整ったでしょうか？」
林田さんの呼びかけに応じる
「はい、何時でも行けます！」
小園さん、いったいどんな披露を観せてくれるのかな？
♪
前奏が流れると……小園さんの背中から蝶と蛾の羽が出現、そして小園さんの髪の毛と瞳の色が右側だけ虹色に変化。
その姿は、暫定副看板娘決定戦のD組予選ブロック1回戦で観たときよりキレイ！
『蒼月の接吻』の前奏がA 演奏に変化、音程が表示され採点開始です。
「♪！」
スゴい……暫定副看板娘決定戦 D組予選ブロック1回戦の時よりも高難度となった振付を歌いながら完璧に披露してる！
終奏が流れ披露終了、設置した液晶画面に小園さんの点数が表示される。
披露完成点[100.000]
追加点[10.000]
合計点数[ All Perfect Score]
「All Perfect Score！」
合計点数の項目に表示された英語を流暢な発音で音読する海崎さん。
暫定副看板娘決定戦のD組予選ブロック1回戦と同様、All Perfect Scoreを記録する小園さん！
私達、負けちゃった。
「勝者、玲ちゃん！」
『S21』主看板娘兼任プロデューサーが、暫定副看板娘決定戦、D組決勝戦の勝者を宣言します。
「！」
暫定副看板娘決定戦D組代表となり喜ぶ小園さん。
あれ……ここは、どこ？
仮完結まで、あと17日。
